教育施設研究所、ボーリング調査前から基礎杭深度確定か

 文科省OBが天下っている(株)教育施設研究所の高円寺小中一貫校校舎建設をめぐるボーリング報告書改ざん問題で、同研究所がボーリングを受注する以前の時点で、すでに、当時は4階建てを想定したボーリングデータしかなかったにもかかわらず6階建ての校舎計画についての基礎杭深度(支持層の強度・厚さ)を確定、施主の杉並区に提出していたことが情報公開請求で判明した。
 
 同研究所は計画の設計を受注しているが、ボーリング調査が不十分な段階にあるにもかかわらず基礎杭の深度を決定、それにあわせてボーリング報告をつくるという本末転倒の調査がなされた疑いが出てきた。

 計画されている校舎の地盤は、16−18メートル付近に東京礫層(Tog)という固い層があり、その下はいったん比較的柔らかい粘土層になり、それを抜けて25メートルより深くなると上総層群の砂質層(Kzs)という安定したもっとも固い地盤になる。

 今回発覚した文書は、教育施設研究所がボーリングを受注する以前の2015年に作成した「基礎設計説明書」。その53頁「基礎方式」と題した部分にこう記載されている。

 〈地盤調査による地質調査により、本計画建物の基礎形式を選定する。
 本計画建物の規模、鉄骨コンクリート造6階建ての荷重規模により杭基礎が適当である。支持層としてはGLー16メートル付近より分布するN値30〜60以上の洪積層東京礫層(TOG)が最適と判断する〉

 この段階ではさらに下の層を調べたボーリングデータは存在せず、柔らかい粘土層が出てくることもわかっていない。それにもかかわらず、深度16メートル付近からはじまるTOGが最適と断定している。

 まず結論ありきのおざなりの地盤調査であったというほかない。

 ボーリングは2014年に3本(第一航業)、16年2本(教育施設研究所)の計5本実施。このうち25メートル付近のKZS層まで調べたのは最後の1本しかない。

 また、2014年の3本のボーリング調査が4階建て校舎をつくる想定で行われたのに対して、16年の2本は6階建てを想定した調査だった。しかし、16年の調査については、掘削深度や調査内容など具体的な指示が仕様書にいっさい記載されておらず、杉並区の姿勢に不自然さが残る。

 教育施設研究所の疑惑の報告書というのは、この2016年の2本のボーリングに関するもので、文部科学省指針を引用しながら適切な基礎杭の深度(支持層の強度・厚さ)を指摘する際、「高層」(6階以上)とすべきところを「中低層](5階以下)と虚偽の内容を記、より甘い基準を使って「Tog層」が最適としている。同研究所には、くだんの指針を作成した文科省文教施設企画部技術審査官OBの岡誠一氏が取締役として天下っている。