「ビーチバレーコート関連予算の内訳不開示は違法」と杉並区を提訴

 旧南永福小学校後を改修して区立体育館やビーチバレーコートにする工事が、区民の意向を無視して強引に進められている。その予算13億円の内訳を示した書類が「契約前」を理由に不開示になっているのは違法であるとして、不開示処分の取り消しを求める訴訟を、1日、杉並区(区教育委員会)を相手どり東京地裁に起こした。

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写真:問題の予算見積書(一部)

 事件番号は、東京地裁・平成28年行ウ352号
 訴状を以下紹介する。

 訴    状

東京地方裁判所御中

            原告 三宅勝久

            被告 杉並区(代表者・杉並区教育委員会)

公文書不開示決定処分取消事件

訴訟物の価格 算定不能
貼付印紙額 13000円
郵券代    6000円

請求の趣旨
1 被告杉並区が、原告に対して、2016年7月14日「28情第53号」可否決定通知書で行った公文書一部開示処分決定のうち不開示とした部分をすべて取り消す。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
 との判決を求める。

請求の理由
第1 当事者
 1 原告は杉並区住民であり、被告に対して杉並区情報公開条例にもとづく公文書公開請求を行い、一部不開示決定処分(28情第53号)を受けたものである。
 2 被告・杉並区は杉並区情報公開条例第2条に定める実施機関である。

第2 処分の存在および処分理由
1 原告は2016年6月30日杉並区情報公開条例にもとづいて、
①「歳出予算事業別見積書における28年度永福体育館の移転改修の工事費内訳」
②「29年度債務負担額の内訳がわかる文書」
 の開示請求を行った。(甲1)

2 実施機関の決定
 2016年7月14日、実施機関は対象文書を
①「平成28年度歳出予算事業別見積書/所属:スポーツ振興課 事業:永福体育館の移転改修 執行項目:改修工事」
②「平成28年度債務負担行為見積書/事業名:永福体育館の移転改修」
 と特定したうえで、杉並区情報公開条例第6条第1項第4号(行政執行情報)に該当する情報であることを理由に、一部金額部分を不開示とする一部公開決定処分を行った。(甲1~4)
 すなわち被告のいう不開示理由とは次のとおりである。
「非公開とした工事ごとの金額等については、入札・契約に関する情報であって、請求日において公表していない予定価格が推定され得るものなので、公開することにより、当該事務の公正又は適切な執行を著しく困難にするおそれのあるものなので、杉並区情報公開条例第6条第1項第4号(行政執行情報)に該当し、できません」(甲1)

3 本件決定処分の違法性
 しかしながら、上記一部公開決定処分は以下の理由から違法である。
 
 本件対象公文書は、杉並区における2016年度(平成28年度)予算要求と議会審議における説明を目的として被告らが作成した。杉並区情報公開条例第1条は「情報の公開を求める区民の権利と、区が区政に関し区民に説明する責務とを明らかにするとともに、情報の公開に関し必要な事項を定めることにより、区民の知る権利を保障し、もつて区民の区政への参加を推進し、地方自治の本旨に即した、公正で開かれた区政の進展を図ることを目的とする」とうたっているところ、同条例の趣旨に沿い、すみやかにすべて開示されるのが当然である。
 被告は本件文書に記載された工事費などの金額が入札・契約に関する情報であると述べている。しかし、文書が被告によって作成されたのは予算通過前という入札・契約手続きが開始される以前である。したがって、そこに記載された金額が入札・契約に関する情報だとはいえない。入札・契約事務の公正又は適正な執行を著しく困難にするおそれも存在しない。

 また、本件公文書に記載された各金額は、事業者が作成した見積り額に被告らが査定を加えた内容であると推認され、かつ「建築工事」「電機設備工事」「機械設備工事」「昇降機設備工事」「解体工事」「永福体育館解体改修工事」「工事監理」など工事種目別の合計額にすぎない。これらの各合計金額を公にしたとしても個別の見積りの価格情報や単価設定の方法等が具体的にわかるなどして予定価格が推定されることはない。

4 結論
 以上の理由から、本件一部開示決定処分は違法であることは明白である。不開示部分はすべて開示すべきである。

以上