杉並区議会自民党議員ら懲りずに「選挙直前の政務活動費100%チラシ配布」続行

 2015年4月の区議会議員選挙の直前に自民党会派の議員らが顔写真や名前が大きく入ったチラシを作成・配布、その経費の全額を政務活動費から支出したことの違法性が、東京地裁や東京高裁の3件の判決によって確認されたことはすでにお伝えしてきたとおりである。

 ところが、驚くべきことに、先日の区議会議員選挙の2ヶ月前の今年2月、自民党会派所属議員10人が同様のチラシを作成・配布し、その経費の全額を政務活動費に計上していたことが4月末に公開された収支報告書によって判明した。

 問題の支出を行ったのは以下の10議員(当時)

 ・井口かづ子(今年5月に議長就任)
 ・大熊昌巳
 ・大和田伸
 ・大泉やすまさ
 ・今井ひろし
 ・小川宗次郎
 ・井原太一(今年5月に監査委員に就任)
 ・はなし俊郎(今年4月の選挙で落選)
 ・吉田愛
 ・脇坂達也 

 
 それぞれ、2月14日(井口議員)、または15日付で、7万7375円を支出している。按分はなされていない。
 

 看過できない問題だと感じた筆者は、21日、大熊議員分に関してのみ返還を求める住民監査請求を行った。大熊議員に絞ったのは単に事務作業の効率化のためである。残りの議員についてもこのまま自主返還などがなされない場合は、同様の手続きをとる予定である。

 読者各位のご支援をお願いしたい。 
★「選挙前に政務活動費でチラシ配布」を問う住民監査請求パート2 申立書 

ダニエル=エルズバーグ氏のインタビュー日本語版、ついに刊行

 米国国防省の高官などを歴任するなかでベトナム戦争や核戦略の作成に関わり、ベトナム戦争における米国の不正義を裏づける大量の内部文書(ペンタゴンズペーパー)を告発したダニエル=エルスバーグ氏のインタビュー録の日本語版『国家機密と良心 私はなぜペンタゴン情報を暴露したか』(ダニエルエルズバーグ著、梓澤登・若林希和訳)が岩波ブックレットで刊行された。

 国家機密情報の漏洩で、最悪の場合は処刑される危険もあったが、エルズバーグ氏はあえて危険を犯して内部文書を新聞社に送った。裁判所の出版停止命令が出されるが、新聞社は記事化して世に問うた。最終的に裁判所が合法であるとの決断を行い、ベトナム戦争終結の大きなきっかけとなった。

 エルズバーグ氏がなぜこうした行動をとったのか、インタビューはひとりの市民の生き様として大変興味深い。

 米国でベストセラーになったエルズバーグ氏の著書『The Doomsday Machine』(人類絶滅装置=核兵器=の意)の翻訳版も、岩波書店から近く刊行予定とのことである。

裁判で違法認定の政務活動費、さらに7議員/会派が返還

 選挙直前に大量のチラシを作成・配布し、その経費の全額を政務活動費(公金)で支出するといった行為が蔓延している杉並区議会で、支出の半分を超えた金額は違法だとする東京地裁の判決(2014年度分、今年3月22日・被告杉並区長は控訴中)を受け、あらたに7議員・会派(うち1議員は議員辞職)が計141万円あまりを返還していたことがわかった。

返還状況は以下のとおり(いずれも4月26日付)
 
・大和田伸 19480円(違法認定額は5万円)
・大熊昌己 5万円
・富本卓(辞職) 16万5880円
・葉梨俊郎(落選) 44万9600円
・吉田愛 53万346円
・脇坂達也 5万円
・公明党(大槻城一) 15万755円

 裁判は2件に分離して行われ、11議員・会派に対して310数万円を違法と認定、相殺分を算入した280万円余りの返還を命じた。これに対して、すでに130万円(うち20万円は訴訟とは無関係の支出)が返還されていた。今回の分を含めて返還額は約270万円となった。

 未返還なのは田中裕太郎議員の31万円のみとなった。被告杉並区長は控訴している。このまま未返還だと控訴審で田中議員の支出の是非が争われることになるが、逆転判決がでる可能性は低いとみられる。

