杉並区が選挙公報を大量廃棄か/阿佐ヶ谷駅スタンド「公報」撤去疑惑

 杉並区選挙管理委員会が低投票率になるよう操作しているのではないか――そう疑わざるを得ない事実が発覚した。

 阿佐ヶ谷駅構内の杉並区の広報スタンドに昨夜まで大量にあった都知事選の選挙公報が、きょう投票日の朝になって突如一部もなくなり、8月1日付杉並区広報紙にすべて置きかわっていた問題で、スタンドを管理する杉並区広報課(山田隆史課長)は電話取材に応じ、「きょうは委託業者と連絡がつかない。回収したかどうかはわからない」として、回収し、事実上廃棄した可能性があることを認めた。

 そのうえで「広報スタンドは広報課のものだから選挙公報よりも広報誌が優先される。広報誌のために選挙公報の撤去もあり得る」との驚愕すべき見解を明らかにした。

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写真:昨夜(30日)まであった選挙公報が1部もなくなり、広報すぎなみ8月1日号におきかわった阿佐ヶ谷駅の杉並区広報スタンド(31日午前9時ごろ)

 同課職員の説明によれば、8月1日付『広報すぎなみ』を駅頭の広報スタンドに配布するよう(財)杉並区シルバー人材センターに依頼し、印刷物を届けたのは木曜日(28日)。「発行日の前日(31日)か当日(8月1日)に配布してほしい」と頼んだ。その際、すでにある配布物の撤去もあり得るとの認識で、選挙公報が撤去されることも想定内だったという。

 阿佐ヶ谷駅の広報スタンドには、昨夜9時ごろの段階でざっと100部程度の選挙広報があったが、けさ9時には1部もなくなり、かわりに8月1日付広報が詰め込まれていた。選挙公報は委託業者によって回収された可能性が高い。

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写真:阿佐ヶ谷駅前の杉並区広報スタンドに置かれた選挙広報(30日夜)

 この点をただすと、広報課職員は「選挙公報を撤去したかどうかは委託業者に聞かないとわからない。きょうは休日なので連絡がつかない。仮に撤去しても問題ではない。広報スタンドは広報誌のためのものである」などと説明。「選挙公報は杉並区の広報よりも優先されるべきではないか」と意見を述べたところ、「それは三宅さんの意見ですよね」と、選挙公報よりも杉並区広報のほうが大事であるとの見解が返ってきた。

 広報課はさらに、選挙公報を補充する(させる)つもりはない、と説明したが、阿佐ヶ谷駅の広報スタンドに関するかぎり、午前11時までに広報すぎなみがいったん回収され、選挙公報が置かれている。ほかの広報スタンドについては確認がとれていない。

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写真:筆者が指摘したのち、ふたたび阿佐ヶ谷駅広報スタンドに配布された選挙公報。(31日午前11時)

杉並区庁舎都知事選垂れ幕不掲示問題/「手配間に合わなかった」と選管

 杉並区庁舎南壁面に設置された垂れ幕設備(懸垂幕)に東京都知事選挙(31日)の投票をよびかける垂れ幕が設置されていない問題で、選挙管理委員会の石田幸男次長は31日、筆者の電話取材に応じ「手配が間に合わなかった」と釈明した。

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 石田次長は、「急きょ都知事選が行われたために手配が間に合わず、見合わせた。代わりに小さなノボリ旗を作製した」と述べた。だがノボリ旗の数を聞くと、先日行われた参議院選挙(懸垂幕は設置された)と同規模で、特に増やすなどはしなかったことが明らかになった。

 また、参議院選の際には、大学等で投票呼びかけのガムを配布したが、それも今回は見合わせたという。時間的に無理だと判断したと次長は説明している。

 東京都知事選は、前回(2014年2月)も猪瀬直樹知事が金銭スキャンダルで辞任し、急きょ行われた。その際に懸垂幕が作られたどうか尋ねたところ、「今日は選挙事務で忙しい、回答は月曜日にしてほしい」と石田次長は回答した。選管関係の職員全員が出勤しているのだろうからすぐにわかりそうなものだが、次長はかたくなに回答を拒んだ。

 田中区長は自公推薦候補の応援を公然とやっていた。投票率が下がると組織票に頼っている自公が有利だと言われている。選管幹部の人事は区長の意向を反映する。消極的な選挙啓発が意図的になされているのではないか。そんな疑いが、やはりぬぐいがたい。