杉並区公用車関連文書

 杉並区の区長車や議長車など公用車が私的な用途に使われているという問題があります。このたび、公用車の高速道路料金の支払い状況と委託運転手の勤務状況を記録した文書を情報公開請求によって入手しました。提供します。2018年4月から11月までのものです。

・公用車ETC(2018年4月-12月)約7Mバイト

・公用車 勤務時間(2018年4月-12月)約18Mバイト
 

東京新聞記者の官房長官記者会見「質問制限」問題を考える

 官房長官記者会見に出席した東京新聞(中日新聞)社員記者が、菅官房長官から質問を妨害されるという出来事が世間の注目を集めている。

 筆者もフリージャーナリストとして細々ながら報道に携わっているので、関心をもって注目している。現時点で気づいたことを書き留めておきたい。

 国家公務員の幹部中の幹部たる官房長官が、記者会見で記者の質問を妨げた。官房長官というのは国民や世の中に広く説明を行う立場にあるのだから、けしからんという世論が起きるのは当然だろう。しかし、そこで前提として理解しておかねばならないのが「記者クラブ」と官房長官記者会見の関係である。残念ながらこの「記者クラブ」が持つ問題の本質に切り込んだ言論というのは比較的少ないようにみえる。

 記者クラブというのは特定の報道業者でつくる任意団体だ。そこと役所がカルテルを結んで開いているのが「官房長官記者会見」のような閉鎖式の会員制記者会見である。私のようなフリージャーナリストは「質問」どころか会見場に入ることすらできない。話題になっている東京新聞記者は、この「記者クラブ」専用会見の特権によって会見場に入り、質問できる立場を獲得している。

 だれが(どの会社の従業員か)官房長官記者会見場に入ることができるか、だれは入ることができないかという判断は事実上役所が握っている。記者であるということ以上に様々な理不尽な制約を課している。

 報道・言論の自由を標榜しながらじつのところ会見参加者を選別している。巧みな情報操作といえる。会見場に入ることすらできない筆者の目からみれば、今回の東京新聞記者の問題は、選別がなされて会見参加の特権を得た記者のなかに役所の気に入らない人物がいたというに過ぎない。

 腐敗にまみれた安倍政権が報道による批判を恐れているのは間違いない。あらゆるジャーナリストが会見場に入れるようになれば、とっくに政権は倒れているだろう。研究不正を叩かれた早稲田大学の研究者の例をみればよくわかる。早稲田大の問題の記者会見はだれでも入ることができた。

「会見場に入る特権をはじめ便宜をはかる」者と「排除する」者に選別し、分断するというのはある意味賢い情報操作のやり方である。

 官庁の記者会見を取材しようとすると、「記者クラブが主催する会見なのでフリーは質問するな」「主催者優先にしてほしい」「主催者以外は参加を認めない」といった反応が記者クラブからある。自分たち(の会社)長年の取材努力によって記者会見取材という特権を得たかのような理解をしている記者が少なくないらしい。

 しかし、役所の首長や公務員が記者会見をする真の意味を考えれば「長年の取材努力によって記者会見取材という特権を得た」という考えはおかしい。公金を預かる公務員が記者会見をする意義とは、一にも二にも説明責任をはたすためである。その公に対する説明の場である公務員の記者会見を「自分たちの既得権益」だと考えてフリーを排除することに躊躇がない記者というのは、「公務員様のご機嫌を損ねれば、飯のタネである記者会見を取り上げられてしまうじゃないか」という不安を恥ずかしげもなく表現しているといえる。報道の自由どころではない。  

 官房長官の記者会見があらゆる記者に広く開放されれば、まちがいなく安倍政権は倒れる。よって安倍政権は日本各地に広がる各種記者クラブ制度を徹底的に守ると思われる。記者クラブに言及しない新聞テレビ通信社というのは、本音のところで安倍政権に倒れてほしくないと考えているにちがいない。

 権力となれ合った報道産業の各企業のなかで、経営者の望むまま権力にゴマをする者もいれば、ジャーナリストとしての自由を獲得しようともがく者もいるだろう。それぞれの労働者としての覚悟と意識が問われている。

露になる東京都議会の情報非公開体質/政務活動費収支報告書「存否回答できない」

 情報公開の推進を看板に掲げた東京都だが、政務活動費の公開には大きな疑問がある。議長に提出され4月30日の提出期限を過ぎた収支報告書と会計帳簿のすべてを情報公開請求したら、「修正前」のものは存否も含めて回答できないとの迷回答がかえってきた。これがいかにひどい対応か。本ブログの読者各位はご理解いただけるとおもう。しかし、新聞記者を含めてこの問題の深刻さがわかる人は必ずしも多くないのが現実だ。結果、全国でも類例のないふざけた対応を許している。

知事特別秘書「給料表最高額に25%加えた額が上限」解釈は埼玉だけ?/疑問さらに深まる

 「一般職の職員の例により知事が定める額」--この条例を「一般職職員の給料表の最高額に25%を加えた額を上限とみなしてよい」という奇妙な解釈をし、現秘書について支給は適法だと結論づけた埼玉県監査委員の判断に、さらなる疑問が浮上した。

