原爆と伊方と三菱商事元社員の愛媛県知事

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愛媛県の伊方原発3号機が12日再稼働した。再稼働は、元三菱商事社員・中村時広知事の承認が決定的となった。三菱商事は原発輸出の中心企業である。安倍晋三首相の兄が在籍する企業でもある。伊方原発は三菱重工がウエスチングハウス社(現東芝)のライセンスを得て組み立てた。四国地方の電気は原発がなくても足りている。再稼働の目的が「電気」ではないことは明らかだ。つまり四電と関連企業のカネもうけのためでしかない。一部のものたちがカネもうけをするためならどんな大惨事がおきても構わない。そういう限りなく無責任な行政を中村知事は強行したことになる。

 伊方原発の危険性についてはすでに多くの指摘がなされている。佐田岬半島は日本列島最大の断層といわれる中央構造線の真上かそのごく近くにある。熊本大地震とその関連地震、九州の火山活動活発化をみれば、中央構造線付近でちかく大地震がおきる可能性が高くなっていることは素人でも理解できる。大地震が起きれば伊方原発はたちまち放射能大放出の事故にみまわれることだろう。そして影響を受ける住民がみな安全に避難することなど不可能にちかい。現地を訪れた人なら直感でわかるはずだ。

 細長く山がちの半島は、地震で各所が崩壊し、車が走れなくなる。通行できたとしても1本道ゆえに渋滞は必至だ。海路も港が崩れれば船がつけない。原発の事故対応のために車をちかづけることすら困難になるだろう。

 はっきりいえば、事故が起きれば住民は見殺しにすることを前提にした再稼働である。

 71年前、「日本は戦争に勝つ」という政府の宣伝を多くの国民が信じていた。そしてそれまでまったく空襲のなかった広島・長崎に原爆が落とされ、一瞬にして地獄絵図と化した。いま、五輪で国民がテレビに釘付けになっている間に亡国の原発再稼働がなされている。いつ大事故がおきるかわからないのに新聞・テレビは日本選手の活躍にうかれている。10分後に襲ってくるかもしれない地獄絵図を想像させる報道はない。そして自分たちが「見殺しにされる側」にいることを自覚している人がそれほど多いとも思えない。

 奇妙な社会だとつくづく思う。