都知事選開票の夜に職員16人を公園閉め出し作業に駆り出した杉並区の愚策

 都知事選開票が行われている深夜に職員16人をかりだして区営公園の立ち入り禁止の措置を強行する。ーーまるで区有施設を自分の持ちものだとかんちがいしているのようなおろかな区政運営がまたひとつ浮き彫りになった。

 保育所待機児の見積もりを大きくあやまるという区の失態に端を発する区有公園や区有地の民間保育所転用策にともなって、東原公園や向井原公園などの法律・条例上の公園の性格が8月1日午前零時で消滅した。これにともなって区職員多数が同時刻と同時に立ち入り禁止措置を行った。

 工事開始はまだ後のことであり、立ち入り禁止にする合理的な理由はみあたらない。仮に工事にともなって立ち入り禁止にするとすれば、深夜作業は認められないだろう。しかも7月31日は日曜日で都知事選の投開票日でもあった。そんな取り込み中のときに、わざわざ16人もの職員を深夜に作業させたというのは税金の無駄遣いであるだけでなく、田中区政に異を唱える区民を敵視する異常な区政運営というほかない。

 この日、深夜作業を行った職員は、情報公開請求によって確認できた限りでみると、次の16人。超過勤務手当がどの程度払われたのかは不明。しかも驚いたことには、作業内容がわかる文書は「不存在」として一枚も開示されなかった。また作業の結果を示す報告書や写真も同じ理由で一枚もなかった。
 
 引き続き取材・報告したい。 

★深夜作業に関わった職員数などを示す情報公開資料(約15Mバイト)

(注)職員氏名肩書、区内出張時間、出張先・業務内容(区内出張書類の記載内容から)

・井口順司区民生活部長
(7月31日)23:00ー(8月1日)1:30
井草地域区民センター保育施設設備事前対応

・原田洋一管理課長
23:00ー1:30
井草地域区民センター保育施設設備事前対応

・高橋俊康地域課長
23:00ー1:30
井草地域区民センター保育施設設備事前対応

・木浪るり子地域課長
23:00ー1:30
井草地域区民センター保育施設設備事前対応

・井上純良都市計画課長
23:00ー1:45
北公園緑地事務所
旧向井公園
旧だいかん山
保育用整備

・阿部吉成土木管理課長
22:50ー2:00
北公園緑地事務所
保育園用地整備に係る業務

・市川武彦土木管理課占用係長
23:30ー1:30
北公園緑地事務所
保育園整備に係る応援態勢従事

・石森健土木管理課長
23:15ー2:30
南公園緑地事務所現場調査

・中橋政明土木計画課都市計画道路整備係長
23:00ー1:30
北公園緑地事務所
転用公園工事業者サポート応援体制従事

・土肥野幸利みどり公園課長
21:30ー14:22
南公園緑地事務所ほか
保育施設整備工事事前対応
(高井戸みどり公園、久我山東原公園)

・小山猛みどり公園課南公園緑地事務所主査
22:00ー8:30
「公園更地化工事の保安」従事

・朝比奈崇みどり公園課南公園緑地事務所主査
22:00ー8:00
公園更地化工事の保安作業従事

・太田清みどり公園課南公園緑地事務所技能長
22:00ー8:30
公園更地化工事の保安作業従事

・長谷川恵志みどり公園課南公園緑地事務所職員
22:00−2:30
「公園更地化工事の保安対策」に従事

・梅津康正みどり北公園緑地事務所係長
23・30−8:30
転用公園工事業者応援体制従事

・糸永智路みどり北公園緑地事務所職員
23:30ー8:30
転用公園工事業者応援体制従事

・井上勇一みどり北公園緑地事務所職員
23:30−8:30
転用公園工事業者応援体制従事

・橋本利雄杉並土木事務所管理係主査
23:30ー2:15
南公園緑地事務所
保育用地整備に係る応援業務に従事

大熊昌巳・自民杉並区議の政活費43万余円返還求める裁判はじまる/次回は来年1月17日

 通信費や「区政報告」、集会にかかった費用の9割〜8割を杉並区の公金である政務活動費(月額上限16万円・同年間192万円)で払ったのは違法であるとして、杉並区長を相手取り、自民党杉並区議会議員の大熊昌己氏(事務所・杉並区久我山)から45万円あまりの返還を求めた住民訴訟が20日東京地裁民事419号法廷(民事51部)ではじまった。事件番号は、東京地裁平成28年(行ウ)第281号、裁判官は、岩井伸晃(裁判長)、桃崎剛、武見敬太郎の3人。

 原告は区民有志6名。筆者も入っている。

 政治的な活動に関する経費を政務活動費(政活費)で出すことはできないにもかかわらず、大熊議員はインターネットの接続料や「区政報告」類の印刷・発送費・人件費の9割を政務活動費に計上。また石原伸晃衆議院議員など国会議員が参加した集会の経費も「区政報告会」と称して8割を計上している。これに対して筆者ら原告はつぎのように訴えている。
 
