田中ゆうたろう杉並区議「国有地と補助金4700万円」問題を再考する

 安倍晋三首相の妻が役員をする大阪府豊中市の学校法人森友学園に10億円以上する国有地を10分の1というタダ同然で、しかも随意契約で譲渡した問題が、朝日新聞のスクープをきっかけに大きな注目をあびている。同紙の引き続きの活躍を心から願い、応援したい。

 国有地と議員をめぐっては、杉並区でも重大な疑惑がある。スギナミジャーナルですでにお伝えしてきたとおり、田中ゆうたろう区議の家業の保育園と幼稚園である。

★田中杉並区議親族経営の保育園に補助金1・6億円、うち4700万円は身内別法人への「地代前払い金」と判明

★田中ゆうたろう区議親族経営の幼稚園による国有地購入は「随意契約」と判明
 田中議員は、「保育園落ちたは便所の落書き」「ソウル市瑞草区(ソッキョ区)との友好都市提携を破棄せよ」「生活保護不正受給者はならず者だ」などといった知性なき憎悪むき出しの発言を繰り返しているが、これは視聴率ならぬ票を稼く手っ取り早い方法として深く考えずにやっているようにみえる。いわゆるポピュリズムの手法だろう。

 田中ゆうたろう議員の母である田中悦子氏が園長をつとめる明愛保育園は、2013年に開園したが、その土地400平方メートルはもとは国有地だった。それを財務省が明愛幼稚園の主体である学校法人山本学園(理事長は祖母の山本澄氏)に1・9億円(随意契約)で売却した。

 幼稚園をつくるという建前で売却されたはずだが、そこに幼稚園はできず、保育園になる。保育園の運営主体は社会福祉法人明愛会。そして、この明愛会に山本学園が土地を貸す内容の契約がなされ、定期借地料34年分の先払いという形で杉並区が補助金4700万円を支払った。

 幼稚園も保育園も田中区議一族の家業である。田中一族は1・9億円の土地を1・4億円で入手したことになる。

 しかし、保育園用途であれば、明愛会が直接国有地を買うことはできたはずだ。なぜそうしなかったのか。補助金を得る目的以外に考えられない。土地購入に対する補助金はない。賃借にすることでしか4700万円の補助金は得られない。これは補助金の不正支給、かつ不正受給ではないのだろうか。

 田中区議は16日の区議会本会議の一般質問で、生活保護の不正受給者は「ならず者」だと語気強く批判した。しかし自らの疑惑に関しては、筆者の取材に「コメントできない」などと内容のない説明しかせず、そのおとなしさはまるで別人のようだ。

 
 
 

杉並区議の違法な政務活動費を問う裁判/17日13時半から東京地裁522号法廷で

 杉並区議会議員15人と2会派7人の政務活動費に違法な支出があったとして計約1000万円の返還を求める住民訴訟の第2回口頭弁論が17日午後1時半から、東京地方裁判所522号法廷で開かれます。原告はすぎなみオンブズ、被告は支出を行った杉並区長で、各議員・会派は「相手方」という位置づけになります。議員ら自身にかかる問題なので、彼らも希望すれば「補助参加」という形で訴訟参加することができますが、いまのところそうした動きはありません。

 争点は、いわゆる区政報告類や区政報告会の経費を全額か、またはその大半を公費たる政務活動費で支出したことの適否です。従来であれば政治団体(後援会)などの政治活動経費で出していたものを、「区政報告」とうそぶいて公費につけまわした疑いは濃厚だと筆者は考えています。

 政務活動費は政治的な活動に使うことは許されず、その要素があきらかにあり、区分が難しいときは、「社会通念上相当な割合」の按分という方法で切り分けよ(按分原則)と地方自治法の趣旨にはあります。訴訟の対象となった議員・会派の大半は、区政報告や区政報告会の経費を全額政務活動費で出し、それをよしとしているのですが、これはつまりこれらの経費のなかに政治的な要素はいっさい含まれていないことを意味します。そんなことがあり得るのか、断定できるのか。おいおい追及するつもりです。
 
