東京都前知事時代の特別秘書給与額開示請求裁判、21日にはじまる

 舛添要一前東京都知事の特別秘書(常勤特別職)2人の給与額を、小池百合子現知事が非開示にしたのは違法だとして開示を求めた訴訟(原告は筆者・三宅勝久)が、21日10時15分から東京地裁703号法廷ではじまる。

 情報公開の推進を掲げる小池知事は、自身が任命した特別秘書2人の給与額は開示した(期末手当を含めて各自年間1400万円以上)。情報公開請求に対して非開示処分をしたため提訴したところ、これをNHKが報道、さわぎになったため一転開示した。
 
 ところが、前知事の給与額については「個人情報」を理由に非開示にして、提訴しても開示しようとしない。小池知事の「情報公開推進」は人気取りのパフォーマンスにすぎないのではないか、と疑わざるを得ない。

 事件番号は平成29年(行ウ)427号、東京地裁民事2部。ご支援を賜りたい。資金カンパも含めてご支援をお願いするしだいである。
 

出勤2日、4時間の「仕事」で月額35万円は違法-裁判の最終弁論

 昨年夏の東京都知事選に自民党推薦で立候補、落選した増田寛也氏を、落選1ヵ月後に杉並区非常勤顧問に採用、出勤2日、4時間あまりの「仕事」に対して35万円の月額報酬を払った(2016年9月分)のは違法だとして、返還を求めた住民訴訟の口頭弁論が、12月7日10時45分から東京地裁703号法廷である。結審が予定されている。

 次回弁論にそなえて最終準備書面をきょう提出した。以下紹介したい。

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平成29年(行ウ)第45号 報酬返還請求事件
原告 三宅勝久
被告 杉並区長

最終準備書面

2017年12月7日

東京地方裁判所民事第2部御中

                    原告  三宅勝久
                
        
第1 規則改定手続きにあたり「週3日程度」を前提に「月額35万円」と定めたことは明白である。

 被告において、本件顧問職の新設目的で規則改定作業を行った際、勤務態様として「週3日程度」の出勤を想定し、それを前提として報酬の支給方法ならびに額を月額35万円と定めたことは明白である。すなわち、乙34号7頁、および甲2号7頁の「専門非常勤職員 顧問(まち・ひと・しごと創生総合戦略担当)の設置について」と題する文書にはこう明記されている。


 3・勤務態様
  週3日程度
 ※必要に応じて勤務日を指定するとともに、勤務日以外での電話、メール等での相談等を想定している。
  ※勤怠管理は行わない。

 4報酬
 月額35万円
 
 非常勤職員に対する報酬の支給は、勤務日数に応じて支給することとなっているため、日額で報酬額を設定するのが原則であるが、当該非常勤職員の職務内容は定例的なものではなく、勤務日や勤務日数を指定した勤怠管理にはなじまないものである。
 ついては、当該非常勤職員の職務の性質、内容、職責や勤務態様等を考慮し、月額での報酬額の設定とする。なお、月額報酬額の積算根拠や以下のとおりである。

【月額報酬額の積算根拠】
 日額3万円※1×週3日×4週=月額36万円※2
 ※1 杉並区非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例第2条に定める日額上限
 ※2 杉並区非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例第2条に定める月額上限は25万円

 これは、2016年8月26日に人事課人事係の小川雄一郎職員によって起案された「杉並区非常勤職員規則の一部改正について(依頼)」と題する一連の文書の一部である。非常勤顧問職を新設し、その報酬を月額35万円とすることなどについて情報・法務担当部長宛に規則改定を依頼する内容(乙34、4頁)で、総務部長の関谷隆職員が決済印を押している(乙34、1頁)。規則改定にあたって適法性についての判断を法務担当部署に仰ぐための文書である。
 そして、この依頼文書をうけて、2016年8月29日、情報政策課計画推進係・高取将弘職員が規則改定案と添付文書を作成して担当各職員の決済をあおぐ。そのなかには「専門非常勤職員 顧問(まち・ひと・しごと創生総合戦略担当)の設置について」と題する文書もふくまれており(甲2、7頁)、法務担当係長、同課長、同部長が決済をした後に、被告田中良区長も決済をしている。(甲2、1頁)
 すなわち、手続きを見る限り、本件非常勤顧問職に想定された勤務態様は「週3日程度」であり、報酬は日額原則であるが月額を採用することとし、その額は、日額の上限3万円を基準に35万円と算定したことは明らかである。
 
 この点について被告は、

「【月額報酬額の算定根拠】は、35万円という金額が本件条例で上限とされている根拠について担当者が推測した内容を記載したものであって、本件顧問職という具体的な職についての報酬額の積算根拠として記載したものではない」(答弁書3頁)

「なお、甲2号証の7枚目の勤務態様の「週3日程度」との記載は、月額35万円の報酬を日額に換算した場合には、おおむね週3日程度の勤務に相当する旨を担当者が便宜上記載したものに過ぎない」(答弁書4頁)

「なお、当該文書における勤務態様、報酬に係る記載については、月額報酬額35万円とすることについて、それを月額報酬とはその性質を異にするものの日額との関係で、逆算することにより、一つの目安として35万円が日額報酬とするとどの程度の勤務態様となるかを記載したものである」(準備書面1、4頁)

「甲2・7頁の文書の内容が決定された事実はなく、したがって、それが変更されたということもない」(準備書面1、5頁)