〈ーー政治的な活動に関する経費がたぶんに含まれているのは明らかで、かつ明確に分離は困難である。この場合、社会通念上相当な割合の按分をするよう定められているが、その適正な按分率は50%である。それを超えた支出は違法である。〉(趣旨)

 被告杉並区長は、政務活動につかうパソコンは分けており「9割」の按分に問題はない、などとして全面的に争う答弁を行った。原告側は大熊議員の通信関連の契約状況や人件費を払っている人物との親族関係の有無などについて求釈明を申し立て、岩井裁判長はこれを認めた。

 次回弁論は来年1月17日午前11時、東京地裁419号法廷で開かれる。求釈明に対する被告の回答を待って原告側が反論を行う予定。

田中杉並区長は秘密主義?/区長が任命した保育園事業者選定委員の氏名を自分で非公開決定

 来春の開園にそなえ、杉並区有地を利用した私立保育園の事業者を「公募方式(プロポーザル)」選定した際、選定・審査を行う「選定委員会」の委員の氏名が不可解な理由によって一部非公開にされている。子ども家庭担当部(田部井伸子部長)の説明によれば、今年7月10日、杉並区プロポーザル条例にもとづいて、学識経験者3名、区職員2名(田部井伸子子ども家庭担当部長、渡辺秀則保育課長)の計5名からなる選考委員を区長の任命により発足させた。その際、学識経験者3名の氏名・肩書を非公開にするよう区長が決定したという。

cimg3142
田部井伸子子ども家庭担当部長(左、7月25日夜、杉並第一小学校での説明会にて撮影)

cimg3140
渡辺秀則保育課長(中、7月25日夜、杉並第一小学校での説明会にて撮影)

関連記事
「杉並区・来春開園の私立保育園、7業者の選定過程に疑問」

 区長が任命した選考委員の氏名・肩書を、区長自身が非公開にするなどということが、いったいどのような根拠でなされたのか。疑問に思って尋ねたところ、当初職員は「プロポーザル条例に非公開にできる規定がある」などと説明した。職員の上司である中村充明・保育施設整備推進担当課長も同席のうえでの説明だった。だが条例を確認したところ、第6条4項に「委員会の会議は非公開とする」とあるものの、委員の氏名・肩書を非公開にできるとした規定はない。

cimg7210

「この条例を理由に委員の氏名・肩書を非公開にすることはできないのではないか」と指摘すると職員は誤りを認めた。中村課長は部下が誤ったのだとして自分の誤りではないと説明した。しかし、なおも氏名・肩書を非公開にしていることにはかわりがないとして、こんどは情報公開条例に非公開事由があることをさし、それが「選考委員の氏名・肩書非公開」の根拠だと課長自身が説明した。

 杉並区情報公開条例6条には、公文書の開示請求を受けた際に非公開にできるものとして「区の内部又は区と国若しくは他の地方公共団体との間における審議、検討等の意思形成過程における情報であって、公開することにより公正又は適正な意思形成に著しい支障を生じるおそれのあるもの」とある。中村課長によれば、これが「選考委員の氏名・肩書」を非公開にした根拠だというのだ。

 情報公開条例は公文書の開示請求に関する手続きを定めた条例である。しかも行政は公文書を原則開示して説明責任を果たすべきであるという趣旨でつくられている。それを委員の名前をあかさない根拠になるはずがなく、支離滅裂というほかない。

「情報公開条例の非開示理由をさだめた条項が選考委員の氏名・肩書を公表しないことの根拠になるというのはおかしいのではないか」

 そう指摘したが、話はかみあわなかった。

「情報公開条例の不開示規定を根拠にして、委員の名前を明かさないという決定を区長の裁量で行った。そういう理解で本当にいいのか。区としての公式見解でいいのか」

 筆者は奥の席で中村課長に耳打ちをしてる田部井部長にカウンターまででてきもらい、直接そう確認した。田部井部長は「情報公開条例に準じるということですよ」と答えた。「氏名肩書を非公開にできる規定は特にないが、区長が裁量で行った、そういうことか」と確かめると「そうだ」と認めた。首長の裁量権を定めているのは地方自治法だが、そのどの条文で定められているのか確認をもとめたが田部井部長は即答できず、「会議がある」といって席を離れた。

