東京都知事「特別秘書」をめぐる疑問

 都民ファーストの会代表の野田数(かずさ)元都議、元東村山市議が東京都の「特別秘書」であるとの報道に接して、いったい「特別秘書」とはなにか調べてみた。

 結果、疑問がうかんできた。

 都人事課の説明はこうだ。

 1 地方公務員法3条4項で「知事、議会の長は条例によって秘書をおくことができる」と定めている。

 2 同法にもとづき、昭和26年(1951)に「特別職の指定に関する条例」を制定、そのなかで特別秘書を2人を上限に設置することを決めた。

 3 以来、ほぼ継続して2人の秘書がときの知事によって採用されてきた。

 4 小池百合子知事は、2016年8月2日付で野田数氏を、同月9日付で、元読売新聞社員の宮地美陽子氏を、特別秘書に採用した。

 5 給料・報酬については、条例の規定で「行政職給料のなかで任命権者が知事と協議してきめる」となっている。

 ではいったいいくら払っているのですか、と尋ねたところ、人事課職員は当たり前のような口調でこういった。

「個人情報だから明らかにできません」

 読者各位は、こうした説明に納得がいくだろうか。筆者は納得できない。

 特別職職員というのは、兼業可能で地方公務員法の適用外である。常勤的な働きかたをしていない非常勤職員は別にして、生活給の趣旨を含んだ給料という形でもらっている特別職の職員は多くはない。知事、副知事、教育長。いずれも選挙か議会の同意を得ることが義務付けられた職だ。給与額も条例で定められている。

 特別職で給与額が明らかにできないのはこの特別秘書だけだ。しかも特別職の報酬審議会の対象にすらなっていないという。例外中の例外なのだ。

 人事課職員はまた、「特別秘書」が、非常勤か、あるいは常勤なのかも明言しなかった。地方公務員法は顧問の設置も、条例で定めることを条件に認めているが、これは「非常勤」と明記している。非常勤職員の場合は給与ではなく報酬が払われる。

 一般職の職員を対象にした給与表をもとにして給与を払っているのだから常勤でははないかと思うが、と尋ねても「特別職だから」というだけだ。選挙で選ばれたわけでもない職員でありながら、常勤でも非常勤でもない、そんな職がありえるのだろうか。

 とにかく釈然としないことがいくつもでてきた。さらに研究する余地がありそうだ。

 さしあたり、給与額、勤務実態を調べてみようと、都に対して情報公開請求を行った。不開示決定がなされた場合は法廷で争うことも考えている。