政治資金問題を黙殺して舛添氏を都知事に当選させた者たち

 毎日新聞が29日付で報道したところでは、世論調査の結果、舛添要一東京都知事が「辞任すべきだ」との回答は全国で77%、東京都内で81%にのぼったという。
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<本社世論調査>「舛添氏辞任を」77%

 今回の全国世論調査で、東京都の舛添要一知事の政治資金問題について尋ねたところ、舛添氏が「辞任すべきだ」が77%に上り、「辞任する必要はない」は13%だった。都知事選では自民、公明両党が舛添氏を支援したが、「辞任すべきだ」は自民支持層で81%、公明支持層でも6割を超えた。東京都内では81%が「辞任すべきだ」と答えた。
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「世論」というものがいかに大マスコミの報道の仕方によって左右されるか、言い方を変えれば、マスコミが「世論」を作り、その「世論」によって重大な政治決定がなされているか、このニュースに接して痛感する。

 舛添氏の政治資金に重大な問題があるということは、すでに2年前の都知事選の際にわかっていた。筆者は「しんぶん赤旗」の報道で知り、それを端緒に、裏付け取材や周辺取材を行って、さらにほりこんだ記事を『週刊金曜日』や『マイニュースジャパン』に書いた。
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http://www.mynewsjapan.com/reports/1980
【政党交付金から身内会社「マス研」に家賃3000万円環流 舛添要一都知事候補のモラルなき吸「血税」ぶり】

03:10 02/07 2014
三宅勝久

 原発推進を掲げる安倍自民党政権と電力会社など大企業の御用組合「連合」の後押しを受けて東京都知事選に立候補している舛添要一・元厚労相が、自身が代表をする政党支部に自宅を貸した格好にして、多額の政党交付金を家族経営の株式会社「舛添政治経済研究所」(以下マス研という)に還流させていたことがわかった。マス研に流し込まれた税金は3000万円以上にのぼる。また、1999年の都知事選に立候補した際には、自ら支部長をする自民党支部から政党交付金2300万円を自分自身に「寄付」させ、選挙運動に費やしていたこともわかった。生活保護基準の切り下げに血道をあげた元厚労相による血税へのタカりぶりは、目を覆うばかりだ。(政治資金収支報告書や登記簿謄本など証拠書類はPDFダウンロード可)

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 憲法無視の暴走をはじめた安倍政権を前に、政治を主権者の側に取り戻すことができるか、それとも安倍政権の暴走がさらに加速するか、そういう意味をもった重要な選挙だった。自公政権の暴走を止めてほしいと願う筆者は、舛添氏の政治資金問題を全国紙やテレビ局がとりあげてくれることを望んだ。

 しかし、大新聞・テレビはことごとく無視をした。そして舛添氏が当選した。

 もし、政治資金の問題が大メディアで報じられていたら落選した可能性は小さくない。つまり、窮地にたたされた舛添氏を救ったのは大メディアだったのだ。
 
 さて、今回の舛添批判の大合唱である。遅すぎる感はあってもやらないよりはマシだ。メディア各社が報道合戦をすることで、普段はなかなかでてこないような細部の話もでてくる。

 しかし、今回の舛添批判報道に欠けているものがある。彼を都知事にした者たちに対する批判である。
 
 舛添氏の政治資金問題というのはすでに投票前に発覚していた。選挙で応援した安倍自民党や山口公明党、連合はそのことを十分に知っていたはずだ。しかし黙殺した。自公や連合の責任は重大であって、当然批判されてしかるべきだ。

 しかしそんな報道は皆無である。舛添氏を批判する自民党議員の声を紹介する始末だ。

 この整合性のなさ、無責任報道ぶりは、奇妙ですらある。
 
 不正なこと、不当なことがあっても、大メディアによって報じられる場合とそうでない場合がある。そして報じられればニュースとなり、報じられなければ何もなかったことになる。そういう恣意的な「報道」によって国民・住民の意思合意がなされ、選挙を決定づけたり、政策決定がされている。

 ーーそんな様が目にうかぶ。「舛添問題」は、この国の「支配者」がだれか、考える上で格好の機会である。