 台風接近中で5時をすぎてもいたので、田部井部長が席をはなれた点はやむを得ない。

 明確な根拠もなく、田中区長や区幹部の手前勝手な考えだけで委員の肩書・氏名が非公開にされた可能性は限りなく高い。

 筆者は20日付で、外部委員の氏名・肩書がわかる文書の開示請求を行った。

〈資料〉
「待機児童解消緊急対策に伴う区有地活用保育所整備・運営事業者公募要領」

民事裁判を使った「言論弾圧」に歯止めをかける

cimg7209

『法学セミナー』10月号で「スラップ訴訟」の特集が組まれている。画期的な特集で、充実した内容なのでぜひお読みいただきたい。スラップ訴訟とは、言論抑圧目的で大企業などが起こす嫌がらせ的な訴訟のことで米国の法律用語である。日本では「恫喝訴訟」「いやがらせ訴訟」などと訳される。

 筆者も「恫喝訴訟と言論萎縮効果」と題して原稿を寄せた。2003年、消費者金融最大手武富士から『週刊金曜日』とともに連帯して1億1000万円を払えと訴えられた経験を報告している。
 
 版元の日本評論社のホームページより紹介文と目次を転載する。

===

https://www.nippyo.co.jp/shop/magazines/latest/2.html
日本においてようやく認知され始めたスラップの定義、実態、弊害を整理して紹介し、アメリカの反スラップ法を参考に日本における抑止・救済策を整理し、今後の議論を展望する。

本号の詳細 次号予告

[特集]
スラップ訴訟
I スラップ訴訟とは何か……澤藤統一郎
II 事例紹介
 1 武富士事件スラップ訴訟……新里宏二
   ──東京地判平成17年3月30日を勝ち取るために
 2 伊那太陽光発電スラップ訴訟……木嶋日出夫
III 恫喝訴訟と言論萎縮効果……三宅勝久
  ──高額の損害賠償を求める「恫喝訴訟」によって企業批判のタブー化進む──武富士事件の体験より
IV スラップ訴訟、名誉毀損損害賠償請求訴訟の現状・問題点とそのあるべき対策(立法論)……瀬木比呂志
V アメリカにおける反スラップ法の構造……藤田尚則
VI 昭和63年判例(最三小判昭63・1・26民集42巻1号1頁)の再検討……小園恵介
  ──抑止・救済のための法的課題の検討1
VII 日本の名誉毀損法理とスラップ訴訟……佃 克彦
   ──抑止・救済のための法的課題の検討2
VIII スラップ訴訟の外縁から見る抑止・救済の法的課題の検討……紀藤正樹
   ──抑止・救済のための法的課題の検討3

杉並区・来春開園の私立保育園、7業者の選定過程に疑問

 来年4月に開園を予定している杉並区の私立保育園の業者選定過程に疑問が浮上した。読者からスギナミジャーナルへの情報提供によると、区が用地を整備・提供する形で来春開園を予定している7つの保育園の業者設定が、競争入札ではなく「プロポーザル」(公募)と呼ばれる審査方式で決定され、かつ7件中6件で1社の応募しかなくその会社や法人に決定していたことがわかった。残る1件も、応募社はわずか2社だった。

 業者選定を行ったのは区職員や学識経験者からなる委員会とみられる。公募する前にすでに業者を内定し、形式だけの公募手続きをやるという、いわば「名ばかりプロポーザル」とでもいうべき事実上の随意契約だった疑いが濃厚だ。

 選定された保育園業者は次のとおり。

 1 下井草3丁目=株式会社アイグラン(広島市)

cimg7180

 2 高井戸西1丁目=株式会社こどもの森(東京都国分寺市) 
cimg7181
 3 久我山5丁目=株式会社ポピンズ(東京都渋谷区)

cimg7182

 4 下井草5丁目=学校法人滋慶学園(東京都江戸川区)
cimg7183
 5 本天沼3丁目=株式会社テンダーラビングケアサービス(東京都中央区)
cimg7184

 6 成田西3丁目=株式会社コスモズ(東京都小金井市)
cimg7185
 7 井草4丁目=株式会社ピノーコーポレーション(東京都杉並区高円寺南
cimg7186
 選定経緯について追って取材して報告したい。

自民推薦の都知事落選候補・増田寛也氏が杉並区に「再就職」/週1回数時間で月額35万円のボッタクリ

 自民党推薦で都知事選に出馬、落選した増田寛也氏(建設省出身、元総務大臣、元岩手県知事、元東京電力社外取締役)が9月1日付で杉並区非常勤顧問に「再就職」した。非常勤職員条例を同日付で変更し、顧問ポスト(まちひと仕事創生総合戦略担当)を増設、同じ日に増田氏を雇用するという手際のよさだ。一方、新設された顧問職の仕事内容については、担当の文化交流課によれば、職務の内容を明文化したものはないという。ずさんきわまりない。

 増田氏に税金でカネを払うことそのものが目的である疑いは限りなく濃厚だ。

 非常勤でありながら月額35万円という杉並区の非常勤職員のなかではもっとも高額の待遇である。選管委員長や非常勤監査委員(識見委員)の30万3000円よりもはるかに高い。