 

高裁敗訴受けて大熊昌己自民党杉並区議(現議長)が政務活動費返還

 2015年4月の統一地方選挙直前に政務活動費で大量のチラシを作成したことについて支出のうち半分を違法とした東京地裁・東京高裁の判決を受け、大熊昌己杉並区議(自民党杉並区議会所属、現議長)が、違法認定された5万円の支出を返還していたことがわかった。

 2015年4月の住民監査請求申し立てからまる4年以上を経て、ようやく違法支出であることを認めたことになる。昨年8月に地裁判決で敗訴した時点ですでに違法性は明らかだった。大熊議員や自民党会派の無責任さがあらためて浮き彫りになったといえる。

 なお、今回大熊議員が政務活動費を返還したのと同じチラシについては、大和田伸、吉田愛、葉梨俊郎(2019年4月の選挙で落選)、今井洋、脇坂達也、富本卓(2019年3月末で議員引退)の6人の各議員・前議員を対象にした裁判がなおも続いている。一審東京地裁では半額を違法とする判決がだされているが、被告杉並区長は控訴して争っている。もはや勝ち目はゼロだが、6議員・前議員は現在のところ自主的な返還に応じていない。
 
 

情報公開手数料の納入通知書利用問題、結論は先送り 「検討」続ける警視庁

 東京都の一行政機関である警視庁(東京都警察)が、東京都情報公開条例に基づく情報公開手数料の支払に関して、筆者が納入通知書での納入を求め、都の運用としてすでに可能であることが明確になっているにもかかわらず、「現金または郵便為替」での送金に固執している問題で、警視庁はきょう(22日)、「検討中だ。結果はいつになるかわからない」との回答を行った。4月12日の開示決定からすでに10日が過ぎているが、結論が出るのは連休明けの5月7日以降になる可能性がある。

 地方自治法の規定で、地方自治体の歳入は原則納入通知書によるとなっており、例外的に現金納付を認めている。遠隔地からの情報公開を制度化している情報公開も、本来なら納入通知書による納付が原則であるはずだ。ところが、じっさいは「現金」「郵便為替」に限る(原則ですらない)という運用をしている自治体が多数ある。現金書留や為替は500円以上の手数料がかかるが、指定金融機関から納入通知書で払えば手数料はかからない。

 筆者は、納入通知書による納付を実現するよう全国の都道府県に働きかけを行ってきた。現在東京都を含む30以上の都道府県で納入通知書による情報公開手数料の納付を実現している。

「選挙前に政務活動費で自民党チラシ」裁判は高裁でも「半額は違法」と判断、住民側3連勝

 前回杉並区議選の約3ヶ月前にあたる2015年1月に、自民党会派(12人)が15万枚のチラシを作成し区内に配布、うち8人が政務活動で全額(ひとりあたり10万円)を支出したことの是非を問う住民訴訟で、東京高裁は16日、一審東京地裁判決を支持して、「支出のうち2分の1を超えた部分は違法」との判決をくだした。同チラシに関する裁判は、一次訴訟(大熊昌己議員関係)と二次訴訟(大和田伸・吉田愛・脇坂達也・今井洋・葉梨俊郎・富本卓各議員=富本氏は3月に議員辞職)にまたがって行っており、今回の高裁判決は一次訴訟。二次訴訟でも一審で同様の違法判決が出たが、被告田中区長は控訴している。

 「区政報告」の名のもとで政務活動費という公金を流用した選挙PRに一定の歯止めがかかることを期待したい。

 裁判をご支援いただいた読者各位にお礼を申し上げたい。

 詳細をマイニュースジャパンで記事にしたので、ごらんいただきたい。

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【「選挙直前に配布したチラシの経費を政務活動費で全額支出」は違法 自民党杉並区議めぐる裁判で田中区長3連敗の苦境】

