違法支出がつづく埼玉県知事特別秘書/情報公開求めて提訴

 埼玉県知事特別秘書に条例の上限を超えた高額な給料が払われている問題で、筆者はきょう、過去47年間の文書の墨塗り部分を開示するよう求める裁判を、さいたま地裁に起こしました。墨塗りが開示されれば、違法性がはっきり判明します。事件番号は、さいたま地裁・平成30年行ウ13号(第4民事部=谷口豊裁判長)。県庁のなかにある県政記者クラブで新聞テレビ通信社に説明をしました。これまでも口頭で情報提供してきましたが、「違法性はない」と強弁する県をおもんばかってか、いっさい報道はされていません。今回の提訴がニュースになるかどうか、みものです。彼らに提供した資料を掲載します。

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 埼玉県知事特別秘書に関する文書の非開示処分取り消しを求めて提訴
三宅勝久(ジャーナリスト)

 2017年11月、知事特別秘書の給料額がわかる文書を過去にさかのぼって開示請求した。今年1月、1972年以来のものが開示されたが、給料額はその算出方法がわかる数字や記述がすべて黒塗りにされた。個人情報というのが理由。これを不服として非開示処分取り消しを求めて提訴した。
 2月議会の予算特別委員会で附帯決議が採択されたとおり、違法な支出が長年続いてきた疑いが濃厚だ。その詳細を調査する上で欠かせない情報である。

・ 埼玉県知事特別秘書(常勤特別職の埼玉県職員)
地方公務員法3条に根拠規定。特別職の秘書を置くことができる。特別職と一般職のちがいは地方公務員法の適用があるかないか。非常勤職員は特別職になる。

給料・手当・旅費について定めているのは「特別職の職員の給与及び旅費に関する条例」
第1条7号(給料)
「一般職の職員の例により知事が定める額」
第2条(旅費)
第3条(期末手当・地域手当・住居手当・通勤手当)
第4条(退職手当)
★ 管理職手当・勤勉手当は知事特別秘書に払うことはできない。

一般職職員の職員の給料・手当について定めているのは「一般職の職員の給与に関する条例」。給料月額の最高額は10級21号の55万8700円

 常識的に条例を解釈すれば、知事特別秘書の給料月額の上限は55万8700円。しかし、じっさいは、現秘書にたいしては64万8500円が払われている。手当もこれに伴って増えるため、年間200万円以上の増加になる。条例を無視した違法な支出は明らか。条例で払えない管理職手当と勤勉手当に相当する金額を、給料月額に上乗せした結果である。
 この問題は、昨年来再三にわたって指摘してきた。しかし県は非を認めない。「一般職の職員の例により知事が定める額」とは、給料と手当を合算した年収について、一般職の例にならって決めるという意味である――などと詭弁を弄している。
 すみ塗りで開示された文書には、「管理職手当が支給できないのでその分を保障する」などの記述があり、違法な支出が過去半世紀近く繰り返されてきた疑いがある。違法性に気づかないはずがないが、悪しき慣例をなおも続けようとしているようにみえる。