高投票率で非自民勝利の傾向くっきり/最高は長野県の62・86%、最低は徳島県46・86%

 国民生活に重大な悪影響のある「憲法改正」(実態は憲法廃止)を隠れ争点とした参議院選挙は、「改憲勢力3分の2」確保という結果となった。こんご、安倍自民・公明政権が憲法破壊に向けて進むおそれが強くなった。この政治に不安と疑問があり、自分の生活を守りたいと願うのであれば、同じ問題意識のある者同士が協力し、知恵をしぼり、抵抗するほかに道はない。

 野党共闘の実現と無関心層の自覚のはじまりという点で、今回の選挙は新しい政治風景が生まれた。そして着実に成果が現れている。青森、岩手、山形、福島、宮城、新潟、長野、山梨、三重、大分、沖縄ー32ある1人区のうち11区で野党共闘候補が自公候補を破った。この意味は大きい。また鹿児島県知事選でも原発推進派の現職伊藤祐一郎候補に対して、反原発を掲げる三反園訓候補が1万票以上の差をつけて勝った。

 東京選挙区では、本誌は新しい政治運動のはじまりとして三宅洋平候補に注目していた。当選にはおよばなかったものの、すくなからぬ無関心層を政治的にめざめさせた功績は大きい。

 蓮舫、山添拓両氏の当選は想定内としても、小川敏夫候補の当選、生活の党と山本太郎の青木愛候補の比例当選の意味も大きい。三宅現象が後押ししたことはまちがいない。大メディアがことごとく無視をし、企業のヒモツキでもない候補が、市民の草の根で議席を得たのであり、いわゆる99%が手をつなげば大きな力になることを実証した。

 貴重な成功体験である。

 国民・市民生活を脅かしながら1%の利益をどこまでも追及する安倍自公政権に対して、抗う市民の行動が次第に形となって現れている。「3分の2」という総合的な結果だけをみるべきではない。

 興味深いのは投票率である。大新聞・大テレビをつかった投票率を下げるための情報キャンペーンが意図的になされた。そういってよいだろう。加えて、選挙管理委員会までもが投票率低下工作に加担した可能性も否定できない。杉並区の場合、いつもは設置している投票日を知らせる大看板が今回はなかった。阿佐ケ谷駅前から区庁舎に至るもっとも賑やかな一帯に投票日を知らせる掲示が皆無だった(候補者ポスター掲示場のみ)。投票呼びかけの街宣車の姿や音を一度も確認することができなかった。投票を呼びかけるのぼり旗が区庁舎前に出されておらず、指摘したのちも1時間以上にわたって「担当者がいない」「どこに保管しているのかわからない」などとして対応がなされなかった。

 異常な状況である。選挙管理委員のうち2人は元自公の杉並区議だった。組織票依存度のたかい自公は低投票率を願っていた。その意向を受けて選管が意図的に宣伝を控えた疑いはぬぐいきれない。

 他選管の選挙宣伝状況は不明だが、すくなくとも選挙をしらけさせる大メディアの報道の影響があったことは明らかである。結果、全国の投票率は54・70%。3年前の前回参議院よりも2%程度上回ったとはいえ、低いことにかわりはない。4000万人〜5000万人が棄権した可能性がある。

 しかし、高い投票率の選挙区もある。最高は長野だ。62・86%。そして自公に対抗する候補が勝利している。59%の新潟も同様。以下、非自公が勝った選挙区をみると、福島57・12%、青森55・31%、岩手57・78%、山梨58・83%、三重59・75%、大分58・38%と軒並み平均をうわまわっている。平均以下で非自公が勝っているのは宮城(52.39%)と沖縄(54・46)だけだ。

 投票率を下げようとする「沈黙作戦」にどう対抗するのか、さらなる知恵をしぼる必要がある。