杉並区による「放置自転車」保管は手数料の担保目的ではない

 さる5月2日午後、高円寺駅北口のスーパー敷地と歩道の境界付近に駐輪していた筆者の自転車が、杉並区が委託する協和産業の作業員によって「撤去・保管」された。この自転車の返還と、条例でさだめている「手数料」(5000円)の納付方法をめぐって、現在区との間で協議が続いている。

 6月16日現在、解決にいたっていない。

 この間、筆者は区に対して次の要求をしてきた。

 1 手数料を払う必要があるのであれば、区に直接払いたい。よって納入通知書または納付書を発行してほしい。

 2 自転車を引き取りたいのですみやかに引き渡してほしい。

 この要求に対して区は次のとおり回答している。

 ・納入通知は業者が口頭ですでに行った。よって納入通知書も納付書も発行できない。

 ・手数料は保管場所において業者が徴収するようにしている。よって手数料を納付しないと自転車は引き渡せない。

 1ヶ月以上にわたるやりとりを通じて、次第に問題のありかがはっきりしてきた。納入通知書や納付書を発行できない理由は、本当に区が言う「業者が口頭で通知をした」ことなのだろうか。おそらくちがう。区が誰かに対して入金を求める場合は、原則として事前調定という手続きを行う。それをしていないだけではないか。

 つまり、現状筆者には、正式な形での手数料の支払い義務は存在しない可能性が高い。

 仮に筆者が自転車を引き取りに行かず、手数料も払わず、区がこれを処分した場合にどうなるか。撤去・保管手数料をもはや筆者に請求することはできない。自転車なきあとに「口頭で」請求されても、払いたくはない。払わせようと思えば、それこそ納入通知書をつくって支払いを求めなければならない。ところが、納入通知書は作れないのだと頑なに言っているのである。

 「カネもって取りに来ないと捨てるぞ」と脅しながら、だれからでもいいから手数料を回収しているのが実態ではないか。

 撤去・保管費用を区長は利用者等から徴収できる旨条例でさだめている。しかし、だれもから平等に徴収しているわけではない。自転車を取りに来た人からは徴収し、取りに来なかった人に対しては徴収しない。そんないびつな運用をしているともいえる。

 であれば、なおさら納入通知書がない状態で手数料を払うことには躊躇を感じる。

 そして、手数料をはらわない(払いたくても払えない)ことを理由に自転車を返さないのも誤った運用というほかない。自転車が手数料の「担保」ではないことは、引き取り手がなくて区が処分した場合、それによって得た利益を手数料の一部にあてていない事実からも明らかである。