東京五輪買収疑惑/ガーディアン紙報道の翻訳

 2020年五輪の東京開催が賄賂によって買収された疑惑が英国ガーディアン紙のスクープによって持ち上がっている。日本の大メディアは、同紙報道のごく一部しか伝えていない。「電通」が深く関与していることと無関係ではあるまい。

 つたない訳で恐縮であるが翻訳して掲載したい。まちがい等あればご教授ねがいたい。 
(随時修正しています)
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https://www.theguardian.com/sport/2016/may/11/tokyo-olympics-payment-diack-2020-games

ガーディアン紙 

【2020年東京オリンピック招致めぐり疑惑浮上/秘密口座に130万ユーロ(約1・6億円)送金】

(追記)報道によれば、JOCの竹田恒和会長は13日、招致委は280万シンガポールドル(2・2億円)を2013年7月と10月に問題の秘密口座に送金したという。投票はただし正当な業務の対価であると説明しているという。

オーウェン=ギブソン
2016年5月11日(BST)

 2020年オリンピックの東京開催が決定した過程で、(汚職の)不名誉をもつ前世界陸上競技連盟(IAAF)会長・ラミン=ディアク(LamineDiack)氏の息子マサッタ=ディアク氏(Papa Massatta Diack)と関係のある口座に東京五輪招致団体が100万ユーロの単位のカネを支払っていたという事実をガーディアンはつかんだ。

 疑惑の支払いは130万ユーロ(100万ポンド、約1・6億円)。現在フランス警察が捜査中である。オリンピックの開催地争いと父ディアク氏の関係についてあきらかにするようIOCに対してさらに圧力が高まるのは必至だ。そして、2013年の五輪開催地の東京決定にも重大な疑問を呈することになった。

 2002年のソルトレイク冬季五輪の賄賂事件をきっかけに改革を行い、開催地選考過程の信頼性につとめてきたIOCだけに、票が買収されたのではないかという今回の疑惑による動揺は巨大なものになるだろう。

 父ディアク氏は1999年から2013年までIOCの委員だった。2014年に名誉委員となったが、ロシア選手のドーピング陽性を隠蔽した見返りに100万(ユーロ)以上の賄賂を受け取ったとして訴追され、昨年(2015年)11月、国際陸上競技連盟(IAAF)会長を辞任した。フランス検察当局が陸上競技運営体の腐敗について捜査している。父ディアク氏は、現在フランスからの出国を禁止されている。

kozu

 今年3月、ガーディアン紙は、フランス当局の捜査対象が、2016年と2020年のオリンピック開催地選考にまで広がっていることをつかんだ。

 現在わかっていることは、合計130万ユーロが東京五輪招致団体からシンガポールにあるブラック=タイディングス社(Black Tidings、訳者注:ペーパーカンパニーだと報じられている)の秘密口座に直接送金された。口座は父ディアク氏の息子であるパパ=マサッタ=ディアク氏(Papa Massata Diack)と関連がある。マサッタ=ディアク氏は「マーケティングコンサルタント」としてIAAF(国際陸上競技連盟)に雇用されている。
  
 父ディアク氏は1999年からIAAFの会長をしていたが、2013年に東京がライバル立候補地のマドリッドとイスタンブールをやぶった当時、影響力のあるIOCの委員だった。

 ブラック=タイディングス社は、10年以上にわたるIAAFの構造的腐敗の核心である。

 世界反薬物(アンチドーピング)機関(WADA)によって行われた独立調査の報告書が1月に発表された。

●WADA報告書1
https://wada-main-prod.s3.amazonaws.com/resources/files/wada_independent_commission_report_1_en.pdf
●WADA報告書2
https://wada-main-prod.s3.amazonaws.com/resources/files/wada_independent_commission_report_2_2016_en_rev.pdf

(訳者注)WADA報告書#2の34頁(PDFの40頁)脚注に東京五輪の関連について触れた部分がある。

 そこには、父ディアク氏と彼の「IAAFマーケティングコンサルタント」の息子たち――マサッタとカリル氏(Khalil)が、弁護士ハビブ=シセ氏(Habib Cisse)と協力して、違法で非正規の方法でIAAFを運営してきた様が書かれている。

 2017年世界陸上競技大会の開催地選考の際、そして2020年五輪開催地選考の際、立候補していたカタールに対して、マサッタ氏が500万ユーロを要求した疑惑を、ガーディアン紙はすでに報じた。マサッタ氏は、マーケティング部門のパートナー企業「電通」との合意により、後援をめぐる市場開拓について白紙委任状態にあった。

 またガーディアン紙はことし1月、2016年五輪にドーハ(カタール)が立候補した2008年当時、IOCの6人の有力委員に「小包」を同時に送るという手口に、マサッタ氏が明らかに関与している事実を暴露した。

 今回の事実暴露はIOCと五輪運動にとってもっともやっかいなものだろう。トーマス=バック委員長は、ほかの問題あるスポーツ団体――IAAFやFIFAに対して、IOCは選考過程に信頼性があるのだと繰り返し訴えてきたのだ。

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