杉並区施設「あんさんぶる荻窪」財務省に譲渡--の闇

 杉並区営施設「あんさんぶる荻窪」を財務省所有の荻窪税務署と「等価交換」する事業を区は進めているが、そのやり方に違法があり、区が損害をこうむったとして、松尾ゆり区議が約1億2000万円の返還を求める住民監査請求を4月に申し立た。現在監査が行われている。

 財務省側と区側の双方が土地・建物の算定価格を出し、差額の小さいほうを採用するというやりかたで「等価交換」は行われた。結果、区の算定のほうが差額が小さいとして採用され、財務省から差額4000万円の支払いを受けて交換が実施された。ところがよくみると、財務省の算出価格は建物に対して消費税を加算しているのに対して、区側の算出価格には消費税がなかった。

 松尾議員によれば、消費税を算定価格にのせた場合、差額は約1億6000万円となる。1億2000万円の損害が区に発生した計算だ。また、差額が1億6000万円であれば交換自体が白紙になった可能性もあったと指摘している。

 ★あんさんぶる荻窪の交換に関する松尾ゆり議員の住民監査請求
 

杉並区議会自民党議員ら懲りずに「選挙直前の政務活動費100%チラシ配布」続行

 2015年4月の区議会議員選挙の直前に自民党会派の議員らが顔写真や名前が大きく入ったチラシを作成・配布、その経費の全額を政務活動費から支出したことの違法性が、東京地裁や東京高裁の3件の判決によって確認されたことはすでにお伝えしてきたとおりである。

 ところが、驚くべきことに、先日の区議会議員選挙の2ヶ月前の今年2月、自民党会派所属議員10人が同様のチラシを作成・配布し、その経費の全額を政務活動費に計上していたことが4月末に公開された収支報告書によって判明した。

 問題の支出を行ったのは以下の10議員(当時)

 ・井口かづ子(今年5月に議長就任)
 ・大熊昌巳
 ・大和田伸
 ・大泉やすまさ
 ・今井ひろし
 ・小川宗次郎
 ・井原太一(今年5月に監査委員に就任)
 ・はなし俊郎(今年4月の選挙で落選)
 ・吉田愛
 ・脇坂達也 

 
 それぞれ、2月14日(井口議員)、または15日付で、7万7375円を支出している。按分はなされていない。
 

 看過できない問題だと感じた筆者は、21日、大熊議員分に関してのみ返還を求める住民監査請求を行った。大熊議員に絞ったのは単に事務作業の効率化のためである。残りの議員についてもこのまま自主返還などがなされない場合は、同様の手続きをとる予定である。

 読者各位のご支援をお願いしたい。 
★「選挙前に政務活動費でチラシ配布」を問う住民監査請求パート2 申立書 

ダニエル=エルズバーグ氏のインタビュー日本語版、ついに刊行

 米国国防省の高官などを歴任するなかでベトナム戦争や核戦略の作成に関わり、ベトナム戦争における米国の不正義を裏づける大量の内部文書(ペンタゴンズペーパー)を告発したダニエル=エルスバーグ氏のインタビュー録の日本語版『国家機密と良心 私はなぜペンタゴン情報を暴露したか』(ダニエルエルズバーグ著、梓澤登・若林希和訳)が岩波ブックレットで刊行された。

 国家機密情報の漏洩で、最悪の場合は処刑される危険もあったが、エルズバーグ氏はあえて危険を犯して内部文書を新聞社に送った。裁判所の出版停止命令が出されるが、新聞社は記事化して世に問うた。最終的に裁判所が合法であるとの決断を行い、ベトナム戦争終結の大きなきっかけとなった。

 エルズバーグ氏がなぜこうした行動をとったのか、インタビューはひとりの市民の生き様として大変興味深い。

 米国でベストセラーになったエルズバーグ氏の著書『The Doomsday Machine』(人類絶滅装置=核兵器=の意)の翻訳版も、岩波書店から近く刊行予定とのことである。

裁判で違法認定の政務活動費、さらに7議員/会派が返還

 選挙直前に大量のチラシを作成・配布し、その経費の全額を政務活動費(公金)で支出するといった行為が蔓延している杉並区議会で、支出の半分を超えた金額は違法だとする東京地裁の判決(2014年度分、今年3月22日・被告杉並区長は控訴中)を受け、あらたに7議員・会派(うち1議員は議員辞職)が計141万円あまりを返還していたことがわかった。

返還状況は以下のとおり(いずれも4月26日付)
 
・大和田伸 19480円(違法認定額は5万円)
・大熊昌己 5万円
・富本卓(辞職) 16万5880円
・葉梨俊郎(落選) 44万9600円
・吉田愛 53万346円
・脇坂達也 5万円
・公明党(大槻城一) 15万755円

 裁判は2件に分離して行われ、11議員・会派に対して310数万円を違法と認定、相殺分を算入した280万円余りの返還を命じた。これに対して、すでに130万円(うち20万円は訴訟とは無関係の支出)が返還されていた。今回の分を含めて返還額は約270万円となった。

 未返還なのは田中裕太郎議員の31万円のみとなった。被告杉並区長は控訴している。このまま未返還だと控訴審で田中議員の支出の是非が争われることになるが、逆転判決がでる可能性は低いとみられる。

 

高裁敗訴受けて大熊昌己自民党杉並区議(現議長)が政務活動費返還

 2015年4月の統一地方選挙直前に政務活動費で大量のチラシを作成したことについて支出のうち半分を違法とした東京地裁・東京高裁の判決を受け、大熊昌己杉並区議(自民党杉並区議会所属、現議長)が、違法認定された5万円の支出を返還していたことがわかった。

 2015年4月の住民監査請求申し立てからまる4年以上を経て、ようやく違法支出であることを認めたことになる。昨年8月に地裁判決で敗訴した時点ですでに違法性は明らかだった。大熊議員や自民党会派の無責任さがあらためて浮き彫りになったといえる。

 なお、今回大熊議員が政務活動費を返還したのと同じチラシについては、大和田伸、吉田愛、葉梨俊郎(2019年4月の選挙で落選)、今井洋、脇坂達也、富本卓(2019年3月末で議員引退)の6人の各議員・前議員を対象にした裁判がなおも続いている。一審東京地裁では半額を違法とする判決がだされているが、被告杉並区長は控訴して争っている。もはや勝ち目はゼロだが、6議員・前議員は現在のところ自主的な返還に応じていない。