お気に入りの記者しか質問させない小池百合子式情報操作

 小池百合子都知事は都民ファーストの実質最高幹部である。その都民ファーストの代表者を知事顧問として採用、局長級の給与・月額706000円、年間1400万円を支給する。これは、それぞれ直接選挙で選んだ議会と首長が互いに緊張関係にあって、民主的な運営をめざすという地方自治の二元代表制をないがしろにしかねない暴挙といってもよいだろう。

 給与額を公表する際、都は「局長の給料表のもっとも低い額」などと説明しているようだが、そもそも「局長の給料表」を使ったこと自体が、きわて高い給料を払っていると指摘されるべき問題であって、ここであえて「もっとも低い」と強調するところに情報操作の意図がみえる。

 給料表の種別についてすら都は「個人情報」だといって非開示にしていのだ。

 さて、筆者は昨日、都知事定例会見に出席し、質問しようと手をあげた。しかし、前回と同様、無視されつづけて一方的に会見は打ち切られた。どうも、はじめから質問する相手をきめていて、それ以外はあてないという「やらせ」をやっているのではないか、やりとりの雰囲気をみながらそんな疑いを持った。

 なお、筆者は8月23日付で、都に対して、特別秘書の給与額・手当額がわかる文書を、舛添知事時代のものもふくめてすべて開示するよう情報公開請求を行った。

 あるいは、開示決定をまたずして情報開示をするかと期待して、人事課に電話をかけ「舛添時代の特別秘書の給与額・手当額を教えてほしい」と質問した。かえってきたのは恐るべき言葉だった。

「情報公開請求されているでしょう」

 筆者が情報公開請求書を送ったのは都民情報ルームのファクスである。請求者の個人情報は都庁内であってもみだりに拡散してはならないのは大原則である。筆者が都知事に対して情報公開請求をしているという問題と、特別秘書の給与額を教えてほしいと電話で取材しているのとは、まったく別次元の話である。それが、この人事課の広報担当者は平気で私が請求を行っていることを口にした。

 そして「開示請求をしているのだから口頭で回答するつもりはない」という趣旨のことを言ったのだ。かなり問題のある対応・情報公開制度の運用であるように思う。請求人の個人情報がずさんに扱われていることをうかがわせる。

 舛添時代の特別秘書の給与額がなぜ明らかにできないのか。理由をただすと、「個人情報」だと職員は不機嫌な声で言った。

 「では今回(小池知事の特別秘書の給与額)はなぜ明らかにしたのか」とたずねると「本人の同意があったから」という。ならば、と筆者はただした。

「舛添時代に特別秘書だった人にも確認すればいいじゃないですか」

 職員はこういった。

 「そんなのしませんよ。いまはもう職員じゃありませんから」

 これが小池知事が喧伝する情報公開推進の実態である。情報公開請求の結果が非開示となれば、あらためて裁判を起こして徹底的に争うほか手段はないのかもしれない。開示・不開示の決定は、延長がなければ申し立てから2週間後、9月6日ごろの予定だ。
 

記事掲載のお知らせ MNJ「小池都知事「特別秘書」は年収1400万円超・運転手つき専用車で通勤・勤怠管理もナシ、と判明――税金で選挙活動の疑いも」

 こんにちは。インターネットのニュースサイト「マイニュースジャパン」(MNJ)に小池知事特別秘書の問題について記事を書きました。ごらんください。また、MNJ購読のご協力をいただけたらなおうれしいです。
 
「小池都知事「特別秘書」は年収1400万円超・運転手つき専用車で通勤・勤怠管理もナシ、と判明――税金で選挙活動の疑いも」
http://www.mynewsjapan.com/reports/2345

 「個人情報」などとした意味不明の理由で税金から払われている給与額を非開示した小池都政の姿勢に対して、筆者の提訴がきっかけでNHKをはじめとする大手報道機関が批判的に報じ、ツイッターなどでも多くの方が批判的な声を寄せるなど、ちょっとした議論となりました。都議や地方議会、市政の関係者からも疑問の声があがりました。

 結果として、裁判をはじめるまでもなく筆者が望んでいた情報が開示されることになりました。裁判は訴状送達前に取り下げます。印紙代と切手代は不要となりました。東京都も弁護士に報酬を払い、職員を動員する必要もなくなりました。これも、多くの方が関心を寄せ、声を出していただいたおかげだと、この場をかりて感謝します。

