疑惑のボーリング報告書を作った「教育施設研究所」に文科省OB天下り

 総工費82億円の高円寺小中一貫校計画をめぐり、文科省建築指針で「高層」とすべきところを「中低層」と偽って分析したボーリング調査報告書を作成し、基礎杭の深度を浅めに評価した疑いがもたれている(株)教育施設研究所の取締役に、指針を作った担当部である文科省文教施設企画部のOBが天下っていることがわかった。

 問題の文科省OBは岡誠一・元文教施設企画部技術参事官。同省退職後の2012年1月に独立行政法人日本スポーツ振興財団に「技術アドバイザー」として再就職、そのご株式会社教育施設研究所に入り、取締役になっている。同研究所の入社時期などは不明。

 文部科学省は取材に対して、「教育施設研究所取締役の岡誠一氏が文科省OBの岡氏と同一人物かどうかは確認できない」と述べていたが、筆者が2日、中央区の教育施設研究所を訪れて社員にただしたところ、同一人物であることを認めた。

 文教施設企画部は問題の文科省指針をつくった当の部署だ。そこの幹部が役員をやっている会社が、指針がうたう「高層」と「中低層」を読みちがえたボーリング報告を書くというのはいったいどういうことなのか。単純な「誤り」と考えるには不自然にすぎる。

 杉並区営繕課はボーリング報告の誤りを認めている。しかし、「設計会社(教育施設研究所)に訂正を求める」としただけで、同社の設計にしたがって工事を進める方針だ。公金をつかって公の施設をつくるというのに、監督する気概が感じられない。

 たとえるなら、血液検査の結果が素人目にもわかるほど明らかにまちがっているのに、「まちがっただけだ」といいながらその病院が作成した治療計画をあくまで信用して手術をするようなものである。

 子どもが減るといいながら、区は反対の声を押し切って小中一貫校計画を進めていた。当初は4階建ての予定だったとみられるが、いつのまにか6階建てに変わった。そして、なぜそれほど大きな建物がいるのかと問われたいま、「子どもが増える」といいだす始末だ。

 小中一貫はじつは不要だったのではないか、学校をつぶして建物を建てて建設業界にカネを稼がせることそのものに本当の狙いがあるのではないかーーそんな疑いを抱かざるを得ない。

 なお、白石建設らJVは1日、慎重に設計を見なおせとの住民の反対にもかかわらず強引に測量を開始、99.3%という異常に高い落札率をはじめ疑問と疑惑に満ちた計画は事実上着工した。