小池都知事「特別秘書」に関する文書は完全墨塗りのわずか2枚

 「情報公開を進める」ことをうたっている小池百合子東京都知事が、「特別秘書」2人を任命、その勤務実態と給料額が都民に知らされていない問題で、筆者の情報公開請求に対して都が文書を「開示」した。おそるべきことに、勤務実態、勤務予定、給料額がわかる文書―という請求をうけて出てきたのは、給料表とよばれるA4版の紙2枚だけだった。しかも内容はほぼ完全に墨塗りにされている。

 開示情報は、都民ファースト代表者の野田数氏の名前と就任年月日のみ。もうひとりの「特別秘書」については名前すら墨塗りにした。

 「勤務実績や予定がわかる文書」は「作成しておらず存在しない」との理由で非開示にされた。

 筆者としては、訴訟、あるいは不服審査請求によって争うことを検討している。

 

小池知事「特別秘書」関連文書が一部開示、わずか2枚の疑問

 小池百合子東京都知事が、自らが率いる「都民ファースト」代表者である野田数(かずさ)氏を都の「特別秘書」に雇用、いったいいくらの給料を払い、その勤務実態がどうなっているのかが不明になっている問題で、東京都は20日、筆者の開示請求に対して一部開示の決定を行った。請求内容は3件、2017年6月について、①給料・報酬その他経費の支給状況、②勤務状況がわかる文書、③勤務予定がわかる文書――だった。

 驚いたことに、この請求に対して都が特定してきた文書はわずか2枚。「職員別給与簿」のみだった。文書はまだ入手していないので内容はわからないが、「給与に関する情報」は、個人情報、または個人の権利を侵害する場合は不開示にできるときめた情報公開条例7条2号に該当するとして不開示にしているという。

 月曜日には文書を入手する予定。追って報告したい。

 

杉並区の情報公開制度をめぐる疑問

 杉並区の情報公開条例にもとづく公文書開示請求を筆者は日常的に行っているが、運用のされかたに大きな疑問をもっている。「決定通知」には「すべて開示」とかかれているのに、じっさいに開示される段になると、印影を一部白く塗りつぶすのである。役所内の決済印でも丁寧に消している。

 「なぜ塗りつぶすのか」と区政情報室の職員に尋ねたところ、「偽造防止のためです」といわれる。情報公開請求をする人物をまるで犯罪者のようにみなしていることがわかる。

 そもそも「偽造防止」とはどういうことか。意味不明である。開示決定という行政処分をした文書をいったい誰がどのような権限で塗りつぶす--つまり隠すことができるというのだろうか。

 この点をただしても明確な回答はない。

 「偽造防止」というあいまいな理由で、超法規的に恣意的な非開示処分ができてしまう。それが杉並区の現状だ。はなはだしい法令無視の態度である。現在、数件の不服申し立てを行っている。知り合いの弁護士の助言を参考にして考えた理屈はこうだ。

 印影を不開示にしたということは、一部不開示処分である。決定通知は「全開示」となっているが、それは通知の誤りである。この不開示処分は不当であるから取り消せ--

 不服審査にはやたらと時間がかかる。場合によれば、裁判で決着をはかったほうが早いかもしれない。

増田寛也・杉並区非常勤顧問のぼったくり報酬を返せ裁判、次回は9月12日

 杉並区の非常勤顧問・増田寛也元総務大臣に対して、月のうち2日、拘束時間はわずか4時間あまりの「勤務」に対して月額35万円を支給したのは違法・無効だとして返還をもとめる住民訴訟の第3回口頭弁論が、20日、東京地裁703号法廷(民事2部)であった。
 
 顧問職の新設を条例改定や制定ではなく規則の改定で行ったことについて、被告・杉並区長は、「非常勤職員条例の委任があった」(条例上、規則で定めてもよいとなっている)と主張している。しかし、月2日しか出勤しない者に35万円を払うなどということを条例が認めているはずがない。条例の委任範囲を超えた違法な規則改定であるとの主張を原告として行った。条例をつくった議会内部から「驚いた」「問題ではないか」という異論が噴出している。そのこと自体が、規則改定が違法であることの何よりの証拠である。

 次回第4回口頭弁論は9月12日10時45分703号法廷で開かれる。

 

総理大臣、官房長官・副長官の資産公開文書

 大臣・副大臣・政務官や長官には、閣議決定によって家族を含む資産の公開が義務づけられている。当然のことながら総理大臣や官房長官もその対象となるだが、6月15日にこんなできごとがあった。
 
 内閣総務官室特別職第一担当という総理大臣、官房長官・副長官の資産公開を担当する部署に電話をかけ、資産公開の文書をみせてほしい旨伝えたところ、電話口の男性職員は次のような回答をした。

 「官邸記者クラブに配布した後に廃棄した。文書は(安倍氏らの)各事務所で作成したもので公文書ではない。したがって情報公開しても出すことはできない。必要であればそれぞれの事務所に問い合わせたらどうか」

 「公文書ではない」との説明に筆者は驚いた。財務省や防衛省、内閣府など、これまでいくつかの中央官庁に対して同種の資産公開文書を請求したが、いずれもなんの問題もなく入手できた。大臣などの資産公開文書は公文書である。そう信じ、みじんも疑っていなかったからだ。

