杉並区政務活動費「第三者によるチェックを活用」という朝日新聞報道に疑問

 10月2日付朝日新聞朝刊に政務活動費についての全国調査の結果が報じられている。筆者はこの記事を香川県で読んだのだが、大阪本社版社会面のメモに目がとまった。

「第三者によるチェックを活用している市区ーー水戸市▽さいたま市▽神戸市▽熊本市▽東京都港区▽大田区▽杉並区▽北区」

 「第三者の目導入は一部」と題する記事が横にあり、本文にはこうあった。
 「今回の調査で、政務活動費の使途が適正かどうかを第三者がチェックする仕組みを活用している議会は69市区のうち9市区にとどまることも判明した」

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 第三者によって使途が適正かどうかをチェックする仕組みを活用している”先進的”な自治体として杉並区が紹介されている。杉並区議会がそんなことをしているとは初耳だったので議会事務局に確かめた。すると、「使途が適正かどうかをチェックする」という記事とはやや意味がちがう制度であることがわかった。

 事務局によれば、専門委員会という第三者機関を2010年度から導入した。年に数回程度意見聴取会を開いて、使途基準についての意見を聞く場にしている。意見は議会内の検討会に反映させる。内山忠明弁護士、伊東健次弁護士、中村香子公認会計士の3人。昨年度は11月に3回、各2時間意見を聞いた。48人いる区議のうち、事務局が選んだ数件について目を通してもらっている。今年度も11月に行う予定。

 使途基準についての意見をもらうのが目的であって、各議員や会派のじっさいの使途をチェックするものではなかったのだ。

 筆者は、精密にすべて調査をして住民監査請求を行っているすぎなみオンブズのような取り組みもあるので、そうした「第三者」である市民の
意見を「専門委員会」に届けることは可能かと問うたところ、事務局職員は「それは…」と難色を示した。

 事務局がサンプルとして選んだ報告書だけをもとに意見を聞く専門委員会であれば、第三者機関という名をとりながらも、結局は閉ざされた役所の回路のなかのお手盛りチェックの延長にすぎないという印象を受ける。
 

住民訴訟判決一覧

 筆者はこれまで、杉並区による違法な(その疑いが濃厚な)公金支出について返還を求める住民訴訟をいくつか起こしてきた。その判決文を紹介する。

1 監査委員ボッタクリ報酬を返せ訴訟1(勝訴)

・監査委員ボッタクリ報酬を返せ訴訟1主張書面一式(7M)

2 監査委員ボッタクリ報酬を返せ訴訟2(却下)

3 東電社員議員「事務所賃料」違法支出訴訟(勝訴)

4 「半年欠勤の選管委員に140万円支給は違法」訴訟1審(勝訴)

5 「半年欠勤の選管委員に140万円支給は違法」訴訟2審(勝訴、最高裁確定)