小池知事「特別秘書」の年収は1400万円超と判明

 小池知事の特別秘書問題で進展があった。ある取材記者からの連絡で、さきほど(23日午後5時ごろ)都のホームページ上で、ふたりの秘書の給与額が公表されたことをしった。

 折しも秘書課と人事課に電話をかけ、「秘書2人の顔写真を提供してほしい」と連絡、人事課から返事を待っていたところであった。「就任時に公表した」といいながら、「出せるかどうかわからない」などとわけのわからないことを言い残し、30分たっても連絡がなかった。あきれていたところだった。

 両課にたいしてはこれまで給与額を開示するよう繰り返し訴えてきた。しかし写真をめぐるうえのやりとりのなかで、職員らは給与額を公表したことにはいっさいふれなかった。

 こっそり公表されたのである。

 ともあれ、公表された額をみて驚いた。指定職給料表のもっとも低い額=月額70万6000円。期末手当と地域手当をいれると年間1400万円を越す。
 
 はたしてこれだけの高給を払うことに都民が納得するのか。また1400万円に相当する仕事をしているのか。今後検証をしていくことなる。

 ともあれ、訴訟開始前に公表した点はよいことだ。この点に限っては小池知事の判断を評価したい。

 筆者が裁判を起こしたことがマスコミのニュースになり、結果として公表を迫る力になった。裁判をおこさないとニュースにならないところはいまのマスコミの弱さだろう。 
 
http://www.saiyou.metro.tokyo.jp/pdf/kyuuryouhyou/kyuuryou_pdf/saisin_sitei.pdf

 

鳩山友紀夫『脱大日本主義』に感銘うける

 朝鮮語のテキストを買いに日本橋の丸善に行った際、偶然目にとまって買ったのが『脱大日本主義』(平凡新書)という本である。著者は元首相の鳩山友紀夫氏。面白く、勉強になり、そして感銘を受けた。おって感想をかきたいが、簡単にそれをかけない奥の深さがある。

 暗雲たちこめる日本社会のめざすべき未来がみえるような、明るい気持ちになった。ご一読をおすすめする。

「両論併記」理由に「特別秘書」問題の放送を見送った在京民放番組の考え方を考える

 東京都知事特別秘書の給与額が非公開にされているのは不当だとして、非開示処分の取り消しを求めて提訴した問題は、NHKや朝日新聞、JNN(TBS系)などが報道し、その影響か当ブログの閲覧数も普段の数十倍に増えた。情報公開をうたう小池都政が自身と深く関係のある問題では情報を出し渋っていることに、すくなからぬ市民が大きな疑問を持っている証拠だろう。

 こうした世論の動きを察知したのか、ある民放の番組担当者から連絡があり、取材をしたいので協力してほしいとの申し出をうけた。決定ではないが、はやければ月曜日に放送したいとのことで、当方の土日の予定まで確認した。私とすれば、裁判開始前に小池知事が給与額を開示する判断をすればそれに越したことはないので、全面的に協力する旨意向を伝えた。
 
 ところがその後、すくなくとも月曜日の放送はないとの連絡があった。いろいろと事情があるのだろうが、言い訳として担当者が口にした言葉が気になった。

「うちとしたら両論併記なので、都の言い分がとれないと放送はむつかしい。都はなかなか連絡がつかない」

 そうした趣旨のことをいったのだ。だから放送はむつかしいという。これは担当者の考えというよりも、番組プロデューサーあたりの考えなのだろう。
 
 むろん、都の見解を取材するのは重要なことである。しかし、問題は都が情報をださないことにあって、それは明白な事実である。裁判というのは、私にとっては情報を得るための取材方法の一つにすぎない。

 すくなくともジャーナリズムなり報道を看板にかかげて仕事をするのであれば、都がどんな言い訳をしようが、「その隠している情報をだしなさい」と世に問うのは当然で、都の言い分が取材できないからといって見送るのは理屈にあわない。もっとも、特別秘書の給与額など知りたくない、興味がないというのなら別だが。

 都の言い分が聞けないことを理由に放送を見送るというのは、結局都の情報隠しに同情し、協力することにほかならない。報道を看板にして仕事をするのであればかなり格好の悪い行動である。まさかとはおもうが、かりにその「格好悪い」という意識すら、番組を支配する者や現場の取材者がもっていないとすれば、日本の報道界の質低下は深刻である。

