杉並区非常勤行政委員の月額報酬「死亡時満額支給条項」を撤廃へ/住民訴訟での敗訴確信か

 存命のまま月の途中で就任・退任した場合は月額を日割りで支給するという規定になっているにもかかわらず、死亡したときだけは死亡日のいかんにかかわらず月額を満額で払う――選挙管理委員など非常勤行政委員報酬のこういう支給方法を定めた条例はおかしいとして一部差し止めを求めた住民訴訟(原告は本誌記者の三宅勝久)の判決が、今月26日午後1時25分より東京地裁803号法廷で言いわたされる。

 被告は杉並区長ら区幹部5名。違法性はないとして全面的に争ってきたが、記者の観測では杉並区が敗訴する可能性は小さくない。敗訴(住民側勝訴)すれば画期的な判例となり、全国の同様の条例をもつ自治体に影響を及ぼすのは必至だ。

 この注目の判決を20日ほどのちに控え、杉並区長みずから「死亡時満額支給」条項を撤廃する条例改正案を2月10日に開会する定例区議会に上程することがわかった。

http://www.city.suginami.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/019/105/gikaiteian280115.pdf

 改正案は、従来「死亡したときはその日の属する月の末日まで支給する」となっていたところが、「…死亡等によりその職を離れたときはその日まで…」とあらためられている。

 住民監査請求を却下した杉並区監査委員の判断が誤りだったのをはじめ、その後の訴訟で「適法だ」などと主張しつづけた杉並区長の判断もまた誤りであったことを被告区長自身が認めたことになる。もはや敗訴は避けられないとの判断と思われる。

 もっと早く条例改正をしていれば訴訟をする必要はなかった。訴訟後でも早期に改正していれば、原告は訴訟を取り下げざるをえなかった。

 だが、今回の条例改正は、可決するとしても判決が確定したのちとなる。本会議で採決されるのは最終日の3月16日(予定)。2月26日の判決が確定するのは2週間後の3月はじめである。
 
 住民勝訴判決であれば、この判決によって東京都をはじめほかの自治体でも同様の条例改正がなされるであろう。そういう意味では、条例改正の時期を判決で負けるまで引っ張ってきた杉並区の功績は大きい。
 
 一方、半年間病気で欠勤した選挙管理委員(元自民党区議)に対して、月額24万2000円の報酬を払い続けたことの是非を争点とした住民訴訟は、その違法性を認めた判決がすでに確定している。これを受けた条例改正案も上程されるみとおしだ。改正案によれば以下の項が新設されている。

 月額報酬を受ける教育長職務代理者等が月の初日(月の中途においてその職に就いたときにあっては、その職に就いた日)からその月の末日(月の中途においてその職を離れたときにあってはは、その職を離れた日)までの間にわたりその職責を果たすことができないと認められるときは、その月分の報酬を支給しない。

 日額と月額の併用を導入するのがもっとも合理的だと訴訟の議論をつうじて記者は考えてきた。公明党区議ら議員にもそのむね説明を行ったが、条例案にはいっさい反映されることはなかった。日割りを導入すると非常勤行政委員の収入額が減少するため、それをきらった可能性がたかい。非常勤行政委員は区議会議員や元議員の天下りポストにもなっている。