「2019年開校は困難」認識は着工直後の6月と判明、杉並区は公表せず

 地盤調査の不備や意義の不明確さなど多くの疑問が指摘されている杉並区立高円寺小中一貫校の校舎建設工事が遅れ、当初の開校予定(19年4月)が1年後の20年4月にずれこんだ問題で、本体工事着工2ヶ月後の今年(2017年)6月30日の時点で、当初の予定であった2019年2月末の完成は絶望的であり、7月ごろになるという新工程表が作成されていたことが情報公開請求で開示された資料によって判明した。

 2019年2月末の完工が無理であることを杉並区は早期に把握しながらも、議会や教育委員会、保護者らにはいっさい報告せず、「2019年4月開校」という虚偽の説明を続けていた。

 開校時期が遅れそうだという重要情報をかくしていた区の責任が問われるのは必至だ。

 当初の計画(2016年12月作成の工程表)では、今年(2017年)1月末に基礎杭を発注、2ヶ月後に杭が完成、都の建築確認を待って3月末から基礎工事に入り、2019年2月末に完工することになっていた。
 
 しかし、じっさいに都の建築確認がおりたのは4月18日で、本体工事の着工も数ヶ月遅れた。この点について、「工程表を作り直しているはずだ」と筆者は、情報公開手続きの一貫として営繕課に問い合わせところ、「見たことがない」などと口を濁していた。

 しかし、今回開示された文書によって、それが嘘であることがわかった。6月14日付の新工程表(案)と同月30日付の新工程表(改訂案)というものが出てきたのだ。それらによれば、基礎杭の発注がされたのが建築確認がでた後の5月はじめ。杭の完成に2ヶ月かかり、杭ができた今年7月下旬から基礎工事の開始とある。

 この工程見直しは、5月末に区からの要請で施工業者が行った旨の営繕課の説明である。

 そして6月14日付の新工程表をさらにみると、途中の工期を短縮して2019年2月下旬~3月はじめに完了させるとある。これに対して、設計会社からの意見がついて改訂されたのが6月30日付工程表で、そこには、完工時期は5月であると記載されている。つまり、遅くとも6月末の時点で2019年2月末の完工は絶対無理であることが確定し、区も把握していたのだ。

 一連の工程見直しと完工時期の遅れについて、区は把握していながら、今年11月まで公表しなかった。

 そして、11月に開校の1年遅れを公表したものの、住民の「妨害」が原因である旨業者が言っており、これが妥当だと考えるーーといった説明した。これに対して住民側は、工事の遅れにつながるような行為はなかったと反発している。

 一連の工程表を見る限り、筆者の目には、完工時期の遅れの原因は、本体工事着工(基礎工事着工)が4月ほど遅れたことにあるように思う。そして本体工事着工が遅れた原因は、杭の発注時期の遅れにあるようにみえる。当初の杭発注予定は、都の建築許可が出るまえの1月だった。しかし、じっさいには許可がでた後の5月はじめだった。確認許可を待つ間、基礎工事の設計変更がなされている。こうした事情で、杭の発注を都の許可が出た後に遅らせた可能性が考えられる。

 ★工程表の変遷(体育館棟)PDF、6Mバイト
 ★工程表の変遷(校舎棟)PDF、7Mバイト