 「公文書ではないというのはおかしいのではないか、破棄したというのも信じがたい」

 相手の職員に問うたが、文書はないので出せないという結論にかわりはなかった。

 筆者はすぐに情報公開請求をおこなった。はたして1ヵ月後の7月14日付で回答がでた。予想通りであった。「全部開示」である。公文書として存在していることを公式に認めた。

 つまり、電話対応した内閣総務官室の職員は公然とうそをついたことになる。

 官邸記者会見に出席できるのであれば官房長官に直接ただすところだ。残念ながらあの場所は官邸が選んだ限られた人間しか入れない。一般名詞の記者会見とは似て非なる「自称記者会見」というべき代物である。

 なぜ「公文書ではない」などという見え透いたうそをついたのか。同担当部署に事情をただした。返事はまだない。

 ★問題の資産公開文書はこちら(PDFファイル 約5Mバイト)

「17会派政活費返せ」裁判、次回は9月29日13時半522号法廷

  杉並区議会17会派(22議員)が2014年度に使った政務活動費約4000万円のうち「区政報告(会)」名目で支出した約1000万円が違法な支出にあたるとして、これを返還させるよう杉並区長に求めた住民訴訟の第5回口頭弁論が、14日、東京地裁522号法廷(古田孝夫裁判長)であった。

 原告すぎなみオンブズ側による支出の違法性の主張・立証作業が続いていて、今回は自民党と無所属計10人議員に関する主張の陳述(準備書面4)と関連証拠の提出、およびそれぞれの議員や会派に対する調査嘱託の申し立てを行った。

 2014年度は、区長選挙・区議補欠選挙(2014年6月)、衆議院議員選挙(12月)と3つの選挙があり、さらに2015年4月に区議会議員選挙を控えていた。区政報告類の経費の全額を政務活動費で支出した杉並区議が大半を占めているが、選挙を意識しているのは疑いようもない。政治的活動の趣旨をふくんでいるのだから最低50%の按分をすべきだ――といった主張・立証を行った。

 古田裁判長は、証拠をつけて反論するよう被告に指示。原告側には、残りの12議員に関する主張・立証を引き続き行うよう指示した。筆者はすぎなみオンブズ共同代表のひとりとして書面の起案や法廷対応にかかわっている。作業量の多い難工事の、ちょうど前半戦の半分という感じである。

 次回第6回口頭弁論は9月29日13時半から東京地裁522号法廷で開かれる。傍聴支援をお願いするしだいである。

自公頼みの田中良杉並区政、安倍政権崩壊とともに失速のおそれ

 昨年7月の都知事選に自公推薦で立候補した増田寛也元総務大臣に対して、杉並区の田中区長は、立候補中は応援演説をやり、落選したとみるや、杉並区にあらたな顧問職をつくって採用した。勤怠管理なし、月に2日出勤するだけで月額35万円という待遇は、ほとんど税金をプレゼントしているのとかわらない。税金を盗んで友だちにあげる。そうすれば自分は得をすると考えてのことだろう。

 露骨な公私混同行政。「リョウ友」区政である。

 この「リョウ友」人事の違法性を問う住民訴訟の口頭弁論が、7月20日10時30分から東京地裁703号法廷で開かれる。被告杉並区長側は、弁論に先立って興味深い事実を明らかにした。

 増田氏の採用経緯について求釈明したところ、非常勤顧問職を新設するための規則改定作業より前に、田中区長自身が「打診」をして了解を得ていたと回答してきたのだ。打診をして承諾を得たというくらいだから、当然勤務や待遇条件を提示したとおもわれる。

 区長はいったいどんな条件を提示したのか、増田氏はどういう条件で受け入れたのか。今後法廷で解明を求めていくことになる。

 情報公開などで明らかになった文書のなかに、非常勤顧問職の勤務は「週3日程度」と明記したものがある。日額の上限3万円×12日=36万円で、条例で定めた月額の上限35万円にしたむね説明している。

 ところが、じっさいには月12日どころか、2日しか出勤しないという有様だ。「週3日程度」の文書の記載と矛盾する。

 この点について区長は裁判のなかで、「便宜上」計算してみただけだなどと意味不明のことを言っている。しかし、これは詭弁だと筆者は推測する。月2日しか出勤しない非常勤職員に月額35万円を払えば違法性が生じるとの認識があった。だからこそこの文書をつくったのだろうと考えている。

 区長は最初から「2日で35万円」の超好条件を自分で勝手に決めて増田氏に伝え、そのあとでつじつまあわせに「12日で35万円」の文書をつくって適法を装い、手続きを進めた。真相はそんなところではないだか。

 増田氏が懸命に売り込んでいるのは「ウソノミクス」「アホノミクス」の異名をとる欺瞞だらけのアベノミクスの柱のひとつ「地方創生」である。少子高齢化の危機にあると訴えて、その対策を急げなどといっているようだが、じつは箱物をつくりまくっているだけのようにみえる。

 都議会議員選挙での自民大敗を転機に、安倍政権の支持率は急下降をたどっている。安倍政権が崩壊すれば、それに頼っていた田中”法令軽視”区政もまた失速するおそれがある。