杉1小移転計画地は 水没・火災の 危険大!!  「避難場所として不適切」 調査会社が2017年1月に指摘も区隠蔽か

 区立杉並第一小学校(杉並区阿佐谷北)の移転を含む大規模な開発事業を区民不在で強引に進めている杉並区が、同小学校の移転先(現・河北病院敷地)は災害発生時に浸水や延焼の危険が高く、避難所として「不適切」であるとの報告を専門業者から得ていたことが、情報公開請求によって発見された資料から判明した。

 問題の記載は「阿佐ヶ谷駅北東築大規模敷地活用に関する調査業務委託」と題する報告書。杉1小を建て替える場所の候補として、

・A「現地建て替え」、
・B-1、B-2「河北病院敷地への建て替え(敷地の利用方法が異なる2案)
 
 の計3案があるとして、それぞれの利点と欠点を検討・評価している。区の発注(2016年12月6日、随意契約161万円)により、佐藤総合設計が2017年1月に作成、提出した。

 報告書(佐藤報告書)によると、B-1、B-2案についてはこう評価している。

「(洪水時には)0.5~1メートル敷地全体が浸水」「(周囲に木造家屋が密集しており、震災発生時には)延焼・類焼の恐れ」があるため、「震災避難所として不適切」である。

 一方、A案の現地建て替え、つまり大通りの「中杉通」に面した現在の杉1小敷地の立地については、震災避難所としては「安全性高」と評価している。

 常識的にみればA案になりそうなものだが、区はなぜか「震災避難所として不適切」と評価されたB-1またはB-2の案を採用した。

 なぜ危険なB案なのか。その理由は不明だ。 B案なるものが登場した経緯も不透明というほかない。

 というのも、区は当初、現地建て替え(A案)の方針で計画を進めていたからだ。2016年8月4日、区は、現地建て替えを実行するために基本設計を佐藤総合計画に約6500万円で発注(後に5500万円に減額)した。基本設計は翌年3月に完成し、実施設計・工事へと進む予定だった。

 しかし、基本設計作業の途中で現地建て替え計画は突如として凍結される。そして、病院敷地に移転するB案が登場する。浸水・火災の危険を佐藤総合設計が指摘した事実は明らかにされないまま、2017年5月、移転する案に変更が決定される。一連の計画変更は、多くの区民の不信と反発を買うことになった。

 現地建て替え計画が凍結された後、区は住民や保護者向けの説明会や意見交換会を繰り返した。その際、浸水被害を指摘する疑問がなんども出たが、佐藤報告書が「震災避難所として不適切」と指摘した事実を区は決して明らかにしようとはしなかった。議会や区民説明会に対しても同様に、報告書の内容にはいっさい触れていない。

 不都合な事実を隠蔽した。そういわれても仕方がないだろう。