帰ってきた共謀罪

 官僚独裁、軍事独裁の凶暴な社会づくりの凶器として戦前猛威をふるった治安維持法が、安倍政権のもとで復活しようとしている。「共謀罪」である。この問題に取り組む方々から以下の連絡をちょうだいした。ここに転載したい。 

 共謀罪を執拗に求める動機のひとつが、日本の官僚組織が「宗主国」と仰ぐアメリカ政府の要請にあることは想像にかたくない。米国資本の商売のための番犬として、米国には日本人を侵略戦争に加担させようとしている勢力がいる。

 さらに深刻なのは、日本政府や財界のなかにそれを熱望する勢力が多数いるということである。「普通の国」であれば真の独立、真の主権、真の自己決定権というものを求め、そこに尊厳を見出そうとするところだろうが、日本の場合はちがう。真に独立できる機会がありながらそれをつぶし、米国の属国、植民地の地位を自ら必死で守り、そこに「愛国心」をかぶせてごまかそうとしている。植民地の総督きどりの安倍首相は米国の新大統領に貢物をするので忙しそうだ。カジノ解禁もそのひとつ。そして共謀罪もプレゼントだと筆者は思う。

 植民地の総督さながらに、忠実な米国の下僕であることが「誇り」だとうそぶく安倍首相を馬鹿にすることは簡単だ。しかし、その下僕政権を許している国民はもっと惨めな存在にちがいない。

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1、年明け冒頭から、新聞各紙で「政府、共謀罪の今通常国会提出決定」の記事が一斉に出されています。03,05,09年と三度廃案になったものを、名前や装いを変えて提出すると。安倍は、10日、共同通信との単独インタビューで、テロ対策で各国と連携する国際組織犯罪防止条約が締結できず「成立なしで東京五輪が開催できない」と指摘した(東京新聞1月11日朝刊)、とあります。外交でも内政でも失敗続きの安倍は対テロ・東京五輪成功を今国会の目玉にしたいとの意向がはっきりと示され、「そっと出し」法案ではなくむしろキャンペーンを張りながら「目立ちたがり」法案の様相を呈しながら行くことは間違いないとみてよい。法案の批判はもとよりですが「テロ対策」「五輪成功」キャンペーンの虚構を剥いでゆく作業と一体だと思います。

2、昨秋に「これは共謀罪そのもの」と批判の的になった「テロ等組織犯罪準備罪」ですが、どうやら昨年8月26日の朝日新聞のリークで大々的に出された案とほとんど変わらないものが出てくるようです。03年当時長期4年の懲役の619の罪を対象にした共謀罪でしたが、1月7日の新聞報道では676に増えています。ここまで具体的に出ているという事はすでに原案ができていると見てもおかしくないでしょう。現刑法ですら264条ですが、しかしそれにしても恐ろしい数の共謀罪が現出しようとしています。暴走安倍は一体どういう世の中を作ろうとしているのでしょう?!

3、1月20日から始まる通常国会(10日に内閣から衆参議運に伝達)ですが、予算先議という事もあり例年では予算が衆院で議決された後の3月14日前後に閣議決定、そのあと国対レベル、委員会理事懇レベルでのやり取りの中で審議日程が決まってゆきます。これも通例だと3月下旬4月前半は予算関連法案、前国会の積み残し法案(民法・債権法、商法大改正が審議中)から始まるのでそのあと辺りから実質の審議攻防が始まってゆくと思われますが数を頼みとした強行的な国会運営をやっている暴走内内閣に油断は禁物です。さらに注意したいことは、8月末に官邸サイドから出された「案」の中に「すでに41時間の時間を審議に費やしている」とさらりと書かれている。という事は提出したら1,2日の審議日で採決強行という事態も想定できるという事です。

4、以上の判断に立つと、共謀罪反対の広い声を先行的に作ってゆくことが切実に求められるでしょう。ここがかつての廃案にした05.06年の時と決定的に違うところです。もとより国会内外の闘いになるでしょうが、今の3分の2国会では国会内部の力関係だけでは阻止は全く不可能で、国会外の大衆的反対運動こそが、国会の力関係をも変え、法案阻止の力になることは火を見るよりも明らかです。「偉大なる創意」をもって、多くの民衆を動かしてゆく気概と決意をまずもってやってゆくことだと思います。様々な提案様々な意見をお寄せください。広く共有化して大きな戦線の構築を図ってゆきましょう。

5、当面1月20日の国会開会日行動が焦点になってゆきます。共同行動、国際署名はこの日、永田町・衆院第2議員会館前での8時30分から13時までの国会前集会を呼びかけます。ぜひおおくの方を誘ってご参加ください。今後企画が決まり次第逐次お知らせして行くことになります。よろしくお願いします。

6、なお、昨年12月に合同出版社から「『共謀罪』なんて いらない?!」(1400円+税)というタイトルの本が緊急出版されています。筆者は長い間批判の先頭に立ってきた斎藤貴男+保坂展人+足立昌勝+海渡雄一+山下幸夫の各氏で、作家の室井佑月さんが推薦文を書いています。非常に活用できる本で共同行動でも扱っています。18日には神保町スズラン通りの東京堂ホールで19時から20時30分(18時30分開場)まで筆者たちが総ぞろいでトークが行われるのでこれもぜひご参加ください。事前申し込みが必要で(TEL03-3291-5181)参加費用は500円です。

通常国会情勢での緊迫した共謀罪法案についてのマスコミ報道は、以下を参照ください。     

★法務省、国会提出予定の法案リストに「共謀罪」を掲載(東京)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201701/CK2017011202000115.html

「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を、法務省が二十日召集の通
常国会に提出する予定の法案リストに盛り込んだことが十一日、関係者への取材で
分かった。同省はリストに従い、与党幹部に対して法案内容などの説明を始めた。

★山口公明代表、「共謀罪」内容再検討を=吉田社民党首は反対明言(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017011200428&g=pol

公明党の山口那津男代表は12日の記者会見で、「共謀罪」の構成要件と名称を改
め政府が通常国会に提出する組織犯罪処罰法改正案について、「国会を通すために
はどういう法案を作り、どう出したらいいのか、慎重に政府・与党間で検討を進め
てほしい」と述べ、内容の再検討を求めた。

★公明 山口代表 テロ等準備罪新設法案は十分調整を(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170112/k10010836881000.html

公明党の山口代表は記者会見で、「共謀罪」の構成要件を厳しくした「テロ等準備
罪」を新設する法案について、必要性に理解を示す一方、国会への提出に向けて
は、法案の内容などを政府与党間で十分に調整する必要があるという考えを示しま
した。