あんさんぶる荻窪と税務署の「財産交換」問題で密室諮問会議


 建築費約30億円をかけて2006年に落成したばかりの区営施設「あんさんぶる荻窪」(杉並区荻窪、地上6階)を財務省荻窪税務署の土地と交換し、あらたに約30億円をかけて「あんさんぶる」と同様の施設を建設、さらに老人施設(民間)をつくるという区の奇妙な構想に批判と疑問が噴出している問題で、杉並区長の諮問機関「杉並区財産価格審議会」が1月19日に開かれ、1回の審議によって、交換する2ヶ所の不動産の価格が、それぞれ「適正な価格である」という交換を認めるような内容の答申をだしていたことがわかった。

審議会

 経理課に対して本誌記者が2日、取材して確認した。

 財産交換をめぐっては双方の財産価値の釣り合いがとれているのかといった疑問の声がある。審議会は区長の諮問機関とされているが、9人のうち4人は区の職員で構成されており「自作自演」の匂いもただよっており、こんごあらたな問題に発展することは必至だ。

 諮問会議は非公開で開催された。条例でその旨定めているという。経理課は当初、答申についても「非公開」だと説明していたが、条例は「会議」についてのみ非公開とあるだけで、答申を非公開にできる根拠はない。この点をただしたところ、「情報公開請求の手続きをとってほしい」と態度を軟化させた。そこでただちに情報公開請求の手続きをとったが、「決定の手続きが必要」などとして即日の答申書提供をしぶった。

「3月議会開会直前でもある。諮問会議の答申をすぐにださないというのはあまりにもおかしい。区民への説明責任を負う行政の立場がわかっていないのではないか」
 
 そう強く抗議したところ、ようやく答申書の写しが即日で開示された。A4版1枚のごく簡単な内容だ。だが、これだけでは何をどう答申したのか意味がわからない。やむなく、区長から審議会に対して意見をもとめた際の「諮問書」の開示も求めた。しかし、経理課はこれを出すことを渋った。2日午後5時現在、入手できていない。

 杉並区が密室行政の体質を強めていることがよくわかる。

 財産価格等審議会の構成員はつぎのとおり。

 ・宇賀神雅彦副区長(会長)
 ・川原口宏之(公明党区議)
 ・浅井くにお(自民党区議)
 ・坂野正和(みずほ銀行荻窪支店長)
 ・鈴木秀章(東京都杉並都税事務所長)
 ・宮嶋三世(東京都宅地建物取引業協会杉並支部長)
 ・白垣学(政策経営部長)
 ・南雲芳幸(会計管理室長)
 ・渡辺幸一(都市整備部長)

 区長の諮問機関とはいえ、宇賀神副区長をはじめ9委員のうち4人が区の幹部職員がしめており、独立性には疑問がある。

 なお、田中区長の政治団体が主催する政治資金パーティの発起人・宇田川紀通・武蔵商事社長が杉並区特別職報酬等審議会の会長を努めている問題や、武蔵商事と杉並区の間でマンションや自転車駐輪場の賃貸借契約が結ばれ、年間2800万円を杉並区が払っている問題について、さる1月13日、総務課を通じて田中区長に書面で質問を行ったが、およそ20日が過ぎた2日現在も回答はなされていない。

「杉並区長の政治的支援者が7年にわたって報酬審会長に居続ける異常」

 秘書室によれば総務課から回答するとのことだが、記者が2日に問い合わせたところ「来週はじめには回答できると思う」などと答えた。しんぼうづよく待ち続けることにしたい。