 「一般職職員の例による」といった条例をもつ福島県が「給料表の範囲内と解釈している」ことはすでにお伝えしたが、同様の条例をもつ和歌山県もまた、「給料表の範囲内と解釈している」と筆者の問い合わせに回答した。

 特別秘書の条例を持つ23都道府県のうち、「一般職の職員の例による」という条例の仕組みになっているのは、埼玉県、福島県、和歌山県、石川県、奈良県、岡山県、高知県で(うち現在秘書を採用しているのは埼玉県と福島県)、筆者はきょう、和歌山県以下の各県に質問状を送った。和歌山県の回答はこれに対するもので、「行政職給料表の範囲内と解釈している。現在の給料表の最高額は9級41号級の52万7500円で、これを超えた給料の支給はできません」と電話で説明があった。

 埼玉県の「25%を加えた額が上限」という解釈の突出ぶりがあらためて印象づけられた。

 残りの各県からも追って回答があるとおもわれる。引き続き報告したい。

埼玉県特別秘書違法支給問題で監査委員が「嘘の上塗り」か/福島県と類似した条例と知りながら強引に独自解釈

 埼玉県知事特別秘書に、過去40年以上にわたり条例違反の違法な高額給料・手当が支給されてきた疑いがもたれている問題で、給料額が開示されている現職秘書のみについて監査を行い「適法」と判断した県監査委員が、不自然な条例解釈を行っていることが情報公開で判明した新資料によって明らかになった。

 埼玉県知事特別秘書の給料は、条例によって「一般職職員の例により知事が定める額」となっている(昨年12月に改定)。これを根拠に一般職職員の給料表の最高額(約56万円)より9万円も高い約65万円の月額給料が支給れている(現秘書)。過去についても同様の違法性が疑われる支給がされてきた模様だが、金額は非開示にされており検証ができない状態にある。現在開示を求めてさいたま地裁で裁判を行っている。

 給与条例主義に反する支給がなされているのではないかと県議会でも問題となり、監査を請求。これを受けて県監査委員が監査を行った。結果、現職秘書についてのみ監査を行い、「一般職部長級職員の給料・手当(管理職手当込み)の支給総額とみあう額になるよう特別秘書(管理職手当は支給不可)の給料をきめてよい」とする県の考え方が誤りであり、一般職職員に支給しえる給料の上限額が特別秘書給料の上限であるとと指摘した。

 ここまでは常識的だが、問題はその次である。「一般職職員の例により知事が定める額」の解釈について、給料表の上限額に25%を加えた額を上限とすべきであるから、現秘書の給料額は違法ではないと判断したのだ。25%とは「調整額」のことだ。調整額とは特定の職種について給料額に一定の金額を加える仕組みで、その額は人事委員会で決め、その額は本給の25%を超えてはならないとなっている。調整額の適用を受けている一般職職員(医療職を除く)で、その給料額が給料表の最高額を超えるものはいない。

 最高額に25%を掛けた額が一般職職員の最高額という解釈はどう考えても無理がある。

 説明が長くなったが、この監査委員の判断が牽強付会であることをうかがわせる資料とは、監査の過程で監査委員が入手した「特別秘書給与に関する他県の規定状況」(平成30年4月調査)と題する文書だ。県が作成したとみられる。監査関連文書を情報公開して入手した。文書は特別秘書の条例を持つ23都府県について、条例の仕組み別に分類しており、冒頭のブロックは「一般職の職員の例による」とある。秘書の任用があるのは埼玉県と福島県の2つ。

 つまり福島県が「一般職の職員の例による」という条例をどう解釈しているか、上限額をどのように判断しているかが、埼玉県の問題にとってきわめて重要になってくる。なぜか、監査関連文書のなかに福島県の条例運用に関する記述はみつからない。黒塗りされているのかもしれない。

 そこで福島県に問い合わせたところ、次の回答が得られた。

 ・現秘書(小林大也)には46万5000円の給料を支給している
 ・課長級の7~8級の給料を支給している
 ・行政職給料表の最高額は10級21号の57万3900円だが、条例上この額を超えることはできないと解釈している。

 埼玉県も県監査委員は、埼玉とほぼ同じ条例を持つ福島県が「給料額は給料表の範囲内」との解釈を行っていることを知りながら、あえて「給料表最高額に25%を加えた額が上限額」という独自の解釈を強引にひねりだしたわけだ。むろん、「一般職の職員の例により」といった給料条例を、給料表の上限に25%を掛けた額を上限とみてよいなどという解釈をしている自治体は、おそらく日本中探しても埼玉県しかないのではないか。

