安倍首相がオバマ大統領に「原爆投下を謝ってほしい」と要求できないわけ

 オバマ大統領が月末に広島を訪問すると報じられている。そして原爆投下について謝罪しない方針だともつたえられている。ブルームバークの報道によれば、〈ベン・ローズ米大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)はミディアム・ドット・コムへの投稿で、「第2次大戦の終わりにおける原爆使用の決定についてオバマ大統領が振り返ることはない」とし、「そうではなく、日米共通の未来に焦点を合わせた前向きな展望を示す」と記した。〉とのことである。

 そして安倍晋三首相も謝罪を求める意思はなさそうだ。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の拉致問題でみせているような強い姿勢は、ここにはまったくみられない。また、南京大虐殺や「従軍慰安婦」問題をはじめとする大日本帝国政府の侵略戦争による被害を矮小化することに傾けている情熱も、こと原爆被害についてはまったくない。

 こうした状況を観察していると、やはり安倍政権、日本の伝統的な権力構造といったほうがよいかもしれない、が米国の傀儡であると確信せざるをえない。侵略戦争に突き進んだ大日本帝国政府・軍とその支援者たちは、アメリカを中心とする連合軍に完敗した。そしてアメリカに全面協力することと引き換えに延命をはかり、こんにちに至っている。大日本帝国政府が行った侵略戦争の罪を免責してもらうかわりにアメリカに対していっさいモノを言うことをやめてしまったということではないか。

 オバマ大統領は歴代大統領のなかでも突出して核開発に前のめりだといわれる。B61という小型核爆弾の改良にも取り組み、F15戦闘機からの投下実験まで行った。https://www.youtube.com/watch?v=FBm74WiCL1g
http://www.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_520.html

 北朝鮮政府は、アメリカが核を使用する脅威を現実に感じているはずだ。一方の米国は、北の「核の脅威」を口実に核を使いたいのだろう。日本政府が仮に「独立」した主権国家であれば、オバマ大統領に「核開発をやめたらどうか」「核戦争を起こすつもりか」と忠告できるはずだ。そうしなければ、日本社会の安全がおびやかされるからである。

また「独立」した主権国家なら、なにより米軍基地が日本中を埋め尽くす状況などありえない。

 独立した立場で米国の核開発をいさめるいっぽうで、北朝鮮に対しても核開発の中止を求め、朝鮮戦争の終結にむけた交渉の仲介役を買って出る。むろん中国に対しても核開発の中止をよびかける。そうした働きかけをする大前提として、前史である日本の侵略について調査・謝罪・賠償を行わねばならない。

 そして当然のごとく、原爆被害や空襲被害についてもアメリカ政府に賠償を求めていくことになる。
 
 こういう行動が、大方の日本住民や他国の人たちがもっとも幸福になる方法、すなわち戦乱のない平和な暮らしを得る近道だろう。

 こうした仮説がまるで夢ものがたりのようにしか聞こえないとすれば、それ自体が日本が米国の属国であることのなによりの証拠にちがいない。まるで奴隷のごとく大日本帝国の侵略戦争に加担させられ、しぼりとられ、傷めつけられた末に、米国の下僕となった傀儡政権によって、引き続きアメリカの戦争に利用され、苦しめられつづけている。
 
 杉並区は「核兵器がなくなることを願」った平和都市宣言を行っている。しかし、いくら願っても日本に原爆を落としたアメリカ自身の現在進行形の核開発にモノが言えないのであれば、もはや撤回したも同然だ。大虐殺をされながら一言も文句のいえない情けない社会になってしまった。

 自分の犯罪に目をつむってもらったみかえりとして、自分の家族を皆殺しにされたことにはいっさい文句をいわず、ひたすらボスのいいなりになる。それがいまの日本の姿ではないか。憲法破壊しかり、アメリカの戦争への自衛隊投入しかり、TPPしかり。

 南京大虐殺や「従軍慰安婦」の否認と原爆や大空襲被害に対する沈黙は表裏一体の行動といえる。

 とても暗い状況ではあるが、現実を虚飾なく認識することからしか出口への道のりははじまらない。

〈お知らせ〉

5月11日(水)TPP協定を批准させない!水曜日行動

http://tpp.jimdo.com/2016/05/11/hijunsoshi/
17時30分~18時30分
衆議院第2議員会館・多目的会議室
「TPPを批准させない 5.11院内集会
-TPPを参議院選挙の一大争点にするために」

19時00分~20時00分
「国会議員会館前抗議行動」
衆議院第2議員会館前