都議会政務活動費の「人件費」に関する情報公開請求を却下した都民ファースト・尾崎大介議長の判断に異議あり

 希望の党への民進党議員の一部「排除」発言をきっかけに、有権者の信頼度ががた落ちになっている感がある小池百合子都知事だが、その金看板だったはずの「情報公開推進」もめっきがはがれはじめた。
 
 都議会議長(都民ファーストの会・尾崎大介議員)の政務活動費について、人件費の金額や支払先が非公開にされているのは不当だとして、領収書の開示を求めた情報公開請求に対し、同議長は9月25日、却下する決定を行った。却下とは審理するに値しないという意味である。つまり門前払いだ。
 

 なぜそんなことになったのか。以下に説明するが、議長の理屈は的外れで不当というほかない。

 都議会の政務活動費条例は領収書の公開を義務づけている。議会事務局の担当部署に行けば、大量の領収書(コピー)が棚に並んでいて、自由に見ることができる。一見すると問題がないが、じつはこの領収書のコピーはいたるところが黒く塗りつぶされている。政務活動費条例のなかに、都議会情報公開条例に照らして非開示情報にあたる内容があればその部分を非開示にできる――との規定があるからだ。そして、この非開示規定をつかって、人件費のあて先ばかりか金額まで真っ黒に塗りつぶされている。黒塗りのない領収書のつづりは議会事務局で保管している。そこで、それを開示するよう情報公開請求をしたのだが、前述したとおり却下となった。その理屈はこうだ。

 ――都議会の情報公開条例20条は、他の条例の規定による閲覧もしくは写しの交付の対象となる公文書は開示しない-と規定している。政務活動費の領収書は政務活動費条例で閲覧・交付が規定されている。だから情報公開条例の対象にはならないーー。

 黒塗りがないものが政務活動費条例によって開示されているのなら話は別である。二重の条例で公開するというのは行政事務の無駄になる。しかし、黒く塗られた部分を開示せよと公開を求めたものまで「対象にならない」と除外してしまう情報公開条例の解釈は本当に正しいのだろうか。はなはだ疑問がある。

 この理屈が通用するなら、領収書のいたるところを黒く塗りつぶしたところで異議の唱えようがなくなってしまう。塗り放題になる。

 条例の解釈が誤っている恐れが高いと筆者は思う。万が一都議会議長の条例解釈が正しいとすれば、条例そのものに欠陥があるといわざるを得ない。

 いずれにせよ放置してよい問題ではない。