 放送が実現するかどうか、もうしばらく様子をみたい。

「小池都知事”特別秘書”給与墨塗りに異議あり」本日提訴

 すでにお知らせしたとおり、小池百合子都知事が任命した「特別秘書」の給与が墨塗りにされている問題で、筆者はきょう、これを不服として開示を求める行政訴訟を東京地裁に起こした。

 事件番号は、東京地裁 平成29年(行ウ)389号。民事2部。
 訴状を紹介する。

訴   状

情報公開一部開示決定処分取消請求事件

 東京地方裁判所御中

2017年8月17日

       原 告 三 宅 勝 久
          東京都杉並区
        

       被 告 東 京 都
         東京都新宿区西新宿2丁目8番1号
       上記代表者兼処分庁 東京都知事小池百合子

訴訟物の価格 算定不能
貼用印紙代 1万3000円
予納郵券代   6000円

請求の趣旨

1 被告は原告に対し、処分庁が2017年7月20日付で行った職員別給与簿(2017年1月~7月分)の公文書一部開示決定中、別紙記載の情報を非開示とした処分を取り消す。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
 との判決を求める。

請求の理由

第1 事実経過
原告は2017年7月6日、処分庁に対して、東京都情報公開条例(甲7)に基づき、

〈 ①知事特別秘書に対する給与・報酬・手当・費用弁償の支給状況がわかる文書
 ②知事特別秘書の勤務状況がわかる文書(出勤先および出勤日、勤務時間がわかるもの、および勤怠管理の有無がわかるものを含む)
 ③知事特別秘書の勤務予定がわかる文書
ただし、2017年6月分 〉

 という内容で公文書開示請求を行った(甲1)。

 これに対し処分庁は、同年7月20日、①の請求内容に対して、職員別給与簿(2017年分、1月―7月分まで記載ずみ)2通の「職員別給与簿」と題する公文書を特定し、一部開示の処分を行い、郵送で原告に通知した(甲2)。また②および③の請求に対しては、不存在を理由に同日付で非開示決定処分を行い、別の郵便で原告に通知した(甲3)。
なお、被告が原告に説明したところによれば、請求件数は1件であるが処分は2件だとのことである。しかしながらこの説明は被告の誤りである。請求が1件なのだから処分件数もこれに対応して1件であり、事務処理の便宜上通知を2回にわけて行ったと解すべきである。

第2 非開示処分の違法性について
 一部開示を行った2通の文書における非開示情報のなかには、次の各情報が含まれている(以下「本件各情報」という)。

○給料情報
 ・発令年月日
 ・給料表
 ・給料表月額
○ 所属コード
(甲4、5)
○ 氏名(宮地美陽子氏の本名)
(甲5)

 これらを非開示とした理由について、処分庁は次のとおり説明している。

〈職員番号、氏名、生年月日、住所及び給与に関する情報は、個人に関する情報で特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるものであることから、東京都情報公開条例第7条第2号(甲7)に該当し、既に公になっている情報を除き、非開示とする。〉(甲2)

 しかし、本件各情報を非開示とした処分は、以下の理由から違法である。

1 給料情報
 知事特別秘書は、地方公務員法3条に基づき都条例で定めた特別職であり、その任命、給料表の選択および給与額の決定は、事実上知事に一任されている。すなわち東京都知事等の給料等に関する条例第2条によれば、「行政職給料表(一)及び別表第六指定職給料表の適用を受ける職員の例により任命権者が知事と協議して定める額」と定めており、どの給料表のどの給料を支給するかについては、事実上全面的に知事の委任事項となっている(甲6)。
 小池百合子都知事が採用した特別秘書2人(野田数、宮地美陽子)の氏名と略歴については、知事自身が記者会見の場で公表している。また特別秘書は運転手がついた専用の公用車を持っている(甲8、9)。さらに勤怠管理も行われていない(甲1、甲3)。専用の公用車を持ち、勤怠管理もなく、特別職で、かつ常勤職員の給与や手当を支給されるといった待遇の職員は、都職員のなかでもごく限られている。選挙や議決によって選ばれ、給与額も条例で定めている特別職職員たる知事、副知事、教育長、議長、常勤監査委員に類する。すくなくとも一般職の都幹部職員以上の待遇である。大半の一般職職員や特別職の非常勤職員とはあきらかに異質の職である。
 大阪市では、ホームページ上に「特別職の報酬等の状況」と題して特別職職員の給料額と報酬額を公表しているが、市長特別秘書は、市長、副市長、教育長、常勤監査委員につづいて記載されている(甲14)。首長の特別秘書というものが最高幹部に並ぶ重要な職種であることを示している。
 よってその給与表および給料表月額、および発令日は公開されるのが社会通念上も当然であるし、これらを公開しても失われる利益はない。むしろ公開しないことによって都民の利益が損なわれる恐れがある。密室において知事の独断で給料額を決めることが可能となり、勤務実態や職責の重さにふさわしくない違法な公金支出を許すことにつながる。
 大阪市や横浜市、さいたま市、名古屋市の例をみれば、市長特別秘書の給与額は条例で具体的に定めている(甲10~13)。給与情報の公開により秘書本人が失う権利利益が存在しないことは、この事実からも明白である。

