舛添都知事の政治資金問題騒ぎと参議院選挙

 国会が閉会し、参議院選挙がはじまった。6月22日公示、7月10日投票。原発、TPP、戦争法制、憲法破壊ーーという日本を、日本市民を、米国や米軍、米国を中心とする金融資本の奴隷状態にすることに邁進する安倍暴走ウソツキ政権に対して「否」の意思を突きつけるべき、まさに重大なときである。

 ときに舛添要一都知事の金権スキャンダルがマスコミを騒がせている。テレビを中心に「やめろ」「やめろ」の大合唱である。6月1日から都議会がはじまる。「舛添やめろ」キャンペーンはいっそう盛り上がるだろう。

 この光景にわたしは不審を禁じ得ない。今回問題になっている舛添氏の金権問題は、2年前の都知事選のときにすでに一部が明るみになっていた。

http://www.mynewsjapan.com/reports/1980

 ところが、しんぶん赤旗やマイニュースジャパン、週刊金曜日をのぞいて、大マスコミは完全に黙殺した。もし、今回のような大批判報道がなされていれば、舛添氏の当選はなかった可能性が高い。

 なぜ2年前に沈黙していた大メディアがいまになって騒ぐのか。しかも日本の岐路にとって重大な意味をもつ参院選にぶつけてきたのか。

 参院選をしらけさせるための仕掛けではないか。背景にそんな「意図」を疑いたくなるのである。

 2年前の選挙で舛添氏を強烈に応援したのは自公と連合だった。銀座では、安倍晋三首相みずから舛添候補の脇にたって応援した。その選挙中にすでに金権問題は表にでていた。つまり、安倍自民党は舛添氏の問題を知りながら応援した。

 だから今回の舛添氏批判の延長に、当然、舛添氏の当選に力を貸した者の責任追及があってしかるべきだ。ところが現在のところ、マスコミの舛添叩きにはそれがない。舛添だけを叩いて「やめろ」といっている。

 テレビはスポンサーに敏感だ。テレビが騒ぐということは、広告を仕切る「電通」が、舛添はいくら叩いてもよい、どんどん叩いて視聴率を稼げ、とばかり青信号を出しているという可能性はないだろうか。

 同じ重大な金銭疑惑である甘利明氏や五輪招致買収疑惑と比べれば、その違いは歴然としている。一時騒いだだけで、「やめろ」「国会に出てこい」「逮捕しろ」などといった追及にはなっていない。

 こちらも確実に視聴率がとれるネタであるにもかかわらずやらない。スポンサー側、おそらく電通から「赤信号」か「黄信号」が出ているのだろうと想像したくなる。

 7月10日の参院選投票までマスコミは舛添問題を叩きつづけるだろう。その意図が、選挙をしらけさせ、自公を勝たせることにあるのかどうかは、舛添を当選させた自公の責任を問う報道が今後でてくるのか、それとも舛添氏だけを叩きつづけて自公の罪は黙殺するのか、注意ぶかく観察すれば判断できるであろう。

日本はなぜ「戦争のできる国」になったのか

CIMG0413 新宿・紀伊國屋書店に立ち寄った際、矢部宏浩著『日本はなぜ戦争のできる国」になったのか』(集英社インターナショナル刊、1200円)という本が目にとまり、買って一気に読んだ。

 そして打ちのめされたような気持ちに襲われた。日本という社会が、私もふくめた日本市民というのが、とことんアメリカ(軍)の支配に置かれている。その現実をまざまざと見せつけられた思いである。

 表向きこそ独立国であり、民主的な社会のようにみえても、じつはそうではない。数々の密約によって憲法も法も超えた力が支配している。日米合同委員会という米軍幹部と日本の官僚らによる密室会議で日本の根幹にかかわることがきめられている。

 ある程度は想像していたものの、その動かしがたい数々の証拠を、矢部氏の著書は詳細に浮き彫りにしている。

 自衛隊というのは米軍の指揮下でしか動けない。米軍の一部、あるいは米軍の傭兵なのだ。裁判所もアメリカが支配しているのとかわらない。仮に将来、憲法が破壊され、自由が失われ、いやおうなく戦争に刈り出されるようになったとしても、その戦争はアメリカの侵略戦争であり、民主社会の破壊も支配者アメリカの望みということになる。

 これではほとんど奴隷ではないか。

 独立などしていないのに、独立国のように振舞っていた。日本社会に蔓延する暗さと自信のなさは、そこに原因があったのか。

 わたしはそう考え、力が抜けるような気がした。

しかしこの厳しい現実のなかで生きるほかない。道はふたつ。奴隷の身に甘んじるか、それとも脱出をはかるのか。将来のために知恵をしぼり、たたかうのか。

 ノームチョムスキー氏が警告するように、核戦争と気象変動によって人類はかつてない生存の危機に直面している。日本がアメリカ軍の手先となり、あるいは一部となって戦争をすることで、大規模核戦争に発展して、人類を破滅に追いやるかもしれない。ことは日本だけの話ではない。

 参院選が近づいている。有権者の責任は大きい。米軍とアメリカの傀儡政権に対峙する独立のためのたたかいであると同時に、人類を救うたたかいでもある。