 違法支給を合法化してみせた監査委員の行為はほとんど犯罪的である。

自転車撤去「手数料」をめぐる裁判の判決が意味するもの

 杉並区が条例に違反して路上に自転車を「放置」したとして撤去・保管し、その手数料債権(債務)5000円の有無をめぐり、筆者が原告となって争った行政訴訟の判決が13日、東京地裁であった。「杉並区が納入通知書の発行を拒否しているのは手数料徴収処分をしていないためである。すなわち債務は存在しない」という筆者の主張に対して、判決は「手数料は行政処分によって発生するものではない。撤去と同時に債務は発生している」として請求を退けた。

 結果は敗訴だが判決は興味深い。自転車撤去処分と同時にその利用者等に手数料5000円の債務が自動的に発生するのであって、納入通知の手続きをするかどうか、自転車を返すかどうかは手続に関することであり、債務の有無とは関係ない――と判決理由は述べている。

 なるほど、そうすると杉並区は債権を有しながら徴収する手続きを怠っているということか、と筆者は得心がいった。杉並区は債権を持っていながらちゃんとした徴収手続きをしない、それでいて自転車を返還しようとしない。払わないと自転車を処分するぞと暗に圧力をかける。

 納入通知による請求(徴収)が地方自治法で定められた大原則なのだから、この自転車占有行為には問題があるといわざるをえない。

 自転車撤去の手数料は「非強制公債権」と呼ばれる地方自治体の債権で、納入通知や督促、訴訟によって徴収する義務がある。時効は5年という規定もある。この債権を放棄する場合は、通知をしたり役所の掲示板に告示することも義務づけられている。債権の徴収にあたっては首長の裁量権はゼロ、すべての債権に対して徴収努力をしなければならないともある。

 杉並区は上のいずれの手続きもやっていない。

 5000円をもって集積所に取りに来た人にだけ自転車を返し、引き取りにこなかった人の自転車は30日で売却・廃棄処分にしている。そして、処分自転車の利用者等に対する手数料債権は「解除」している。

 訴訟では「利用者等が不明」なものについて手数料債権を解除すると説明しているが、信じがたい。防犯登録情報からハガキで所有者に連絡しているのだから、利用者等がわかっていながら解除している例が相当あるのはまちがいない。解除するにあたって法定の通知や告示をした形跡もない。

 杉並区の自転車撤去のやりかたに問題があることは確かだ。もうしばらく研究を続けたい。

  

 
 

岡山県の情報公開制度に、小さいが大きな進展

 岡山県の情報公開制度に、小さいが大きな意義のある進展があった。

 進展は2つある。ひとつは、情報公開請求書を郵送する方法でしか受け付けていなかったのをファクスでも受理するように運用を変更した点。もうひとつは、写しを送付する際の費用を送金する方法として、従来は現金か郵便小為替しか認めていなかったのを、納入通知書による支払いができるようにした点だ。

 改善のきっかけは筆者の苦情にある。

 県選挙管理委員会に届け出がされている政党支部「自由民主党岡山県第5選挙区支部」(加藤勝信代表)の政治資金収支報告書に添付された領収書等の写し(1万円超)を入手するため、同選管にファクスで情報公開請求を行ったところ、「ファクスでは受付ができない。郵送してほしい」として受理を拒否された。

 また開示文書のコピー代や郵送代の送金方法について尋ねると、「現金書留か郵便小為替」しか受け付けないという。

 納得できる話ではなかった。 

 ファクスでの請求書受理は地方自治体の情報公開ではふつうに定着した方法だ。なぜ岡山県ではできないのか。情報公開を担当する総務学事課に理由をただすと、「要綱にその旨記載しているからだ」という説明がかえってきた。

 要綱とは、条例や規則が規定した行政事務を実行するための内規である。情報公開条例にはファクスでの受理をしてはならないとは書いていない。要綱に記載しているからファクスを受け付けないというのは、つまり「岡山県はファクスの受理をしないことにしているから受け付けない」といっているようなもので説明になっていない。ファクス申請を受理しない合理的理由は、他の都道府県の運用をみればどうみてもない。

 また、費用の送金方法は、現金書留や郵便小為替というのは、極端な話し、10円送るのに500円以上の郵送料を負担せよと言っているのと同じである。税金などと同様に納入通知書での支払いができるのであれば、手数料はかからない。これは他県でも最近まで「現金・小為替限定」の運用が大半だったが、筆者が改善を求めた結果、大半で納入通知書や納付書での対応を導入したという経緯がある。岡山県は「未改善」の状態にあった。

「要綱に書いているからといって、ファクスでの請求受理ができない理由にはならないのではないか。運用方法でファクスの受理は可能ではないのか。」

 ファクス申請を受け付けない、納入通知書による費用の送金を受け付けないという2つの点について、筆者は抗議し、県としての見解をただした。

 その回答が8日、同課課長からあった。「ファクスでの請求受理をこんごは行うにした」とのことであった。同時に、従来現金書留か郵便小為替による手数料納付を要求していた点についても、「今後は納入通知書で納付できるように運用をあらためる」との説明があった。

 岡山県の情報公開制度を利用するうえで格段に便利になった。岡山県の柔軟で建設的な対応は評価に値する。