普天間移設虚偽文書問題/川内博史・元衆議院議員の報告(2016年3月18日、文京シビックセンター)


 海兵隊施設とヘリコプター基地との距離が65海里(約120キロメートル)以内でなければなならないと米軍のマニュアルにある、などといった事実無根の説明を、出所不明の機密文書を根拠にして、2010年4月19日、外務・防衛官僚が当時の鳩山由紀夫首相に行ったとされる問題は、日本国家の民主政治を根幹から揺るがす重大な疑惑であるにもかかわらず、さほどおおきな社会問題になっていない。

 2月に朝日新聞などが報じていたようだが、本誌記者は不注意で見落としていた。読者におわびしたい。しかし、普通にニュースをながめていては気づかない程度の報じられかたしかなされていないのも事実である。巨人の清原氏の覚せい剤事件と、この65海里虚偽文書問題、どちらがよく知られているか。

 いうまでもなく清原事件である。

 清原氏は2月2日逮捕され、しばらくの間洪水のようなマスコミ報道がなされる。一方「65海里」を朝日新聞が報じたのは2月23日。後者のニュースをかき消すためにあえて清原事件をぶつけたのではないかと邪推したくなる。あり得ない話ではない。

 さまざま分野の専門家が集結する集会にいくと、みおとしていた重要なニュースや、重要であるにもかかわらずあえて積極的に報じられていないニュースを知ることができる。商業マスコミの情報操作による社会情勢把握の偏りを修正する格好の機会である。

 以下、18日の集会で内博史元衆議院議員が報告した発言内容を紹介したい。

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・・・歴代の総理で、この(沖縄)基地問題で、「(県内移設について)無理ですわ、そんなことできませんよ」と言ったただひとりの総理大臣が鳩山由紀夫さんです。沖縄だけでなく、日本全体の真の独立、真の自由のための国民全体の、ともに歩んでいく運動だったが、それがなぜ潰えたか。きょうこの場でしっかり共通認識をもたなければならない。

 2010年4月20日付朝日新聞「首相動静」にある19日の首相の行動は、3時29分川内博史。私です。これは30分くらいで終わりました。つぎが6時1分。空白の2時間になにがあったか。

 防衛省、外務省の官僚が鳩山さんに何を説明したか、どんな文書を渡したか、それがこれです。

 GE (写真)問題の文書(一部)

極秘の印、外務省安保課長、防衛省の防衛協力課長の名が明記されている。・・・米軍のヘリ基地と訓練場の間。米軍のマニュアルによれば65海里(120キロ)以内でなければならない。マニュアルに明記されているのだということが書いています。

 で鳩山先生と私が外務省に確認したところ、この文書の存在を今は確認することができない。首相官邸で22年4月19日、外務省から首相が説明を受けたその文書が、今は外務省の文書にはありませんと言っている。とんでもないことです。

 さらに、じゃいったい何なんですかということを聞くと、「当時の外務省、防衛省の関係者にヒアリングを行っているが、現時点において不適切な行為行動があったとは考えられない」と言っている。

 ということは、この文書は鳩山総理が外務省・防衛省の人間をかたる人間が、外務省・防衛省のあたかも文書であるかのように首相官邸に持ち込んで説明した、65海里ーーぜったいに(普天間基地を)県外に出せない根拠文書ですよ。優秀な官僚がちが一国の総理をだます。それがこの文書です。

(以下略)

【速報】普天間基地移設めぐり外務・防衛官僚がニセ文書工作/「沖縄県外移設は米軍の規定で無理」と鳩山首相に虚偽説明


 米軍普天間基地の沖縄県外移設を公約にかかげていた鳩山由紀夫首相に対して防衛・外務官僚が2010年4月19日、首相官邸において、陸軍施設とヘリコプター発着基地の間は65海里(120キロメートル)以上離れてはならないと米軍マニュアルにあるーーなどという事実と異なる説明を行っていた事実がわかった。18日夕、文京区で開催された「オールジャパン平和と共生総決起集会」で鳩山氏と川内博史元衆議院議員が明らかにした。

GE (写真)川内博史元衆議院議員が明らかにしたニセ文書(一部)

 両氏によると当時説明を行った官僚らは、「65海里」の要件が記された極秘文書を鳩山首相に提示し、米軍の内規によって県外移設が不可能であるとの根拠として示したという。

 しかし、川内元議員と鳩山元首相が外務省に紹介したところ、そのような文書は持っていないとの回答があった。またアメリカ側も「65海里」といった決まりはないと答えたという。

 官僚とみられる何者かが虚偽文書をつくって鳩山首相を騙した疑いは濃厚だが、外務省は「不適切な行為行動があったとは考えていない」などと責任を否定しているという。

 集会での報告内容は追ってお知らせしたい。