2 所属コード
 所属コードについては、特別秘書が秘書課に所属していることは公然の事実である。公開によって個人の権利利益が失われる恐れはない。

3 宮地美陽子・知事特別秘書の氏名
 宮地特別秘書の氏名についてはすべて非開示にされている(甲2)。その理由は、被告職員が原告に説明したところによると、知事が公表した「宮地美陽子」という氏名は婚姻前のものであり、本名が異なるためだとのことである。そうであれば、少なくとも名前の部分(美陽子)を非開示にする理由はない。また、専用の公用車を持ち、給料を月額で受け取り、かつ特別職といった知事や副知事、教育長、常勤監査委員に比類する重責にあることををかんがみれば、知事らの例にならって本名はすべて公表されるべきである。

第3 結論
 以上のとおり、いずれの本件各情報を開示しても個人の権利利益を害するおそれはなく、東京都情報公開条例第7条第2号に定める非開示情報にあたらない。よって、原告は被告に対し、東京都情報公開条例による情報開示請求権にもとづき、本件各情報にかかる処分の取り消しを求める。

証拠方法

 甲1号証   行政文書開示請求書
 甲2号証   一部開示決定通知書
 甲3号証   非開示決定通知書
 甲4号証   職員別給与簿(野田数)
 甲5号証   職員別給与簿(宮地美陽子)
 甲6号証   東京都知事等の給料等に関する条例
 甲7号証   東京都情報公開条例
 甲8号証   庁有車運転日誌
(野田専用車 2017年6月16日、19日分)
 甲9号証   庁有車運転日誌
(宮地専用車 2017年6月16日、17日分)
 甲10号証  さいたま市特別職の職員で常勤のものの給与に関する条例
 甲11号証  大阪市特別職の職員の給与に関する条例
 甲12号証  横浜市常勤特別職職員の給料及び手当に関する条例
 甲13号証  名古屋市特別職の秘書の職の指定等に関する条例
 甲14号証  大阪市特別職の報酬等の状況(平成28年6月19日時点)

以上

小池都知事「特別秘書」情報公開求めて提訴へ

 みなさんこんにちは。
 東京では不安定な天気がつづいています。いかがお過ごしでしょうか。
 さて、情報公開の推進を掲げている小池百合子東京都知事の「特別秘書」2人の給与額が「個人情報」を理由に隠されている問題で、ちかく裁判を起こします。訴状案ができたので掲載します。ご意見、ご支援よろしくお願いいたします。印紙代などの費用がかかりますのでカンパも大歓迎です。

=== 

訴    状(案)

情報公開一部開示決定処分取消請求事件

 東京地方裁判所御中

2017年8月 日

            原 告 三 宅 勝 久
      東京都杉並区
            被 告 東 京 都
             東京都新宿区西新宿2丁目8番1号
            上記代表者兼処分庁 東京都知事小池百合子

訴訟物の価格 算定不能
貼用印紙代 1万3000円
予納郵券代   6000円

請求の趣旨

1 被告は原告に対し、処分庁が2017年7月20日付で行った職員別給与簿(2017年分)の公文書一部開示決定中、別紙記載の情報を非開示とした処分を取り消す。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
 との判決を求める。

請求の理由

第1 事実経過
原告は2017年7月6日、処分庁に対して、

 ①知事特別秘書に対する給与・報酬・手当・費用弁償の支給状況がわかる文書
 ②知事特別秘書の勤務状況がわかる文書(出勤先および出勤日、勤務時間がわかるもの、および勤怠管理の有無がわかるものを含む)
 ③知事特別秘書の勤務予定がわかる文書
ただし、2017年6月分

