東名事故、「工費削減でガードレール設置を見合わせ」の可能性浮上

 10日に愛知県の東名高速道路で発生した乗用車が対向車線に飛び出した事故で、工費削減の理由によって中央分離帯の脇(追い越し車線右手)にガードレールが設置されなかった可能性が出てきた。

 インターネット上で発見したNEXCOが作成したとみられる文書に、名神高速道路の拡張工事にともなって中央分離帯の構造をどうするか、検討した経緯が書かれている。今回の事故現場と酷似した「築堤」型で、追い越し車線との間に防護柵(ガードレール)をつけるかどうかが争点になっている。

 文書によれば、NEXCOの内部指針では、幅が10メートル以上ある場合はガードレールを取り付けなくてもよい。しかし道路管理者(警察)との協議で、いったん取り付けることになった。それが、その後再検討がなされてガードレールなしでも「安全である」との結論になったという。

http://miyakekatuhisa.sakura.ne.jp/wp2/wp-content/uploads/2017/06/542.pdf

 内部指針では、上下線で高低差1・5メートル以上ある場合は、高いほうの車線だけにガードレールをつければよいとされる。

 今回の事故現場をみると、拡張工事がされたとみられ、拡張部分と従来の道の間(上下線)で2メートル前後の高低差がある。乗用車が走っていた上り線は低いほうだった。ガードレールは、高いほうの下り線だけにあった。高い車線(下り線)だけに中央分離帯側のガードレール設置を義務づけ、低いほうには必要ないとしたNEXCOの指針ぎりぎりでつくったことになる。

 上から下に転落する恐れはあるものの、下から上に飛び上がることは想定していなかったのかもしれない。
 
 しかし、名神の例をみると、道路管理者(愛知県警)などから、下り線にもガードレールを設置すべきだと意見がでたことは十分に考えられる。斜めの土手になっているのだから、車が駆け上がる危険性を誰かが指摘しそうなものである。

 中央分離帯に沿ってガードレールがあれば、まちがいなく自損事故ですみ、これほどの大事故になることはなかった。警察や国土交通省の責任は重大である。当然、類似箇所のみなおし、NEXCOの設計指針のみなおしは急務の課題である。

 取材にとりかかりたいのは山々だが、もろもろの仕事で動きがとれない。知り合いの大メディア関係者に情報提供し、鋭意取材・報道をしてはいかがかと助言をしたところである。