ダニエル=エルスバーグ『SECRETS:a memoirof vietnam and the pentagon papers』

 ベトナム戦争で核兵器の使用を計画していたことを内部告発した米政権中枢にいた人物とそれを報じたメディアの奮闘を映画にした『ペンタゴンペーパー』が話題になっているが、その実在の主人公であるダニエル=エルスバーグ氏の2002年の著作『SECRETS:a memoirof vietnam and the pentagon papers』(秘密-ベトナムと国防総省文書に関する回想)がきょうとどいた。

 てっきり邦訳されていると思っていたのだが、どうもないらしい。映画にまでなっているのに奇妙なことである。
 最新作の「The doomsday machine-conffession of a nuclear war planner」(人類滅亡装置ーーある核戦争立案者の告白ーー)とあわせて、翻訳されることを切にねがう。

http://miyakekatuhisa.sakura.ne.jp/wp2/archives/2906

 なお税金を払っていないというアマゾンではなく、たぶんアマゾンよりは税金を払っていると思われる紀伊国屋で注文した。

 

墨塗り作業がとっくに終わっているはずの東京都の政務活動費領収書類なのに、情報公開請求すると数ヶ月待たされる訳

 先日、東京都議会に対して2012年度分の政務活動費の領収書類をすべて開示するよう情報公開請求した。これは4月末日で保管期限が切れてじきに廃棄される運命だったものを、かろうじて開示請求によって確保することに成功したものである。約3万枚あるという。コピー1枚40円の時代には100万円以上かかったものが、現在はDVD1枚100円の手数料で入手できるよう条例改正がなされたため、多くても数百円の経費ですむ。この点は小池知事の功績として評価に値する。

 開示請求した対象文書は3万枚と大量だが、職員の事務作業はさほど大変ではないだろうと予想していた。というのは、政務活動費の条例で閲覧対象になっており、つい先日まで議会事務局の棚にならんでいたものだからだ。黒塗り作業はとうに済んでいるのだから、機械的にデータ化すればよいだけだ。

 ところが、事務局からきょう電話でこう連絡があった。

「もういちど黒塗り部分について、情報公開条例に照らして確認する必要があるので、相当時間がかかりそうだ」

 一部を開示するだけでも2ヶ月、場合によれば半年ほど要する可能性があるという。

 なるほど3万枚を見直すとなれば大変だ。しかし、ならば政務活動費条例にもとづきすでにやっている黒塗り作業はなんだったのか。政務活動費条例による閲覧制度は、情報公開条例の非開示情報に該当する情報被覆できるとあり、これにしたがってさまざまなところを黒塗りしている。この作業には、毎年3ヶ月ほどを要している。大変な作業だ。その作業をまた何ヶ月もかけて一から点検しなおすというのはどうみても効率がわるすぎる。

 政務活動費条例による閲覧制度には、黒塗りに対して不服申し立てをしたり、裁判で争う手続きはない。黒塗りに不服があるときには情報公開制度を使うのが世の常識だが、ついこの間まで都議会は、それはできないというあやまった解釈と運用をしていた。つまり議会からすれば黒く塗りっぱなしでよく、閲覧する側は文句を言う手段もなかったわけだ。

 文句を言われることが制度上絶対にないから、黒塗りについてもついいい加減になったのではないか。

 抗弁の手続きのない制度には本質的に欠陥があるということの好例である。

 ここまで書いて思いあたったのが、裁判所の行政文書(司法行政文書)の情報公開のお粗末さである。裁判所の行政文書の情報公開は、法律ではなく最高裁事務総長の通達で決まっているにすぎない。そして最大の欠陥は、非開示などについて裁判で不服審査によって争う制度がないことだ。最高裁に苦情の申し立てをすることはできるが、ほかの省庁や地方自治体の例のように、第三者の審査会で審査したり、裁判によってきっちり論争して決着をはかるという手続きとは雲泥の差がある。

 裁判所だけ例外扱いするのはあきらかに立法不作為だと思うが、それだけに腐敗が深刻に進んでいるおそれがある。