 2015年4月の前回選挙の直前に作成・配布したチラシの費用を政務活動費で全額払ったことの是非を問う住民訴訟の控訴審で、東京高裁は16日、自民党会派の大熊昌己議員が支出した10万円について、「(チラシは)選挙活動のためのものであるという実態を併せ有することは明らか」として、50%を超えた5万円は違法な支出であり、区長は返還請求せよとする住民勝訴を言い渡した。大熊議員以外の自民党会派議員6人についても、同じチラシをめぐって別件の訴訟になっており、今年3月、やはり50%を超えた計30万円の支出を違法とする判決が出た。こちらも被告田中区長は控訴しているが、敗訴は時間の問題だ。一方、判決で支出の違法性を指摘された7議員のうち6人が現在杉並区議選に立候補している。区長のさらなる敗訴を避け、かつ有権者にアピールするには自主的に返還するしかない。はたしてどうするのか。(末尾で3個の判決文ダウンロード可)

【Digest】
◇ 選挙3ヶ月前にチラシを政務活動費で大量配布
◇紙面の半分は議員の名前と顔写真
◇区政報告に名を借りた選挙PR
◇「4年間」の総括をチラシに書いているワケ
◇「選挙のためではない」と釈明するが
◇裁判でぼろ負けの大熊議員
◇区長、時間稼ぎの控訴も4連敗必至か

 http://www.mynewsjapan.com/reports/2460

情報公開手数料の納付方法めぐり虚偽説明をする東京都

 警視庁(東京都警察)に行っていた情報公開請求の結果が出たとの知らせを受け、文書の送付の手続きしようときょう警視庁情報公開室に電話をかけた。120枚ほどあり電子データでの開示も可能だと聞き、電子データをDVDに収録したものを郵送してもらうことにした。小池百合子都知事の業績として、電子データの場合は文書量にかかわらずDVD1枚100円の手数料で複写できる制度が実現した。これは大変便利である。福岡地裁・高裁の手数料は1枚60円であるから、情報公開の料金についてのみいえば福岡地裁・高裁よりも東京都は数段先進的といえる。

 そこで、警視庁に100円の費用と切手代140円を送ろうと思い、その方法を尋ねた。情報公開室の職員はいった。

 「現金書留か郵便(小為替)で送ってください」

 現金書留や郵便為替は約500円、額面がきまっている定額小為替も1枚100円の手数料がかかる。240円を送るに最低その倍の費用がかかる。不合理きわまりない。

 この問題に筆者はかねてから関心があった。なぜ納入通知書での支払いができないのか。東京都をはじめ多数の府県に改善をはたらきかけ、現在では30以上の都府県で納入通知書による払い込みが可能であることを実証した。やればできるのである。納入通知書を使って指定金融機関から払えば手数料はかからない。

「東京都でも納入通知書を使っているはずだが」と警視庁の情報公開室の職員に言った。職員は自信がないような口ぶりだったので、「都の情報公開担当に問い合わせれば確認できるとおもいますよ」と伝え、相手も「尋ねてみる」といって電話を切った。

 しばらくしてから警視庁職員は折り返しの電話をかけてきて、こういった。

「都の情報公開室に尋ねましたが、現金書留か郵便為替でやっているということでした」

 奇妙なこともあるものだと思い、都の情報公開室に直接電話をかけて、「納入通知書での納付はできたはずですよ。警視庁の問い合わせになぜそう説明しなかったのですか」と言った。

「原則として現金書留または郵便小為替となっているので・・・」

 職員はもごもごと言った。

 「原則として現金書留・・」は事実無根である。地方自治法が定めた歳入方法の原則は「納入通知書」のほうである。

 私は続けて言った。

 「警視庁情報公開室にちゃんと、納入通知書での納入は可能であると伝えてください」

 「わかりました」と都情報公開課の職員は答えた。電話を切り、私は回答を待った。しかし、結局きょう中の回答はなかった。

 納入通知書での手数料支払いが可能であることを知りながら、都情報公開課の課員は「現金・為替でなければならない」と虚偽の説明をしたことになる。なぜそんなことをするのか不明だが、不誠実きわまりない態度であることはまちがいない。読者の方で都や都議会に情報公開請求をされる方があれば、都職員がなんと言おうが、納入通知書での支払いを強く望まれるようお伝えしたい。