自民大熊杉並区議の政活費訴訟、準備書面2、3を提出

 大熊昌巳・自民党杉並区議の政務活動費返還を求めた裁判の弁論が17日午前11時半から419号法廷で開かれるのを前に、準備書面1につづいて準備書面2、3を提出しました。

 なお、開廷時間を11時とご案内していましたが、11時半の誤りでした。お詫びして訂正します。
 
 杉並区は大熊議員の言い分を丸呑みにして政治集会の疑いが濃厚な集会の経費の支出(按分8割)を容認するなどしていますが、どうも大熊氏は政務活動費というものについてよくわかっていないことがわかってきました。政治資金、政党交付金との違いすら理解していないフシがあります。

 詳しくは準備書面をお読みください。

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 平成28年(行ウ)第281号 政務活動費返還請求事件

準 備 書 面 2

東京地方裁判所御中民事第51部御中

2017年1月17日
  
       原告 三宅勝久ほか、     
       被告 杉並区長田中良

 準備書面1に補足して主張する。 

 本件各支出について被告はいずれも適法と主張するところ、その主たる根拠は大熊昌巳杉並区議会議員の説明にある。しかしながら、政務活動費に関する大熊議員の理解はきわめて不十分であることが、以下の事実から明らかである。
 
 同氏のホームページ中「熊さんの一言」欄の2014年11月5日付投稿「一ヶ月が過ぎました」には次のとおり書かれている。

〈この間、国政においては、同時に閣僚が二人辞任、その後も、後任大臣の政治活動費の使用に関するモラルが問われています。

国政と私が参画する議会とでは、余りにも器が違いすぎますし、この度、注目と批判を浴びた国会議員の方々とは、地域が違いますが、私も、同じ政党人です。
国政においても、私が参画する議会においても、地域の方々の信任を受け、期待が寄せられる点では同じと考えます。
期待に応えると言う事は、責任を一つひとつ果たして参る事で在ると思います。
そして、一つひとつ信頼を築いて行く事で在ると思います。

国政においても、私たち地方議会においても、政務活動費の使用が認められています。 地方議員の政務活動費の使用は公開されますが、国政においては非公開で在ったと思います。 先に、示した国会議員の方々が政務活動費の使用を不正したと言う事ではなく、国政と地方議会、大きな違いがありますが、そこに参画し、活動する議員の心構えは、何ら変わるところなく、一つで在ると思います。〉
(甲9、5頁中央付近)

 これは、2014年10月に、小渕優子経済産業大臣と松島みどり法務大臣が相次いで閣僚を辞任した件に触れたものと思われるが、基本認識に大きな誤りがみられる。小渕氏が経産大臣を辞任したのは政治資金収支報告書の内容に問題があったためであり、松島氏が法務大臣を辞任したのは選挙区内でのうちわ配布が公職選挙法で禁止されている有権者への寄附行為にあたるとして告発されたからである。政治資金や選挙活動の問題であって、決して政務活動費の問題ではない。もとより国会議員に「政務活動費」なるものは存在しない。 “自民大熊杉並区議の政活費訴訟、準備書面2、3を提出” の続きを読む

自民党大熊昌巳杉並区議の政務活動費裁判第2回弁論近づく

 自民党杉並区議会議員の大熊昌巳氏の政務活動費に、政治色の極めて強い集会の経費や選挙対策としか考えられないチラシの作成費を計上するなど、違法な支出が多数あるとして40万円あまりの返還を求めた住民訴訟の第2回口頭弁論が17日11時から東京地裁419号法廷で開かれる。

 事件番号は平成28年(行ウ)281号、担当部は民事51部。原告は筆者を含む区民有志6人である。本人訴訟で争っている。 

 お時間許す方はぜひ法廷に起こしいただきたい。
 
 弁論に先だち、原告の主張をまとめた準備書面を作成した(12日提出予定)。以下転載する。

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平成28年(行ウ)第281号 政務活動費返還請求事件

準 備 書 面 1

東京地方裁判所御中民事第51部御中

2017年1月17日
  
       原告 三宅勝久ほか5人 

         被告 杉並区長田中良
          東京都杉並区阿佐ヶ谷南1-15-1
   
 被告の主張に対して以下のとおり反論する。

1 本件各支出を被告が「適正」とする根拠は薄弱である
 被告は答弁書において次のように述べている。

「…区の執行機関が、実際に行われた政務活動の具体的な目的や内容等に立ち入ってその適合性を審査することを予定しているものではない」

「…本件条例及び本件規程に基づいていずれも政務活動に要する経費として適正になされた支出であり、本件規程2条2項ないしは別表に従って適正に按分したものである旨の説明があった以上、区としては、これを明確に否定する事情がない限りは、大熊議員の説明を前提として…上記政務活動に要する経費としての支出であると判断せざるを得ないものである」

 各支出について被告はいずれも適法だと主張しているが、その根拠は乏しく、もっぱら大熊区議の説明に依拠しているにすぎない。つまり、具体的内容を審査した場合に適正でない支出が発見される余地があることを被告は事実上認めている。また、仮に大熊議員の説明に不正確または虚偽の事実があった場合にも「適正」という判断が変わる余地がある。
 特に按分率についてみると、いずれも大熊議員が「適正」と主張する按分率を被告は無批判に追認しているだけであり、社会通念上相当な按分率であるかどうかを客観的に検討した形跡もない。
 よって、違法な支出を被告が見過ごしている可能性は大きいというべきである。
 
2 按分原則の趣旨について
 政務活動費には「調査研究活動とそうでない部分とを合理的に区分することが困難である場合には、社会通念上相当な割合による按分をして、政務活動に資する経費の金額を確定しなければならない」とする按分原則がある。
 この按分原則を踏まえて本件各支出をみると、按分が適用された支出とそうでない支出がある。
 按分がなされている支出(1−①〜⑤、2ー⑦〜⑪、3−①)については、すべて「調査研究活動とそうでない部分」が混在し、「合理的に区分することが困難」である旨被告も認めていることになる。一方按分を行っていない支出(2−①〜⑤、4ー①)のほうは、すべてが「政務活動に資する経費」であってそれ以外の部分は存在しないと被告が判断していることを意味する。

 そうすると、本訴訟の争点は大きく分類して以下の3つに整理できる。

 (1) 按分を行った各支出については、社会通念上相当な割合の按分率はいくらか。

 (2) 按分を用いていない各支出については、按分の必要性の有無(政務活動に資する経費以外の経費を含んでいるか否か)。

 (3) 按分を用いていない各支出について按分が必要だとみなした場合、社会通念上相当な割合の按分率はいくらか。

 この分類に従い、以下各支出について検討する。

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