 みなさまの応援をお願いする次第です。

 なお、筆者は今年からすぎなみオンブズの共同代表のひとりとなり、訴訟に積極的に参加することになりました。

★「議員の政治活動の自由」の名のもとに政活費の政治流用を黙認する杉並区

★杉並区政務活動費 「区政報告」に大金一括投下型に移行か
 

教育施設研究所、ボーリング調査前から基礎杭深度確定か

 文科省OBが天下っている(株)教育施設研究所の高円寺小中一貫校校舎建設をめぐるボーリング報告書改ざん問題で、同研究所がボーリングを受注する以前の時点で、すでに、当時は4階建てを想定したボーリングデータしかなかったにもかかわらず6階建ての校舎計画についての基礎杭深度(支持層の強度・厚さ)を確定、施主の杉並区に提出していたことが情報公開請求で判明した。
 
 同研究所は計画の設計を受注しているが、ボーリング調査が不十分な段階にあるにもかかわらず基礎杭の深度を決定、それにあわせてボーリング報告をつくるという本末転倒の調査がなされた疑いが出てきた。

 計画されている校舎の地盤は、16−18メートル付近に東京礫層(Tog)という固い層があり、その下はいったん比較的柔らかい粘土層になり、それを抜けて25メートルより深くなると上総層群の砂質層(Kzs)という安定したもっとも固い地盤になる。

 今回発覚した文書は、教育施設研究所がボーリングを受注する以前の2015年に作成した「基礎設計説明書」。その53頁「基礎方式」と題した部分にこう記載されている。

 〈地盤調査による地質調査により、本計画建物の基礎形式を選定する。
 本計画建物の規模、鉄骨コンクリート造6階建ての荷重規模により杭基礎が適当である。支持層としてはGLー16メートル付近より分布するN値30〜60以上の洪積層東京礫層(TOG)が最適と判断する〉

 この段階ではさらに下の層を調べたボーリングデータは存在せず、柔らかい粘土層が出てくることもわかっていない。それにもかかわらず、深度16メートル付近からはじまるTOGが最適と断定している。

 まず結論ありきのおざなりの地盤調査であったというほかない。

 ボーリングは2014年に3本(第一航業)、16年2本(教育施設研究所)の計5本実施。このうち25メートル付近のKZS層まで調べたのは最後の1本しかない。

 また、2014年の3本のボーリング調査が4階建て校舎をつくる想定で行われたのに対して、16年の2本は6階建てを想定した調査だった。しかし、16年の調査については、掘削深度や調査内容など具体的な指示が仕様書にいっさい記載されておらず、杉並区の姿勢に不自然さが残る。

 教育施設研究所の疑惑の報告書というのは、この2016年の2本のボーリングに関するもので、文部科学省指針を引用しながら適切な基礎杭の深度(支持層の強度・厚さ)を指摘する際、「高層」(6階以上)とすべきところを「中低層](5階以下)と虚偽の内容を記、より甘い基準を使って「Tog層」が最適としている。同研究所には、くだんの指針を作成した文科省文教施設企画部技術審査官OBの岡誠一氏が取締役として天下っている。

疑惑のボーリング、仕様書に深度記載なしと判明

 文科省文教施設企画課の技術審査官が役員で天下っている(株)教育施設研究所に、杉並区が高円寺小中一貫校校舎の実施設計とボーリングを2016年に発注した際、ボーリング調査の詳細が仕様書にいっさい記載されていないことが、情報公開請求で開示された文書から明らかになった。

 教育施設研究所のボーリングをめぐっては、調査報告書に「高層」とあるべきところを「中低層」と偽って書くなど、その信頼性に疑問が出ているが、その背景に、発注者である杉並区のずさんな指示があったことが浮き彫りになった。

 高円寺小中一貫校校舎計画をめぐるボーリング調査は、2014年に第一航業(杉並区阿佐ヶ谷北)に発注して3本行っている。このときの仕様書は深度や想定した建物の大きさ(4階建てを想定)、調査内容を詳細に指示していた。

 
ボーリングの深度、支持層を5メートル以上確認することなど、具体的な指示がなされている2014年発注のボーリング仕様書。


ボーリングの内容についていっさい記載がない2016年発注の仕様書(その1)。

(同その2)。