 という内容で公文書開示請求を行った(甲1)。

 これに対し処分庁は、同年7月20日、①の請求内容に対して、職員別給与簿(2017年分、1月―7月分まで記載ずみ)2通の公文書を特定し、一部開示の処分を行った(甲2)。また②および③の請求に対しては、不存在を理由に同日付で非開示決定処分を行った(甲3)。なお、被告が原告に説明したところによれば、請求件数は1件であるが処分は2件だとのことである。しかしながらこの説明は被告の誤りである。請求が1件なのだから処分件数もこれに対応して1件であり、事務処理の便宜上通知を2回にわけて行ったと解すべきである。

第2 非開示処分の違法性について
 一部開示を行った2通の文書における非開示情報のなかには、次の各情報が含まれている(以下「本件各情報」という)。

○給料情報
 ・発令年月日
 ・給料表
 ・給料表月額
○ 所属コード
(甲4、5)
○ 氏名(宮地美陽子氏の本名)
(甲5)

 これらを非開示とした理由について、処分庁は次のとおり説明している。

〈職員番号、氏名、生年月日、住所及び給与に関する情報は、個人に関する情報で特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるものであることから、東京都情報公開条例第7条第2号に該当し、既に公になっている情報を除き、非開示とする。〉(甲2)

 しかし、本件各情報を非開示とした処分は、以下の理由から違法である。
1 給料情報
 知事特別秘書は、地方公務員法3条に基づき都条例で定めた特別職であり、その任命、給料表の選択および給与額の決定は、知事に一任されている。その氏名と略歴も知事記者会見の場で公表されている。また、特別秘書は運転手がついた専用の公用車を持っており、さらに勤怠管理も行われていない。
 専用の公用車を持ち、勤怠管理もなく、特別職で、かつ常勤職員の給与や手当を支給されるという待遇の職員は、都職員のなかでも多くはない。選挙や議決によって選ばれ、給与額も条例で定められている知事、副知事、教育長、議長、常勤監査委員に類する。一般の職員とはあきらかに異質の職であり、少なくとも課長補佐程度の管理職と等しい待遇と地位にあることは明白である。よってその給与表および給料表月額、および発令日は公開されるのが当然であるし、これらを公開しても失われる利益はない。むしろ公開しないことによって都民の利益を損なう恐れは高い。密室において知事の独断で給料額を決めることになり、勤務実態や職責の重さにふさわしくない違法な公金支出を許すことにつながる。
 大阪市や横浜市、名古屋市の例をみれば、市長特別秘書の給与額は条例で定められている(甲6~9)。この事実からも、給与情報を公開しても秘書本人が失う利益のないことは明白である。

2所属コード
 所属コードについては、特別秘書が秘書課に所属していることは公然の事実であるから、公開によって失われる利益はない。

3 宮地美陽子氏の氏名
 宮地特別秘書の氏名についてはすべて非開示にされているが(甲2)、その理由は、被告職員が原告に説明したところによると、知事が公表した「宮地美陽子」という氏名は婚姻前の氏名であり、現在は本名が異なっているためだとのことである。そうであれば、少なくとも名前の部分(美陽子)を非開示にする理由はない。

第3 結論
 以上のとおり、いずれの本件各情報を開示しても個人の権利利益を害するおそれはなく、東京都情報公開条例第7条第2号に定める非開示情報にあたらない。よって、原告は被告に対し、東京都情報公開条例による情報開示請求権にもとづき、本件各情報にかかる処分の取り消しを求める。

証拠方法
 甲1号証    行政文書開示請求書
 甲2号証    一部開示決定通知書
 甲3号証    非開示決定通知書
 甲4号証    職員別給与簿(野田数)
 甲5号証    職員別給与簿(宮地美陽子)
 甲6号証    さいたま市特別職の職員で常勤のものの給与に関する条例
 甲7号証    大阪市特別職の職員の給与に関する条例
 甲8号証    横浜市常勤特別職職員の給料及び手当に関する条例
 甲9号証    名古屋市特別職の秘書の職の指定等に関する条例

以上
別紙
1 給料情報
 ・発令年月日
 ・給料表
 ・給料表月額
2 所属コード
3 氏名(宮地美陽子氏の本名)