情報公開と手数料−−神奈川県の場合

 日本の「民主主義」を疑わざるを得ない事実が日に日にあらわになっているが、情報公開制度の停滞、あるいは後退ぶりもそのひとつだろう。たとえば、知る権利を行使するために高額の手数料を求められる。改善を求める声は小さい。日本の情報公開制度の後進性、民主主義の未成熟さをを雄弁にものがたっている。

 この情報公開の手数料について、さきほど(30日午前)、面白い現象を観察することができた。神奈川県の例だ。県選管に届け出がされている政治団体「自由民主党神奈川県第2選挙区支部」の政治資金収支報告書に添付された領収書等の開示請求を行った際の出来事だ。手続きは2本必要だ。1万円を超える領収書(高額領収書)は県条例による情報公開請求、1万円以下の少額領収書は政治資金規正法による開示請求だ。

 少額の請求には1団体300円の初期手数料を貼らねばならないと県手数料条例で定めている。そこで、その払い方を選管に問い合わせたところ、次のような説明が返ってきた。

 「開示請求書を送っていただければ、こちらから納入通知書を送ります。それを使ってもよりの指定金融機関で払ってください」
 
 納入通知書が届いてから300円を払い、それを確認してから作業をはじめるという。時間がかかるので、筆者は300円の定額小為替を同封して開示請求書を郵送した。100円の為替手数料がかかるが、時間を節約するためにはやむを得ないと考えた。そして投函後、その旨電話で選管に伝えた。意外にも職員がいささか驚いた様子で言った。

 「それは困ります。受け取れない」

 驚いたのはこちらのほうだ。というのは、神奈川県は、情報公開条例にもとづく開示請求をした場合の手数料(コピーを郵送してもらう場合)の送金方法について、「現金書留または定額小為替でないと受け取れない。納入通知書は発行できない」という方針にこだわってきたからだ。地方自治法で、歳入は原則納入通知書によるとなっているが、なぜか情報公開の手数料だけは「現金原則」なのだ。なお、強く改善をもとめたところ、現在、改善にむけた作業中だとのこと回答を得ている。

 あれほど現金・為替にこだわっていた神奈川県が、なぜこんどは現金・為替はダメだというのか。筆者はたずねた。

 「情報公開条例による高額領収書の手数料は納入通知は出せない、現金や為替で払えという。一方で、少額の手数料は現金・為替は受け取れない、納入通知じゃないとだめだという。そういうことですか」

 「そうです」

 「おかしくないですか」

 「申し訳ありませんが…」

 職員はとまどい気味に言った。少額領収書の手数料も、為替を受け取り、現金化した後に「事後調定」して納入すればすむ話ではなかろうか。できるはずだ、検討して対処してほしいと伝えた。その程度の柔軟な行政事務がなぜできないのか、原因はどこにあるのだろうか。疑問を禁じ得ない。

   
 
 

記事掲載のお知らせ「オープンハウス振り込め詐欺事件」続報

 みなさん、こんにちは。多忙にかまけてしばらく更新作業を休止していました。
 マイニュースジャパンに記事を書きましたのでご案内します。

 警察と協力して「振り込め詐欺防止キャンペーン」をやっていた大企業の社員が、こともあろに振り込め詐欺をはたらいて警察に逮捕されたという冗談のような恐ろしい話です。しかも、その事実は企業の側からも、警察の側からも、新聞・テレビ報道からも、いっさい明らかにされていません。

 日本の「言論の自由」の実態を観察する格好の題材かもしれません。

【オープンハウス振り込め詐欺事件」社員逮捕・起訴は2人に 保土ヶ谷営業センター元営業マンの林氏、公判で犯行認める】
http://www.mynewsjapan.com/reports/2574