 などと述べ、「週3日程度」の勤務を前提として月額35万円の報酬を決定したことを否定する。しかしながら、「専門非常勤職員 顧問(まち・ひと・しごと創生総合戦略担当)の設置について」と題する文書の体裁や、規則改定手続きにおける扱いをみれば、「担当者の推測」「便宜上記載した」などとする被告の主張は説得力を著しく欠く。勤務態様や報酬額の積算根拠を「担当者の推測」で書いたにすぎないことを裏付ける証拠もない。

 よって、規則改定手続きを行うにあたり、被告を含む杉並区職員が、「週3日程度」を前提にして報酬を「月額35万円」と定めたことは明白である。

第2 増田氏を顧問採用するにあたり、「月2日程度」の出勤でかまわないから
「月額35万円」を支給する旨、被告は考えていた。

 次に、被告において増田氏を顧問に採用(委嘱)した経緯について述べる。
 被告は、2016年7月の東京都知事選において、自民党推薦で立候補した増田氏の応援を行うなど、増田氏や自民党と政治的に近しい関係にあった。増田氏の選挙カーの上で選挙演説をする様子が堀部やすし杉並区議によって報告されている(甲9)。
 増田氏は同選挙に落選したが、被告によればその後に被告は増田氏と面会し、非常勤顧問への就任を打診、承諾を得たとのことである(被告準備書面2、2頁)。この打診と承諾がなされた時期については不明だが、本件規則改定作業がはじまる8月下旬の前であることは間違いない。
 この打診と承諾がなされた際、具体的な勤務日数や報酬額の合意があったのかどうか、被告は明らかにしていない。しかし、少なくとも「週3日程度」の勤務態様を前提としたものではなかった。それよりはるかに少ない勤務内容だったと推認される。その後月間の出勤回数は2回、拘束時間は4時間程度という勤務の実績をみれば、同程度の内容で合意がなされた可能性がある。
 この合意に続いて、顧問職を新設するための規則改定作業がはじまるが、増田氏を同職に採用するために行われた。公募はされていない。そして、増田氏が顧問に採用された後は、月2日、4時間程度の出勤で月額35万円を支給するという報酬条例の運用がなされた。
 すなわち、被告は増田氏の勤務態様が月2日程度にすぎないと知りながら、条例が認める最大額である月額35万円を支給すべく、勤務態様は「週3日程度」という体裁をとって規則改定を行ったのである。

 もっとも、勤務日数だけで報酬額の妥当性を判断することが困難な場合もありえるだろう。だが増田氏の2016年9月における勤務実績をみてみると、その職責の重さは特段に高いとはいえない。2度にわたる区職員との面談について、作成された資料は皆無であり、記録もごく簡単なメモ以外は存在しない。その程度の職責であり、少なくとも「月2日」で「週3日程度」に相当する重責ではない。月額報酬を支給されている非常勤特別職の杉並区選挙管理委員や非常勤監査委員と比較しても、増田氏の職責や勤務の負担ははるかに小さく、一方で報酬額は高い。増田氏への月額35万円の報酬支給は明らかに過大である(原告準備書面6)。

 すでに述べたとおり、増田氏と田中良被告は政治的なつながりがある。月2日しか出勤しない非常勤職員の増田氏に月額35万円を支給したのは、報酬の名を借りた寄付同前の行為といえる。
 

第3 本件報酬支給は違法・無効である。

  以上のとおりであるから、訴状記載のとおり、

① 本件規則改定は条例の委任範囲を超えている。
② 規則改定が適法だとしても、本件報酬条例は地方自治法203条の2第2項によって議会に付与された裁量権を逸脱している。
③ 本件報酬条例が適法だとしても、勤務実態がほとんどないにもかかわらず不支給条項を適用して報酬の全額または一部を不支給としなかった被告の行為は、裁量権の濫用にあたる。

 ――という理由で、本件報酬の支給は違法・無効である。

以上

  

ブラック大企業に弱い大マスコミ

 東証一部上場企業の正社員が顧客をハンマーで殴って大怪我をさせた。犯人の社員は逮捕・起訴され、新聞やテレビで報道された。しかし、企業の名前はいっさい報じられていない。そしてこの企業の広告やCMが新聞やテレビに出続けている。

 こうしたことが決してめずらしくない社会に日本はなってしまった。大東建託社員が顧客と家族をハンマーでなぐった事件の公判がきょう(9日)長野地裁松本地裁であり、傍聴取材にでかけた。殺人未遂(弁護側は家族については殺意を否定)だけでなく、詐欺や窃盗、放火(弁護側は放火未遂を主張)、建造物損壊でも起訴されているが、すべて大東建託の業務に関連して起きた事件であることが検察側の冒頭陳述からはっきりとした。

 近く記事として発表する考えなので、詳しくはそちらをお待ちいただきたいが、過酷なノルマに追い詰められた挙句の犯行であることはまちがいない。大きな疑問を感じるのは新聞やテレビの報道の仕方である。これまでの報道を見る限り「大東建託」の社名がほとんど出ていない。大東建託の名をつかわずにきょうの公判を伝えることはかなりむつかしい。

 いったいどんな報道になっているのか興味ぶかいところだが、本稿執筆時点でインターネットに流れている大メディアの記事を見る限り、「大東建託」であることがわかるものはない。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171109-00316863-sbcv-l20
http://www.akita-abs.co.jp/news/nnn/news8848657.html