異常に高額の報酬支給についても違法性を問う余地がたぶんにある。

 増田氏の選挙を田中良区長は公然と応援していたが、http://miyakekatuhisa.sakura.ne.jp/wp2/archives/1630
落選後の仕事まで公金で世話をするというのは公私混同もはなはだしいといわざるを得ない。

ブラジル・ルセフ大統領罷免は「クーデター」/キューバ政府声明

 ブラジルのルセフ大統領が汚職に関与したなどとして弾劾され失職した。これに対してルセフ大統領や支持政党である労働党は、手続きが違法であり、汚職の事実もないとして新自由主義者たちによる「クーデタ」だと抗議の声をあげている。
 こうした動きを受けてキューバ政府は31日、ルセフ大統領を全面支持する声明を発表した。国営プレンサラティナから抄訳して紹介したい。

http://prensa-latina.cu/index.php?o=rn&id=23264&SEO=declaracion-del-gobierno-cubano-rechaza-golpe-contra-dilma-rousseff

La Habana, 31 ago (PL) El Gobierno de Cuba rechazó hoy enérgicamente el golpe de Estado parlamentario-judicial contra la presidenta de Brasil, Dilma Rousseff, lo que calificó como acto de desacato a la voluntad soberana del pueblo del país sudamericano.

[Prensa Latina]

Declaración del Gobierno cubano rechaza golpe contra Dilma Rousseff

La Habana, 31 ago (PL)

 ルセフ大統領に対するクーデタをキューバ政府否定

【8月31日ハバナ】プレンサラティナ(PL)

 キューバ政府は本日、ブラジルのルセフ大統領に対する議会と司法によるクーデターについて、南米のこの国の人民の自由意思と主権を侮辱する行為とみなして、強くこれを否定する。

 プレンサラティナは、カリブの国の政府(キューバ)の声明を以下のとおり全文紹介する。
==
 キューバ革命政府の声明

 キューバ政府は、ブラジルのルセフ大統領に対する議会と司法によるクーデターについて、強くこれを否定する。

 ルセフ大統領の追放は、彼女はもちろん、彼女とともにある労働党(PT)やほかの左翼政治勢力政党についても、腐敗や犯罪に関する証拠がなにもないなかでなされたもので、同大統領を選んだ人民の自由意思を侮辱する行為である。

 ルイス=イグナシオ=ルラ=ダシルバ(ルラ前大統領)とディルマ=ルセフ大統領の政権の間、社会経済改革が進められ、ブラジルは、天然資源を保全し、労働世代を守り、貧困と闘った。3500万人のブラジル人が非人間的な環境で生活している問題の解決や、別の4000万人の収入を増やすという問題の解決、教育や医療制度の拡大、そのほかの様々な問題に取り組んだ。

 今日までブラジルは、ラテンアメリカとカリブ諸国の統合に向けて積極的に活動してきた。ALCA(米州自由貿易合意)を解消し、CALC(ラテンアメリカ・カリブ統合発展サミット)を呼びかけ、後のCELAC(ラテンアメリカ・カリブ共同体)に発展させた。UNASUR(南米諸国連合)を設立した。これらは歴史上画期的な事件であり、ブラジルはその主役だった。

 第三世界−−特にアフリカにむけた取り組みについてみても国際的な指導力を発揮している。BRICSグループ(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)、国連、FAO(国連食糧農業機関)、OMC(世界貿易機関)などの取り組みである。

 ブラジル労働党政権下ではまた、国際的な重大事項−−平和を守る、経済発展、環境、飢餓対策ーーについても賞賛に値する取り組みがなされた。

 ルラ、ディルマ両大統領が、政治システムを改革し、政党や選挙運動への助成を命じた。同時に腐敗に対しても調査を行った。

 現在権力を行使している勢力は、深海の石油資源を民営化し、一方で社会保障計画を切り捨てることを明言している。外国の巨大な権力と特権的な関係をつくるという外交をやると宣言している。ルセフ大統領を裁いた少なからぬ者たちは、腐敗行為について調査を受けていた。

 ブラジルで起きていることは形をかえた帝国主義の攻撃である。ラテンアメリカ・カリブ地域の革命政府と進歩主義者に対する寡占支配の攻撃である。2014年1月のハバナにおける第二回ラテンアメリカ・カリブ共同体サミット(ハバナ)で「ラテンアメリカ・カリブ海諸国平和地帯宣言」が調印されたが、この精神に反して各国の安定性を損ない平和を脅かすものである。
  
 キューバはディルマ大統領と同士ルラに連帯を表明する。そしてこれまでに達成してきた社会改革をブラジル人民が守り、天然資源を奪って新自由主義政策を敷こうとする動きに反対するものと信じている。

2016年8月31日、ハバナ市