「財産交換」問題で紛糾/2月24日総務財政委員会より1 

 強い疑問と反対の声があがっている杉並区営施設「あんさんぶる荻窪」と杉並税務署周辺用地の交換計画について、2月24日、総務財政委員会で激しい論戦がかわされ、自・公・民主・平和の賛成多数で「財産交換」を是とする条例案が可決された。

 審議の過程でさまざまな疑問があらたに浮かんできた。本来なら議事録をたよりに大勢の目で計画を検証すべき問題だが、議事録ができるのは数カ月も先になるという異常というほかない状況にある。インターネットでの動画配信もなされていない以上、かぎられた傍聴者しか議論を知ることができない。議会の怠慢であり、区民が受けている損失ははかりしれない。

 本誌記者は傍聴すると同時に委員長の許可をえて録音を行った。以下、録音をもとに重要と思われた部分を書き起こして掲載したい。なお、意味のかわらない範囲で表現を簡略化したり、発言の一部を省略している。
 
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2月24日 杉並区議会総務財政委員会(抄録・一部省略)

(財産交換条例案の審議)

今井ひろし委員長:質疑にはいります。

浅井くにお委員(自民):平成22年12月の要望書について、経緯を。

松沢智・企画課長:当時の状況として、おおきな課題となるのが用地の確保であるという問題意識をもっていた。そうしたなか、H22年10月、財務省のほうから、老朽化した荻窪税務署の現地建替えのための工事費予算を概算要求した、そういった情報が入ってきた。区としては、当該用地についてはとなりの公務員宿舎をふくめて6000平米を超える広大な用地であることから、現地での単純な建替え方式ではなく、・・・荻窪駅周辺整備に関係し税務庁舎の集約がはかれれば跡地を有効活用できる可能性が生じるとともに、区民の利便性も向上すると考えた。当時はこれからあたらしい基本構想の策定という検討を開始しようとする時期でもあって、荻窪駅、荻窪のまちづくりへの寄与という観点からも、積極的な建替えを避けるべきとの判断のもとで工事の一時中止の要望をさせていただいた。

浅井:要望書には26年度までに供用開始とか、国に賃料を負担させないようにとか、かなり具体的にかかれている。26年度に供用開始の建物をどこに整備するつもりだったのか。・・賃料負担が発生しない方法として、当時どのような整備方法を考えられたのか。

松沢企画課長:財務省については、・・一定の理解を示してもらっていた。ただ、すでに予算の概算要求が行われている事業を止めるためには、具体的な要望を提出してもらう必要がある、そういった話があったなかで要望書を提出した。
要望書に記載した移転先については、まず現地建替えを休止してもらうことを最優先と考えておりました。その後具体的な検討を考える予定でした。平成26度という時期については、財務省は施設整備には一定の時間がかかることについて理解をしめしていただいていたが、とはいえ、工事を休止する以上、いつまでというおおよその目安を示してほしいという話はございました。そこで、実現可能と考える最短の期間と考えて、あくまで目安だが、平成26度としたものである。また国に賃料負担が発生しない方法ということについては、国が現地建替えを一時休止したあとでトータルで、条件面での協議を行うなかで詳細をつめていく、そう考えていた。

浅井:結果として具体的提案を国に対して出せなかった。どう考えているのか。

松沢企画課長:要望書提出後、区としては荻窪駅周辺の民間ビルの活用などさまざまな検討をしてきたが、東日本大震災、311が発生、同時に公務員宿舎の方南町住宅の建替え問題対応に追われたこともあって、H24年3月に基本構想、総合計画を策定していますが、そのときまでに具体策を提示できなかった。こういう事実がある。しかしながら、建替えを1年休止させることができた。そうすることによって将来用地活用の可能性を残せた、そういう意味でおおきな意味があったと考えている。

浅井:・・・(前略)その後の国とのやりとりはどう進展した? 早く施設整備するよう要請されたことはまったくなかったのか?

白垣学・政策経営部長:私が当時企画課長として財務省やりとりをしていましたが、まちづくり連絡会議などの機会をとらえて、「税務署の移転先いかがですか」ということをときにふれて尋ねられることはございましたが、執拗に対処をもとめられたり、ましてや責められたということはございません。・・・H25年7月、ちょうど財務省の担当者異動のあいさつに私のところに来て、首都直下地震の危険性が声高にさけばれていることに触れて、もうそろそろ建替えをしないとまずいという話があった。

浅井:国からの税務署建替えを先延ばしできないという発言がきっかけで財産交換という構想が出てきた?

松沢企画課長:国から先延ばしできない旨の話があった当時、再編整備計画、中間まとめを策定するための検討を行っていた。また議会からも特養を整備すべきだという意見をいただいていた。そうした検討のなかで、区としては特養整備のための大規模用地の確保、そして老朽化した税務署の区民サービス向上につながる効率的な建替え、この2つの課題を当時解決する方策として「財産交換」という手法を選択した。

浅井:・・・要望書はすでに廃棄してしまっており、国への情報公開請求ででてきた。財産交換との直線的な関係はないとはいえ、税務署建替えに関する国との交渉経過に関連する文書なので、文書管理についてもっと慎重な取り扱いが求められると考えられる。区はどう考えるのか。
 
松沢企画課長:当該要望文書はH22に要望を提出しまして、税務署の集約化のため移転先を具体的に提示できなかった。できなかったが国が税務署建替えを一時休止できたこと、まちづくり連絡会議を設置できたことをもって当初の目的を達成できたとわれわれは判断して、文書保存年限を経過したH26年3月に廃棄した。当時は国や都の施策、予算に関する要望について3年保存としていたこと等もあって、当該要望書も3年保存として、「意見・要望」というフォルダで保存していた。しかしながら、文書管理上、当該要望を一般の広報とか区政相談に関する意見・要望といったものと同じ分類をして保存していたことについては正確性を欠く部分があったのではないかと考えている。こんご文書管理についてはあらためて適正な管理を行うようにしていくとともに、国との文書のありかたについては、ご指摘もふくめて保存年限を検討することを考えている。

浅井:・・・財産交換をする区のメリットをうたがいたい。

福原善之・施設再編整備課長:メリットは6300平方メートルという大規模な用地を今回この財産交換により一体的に活用することができるようになる。そうすることで在宅介護者を支援する機能でもあるショートステイ、これを通常より多くおける。また医療・介護の面から高齢者・障害者のかた、在宅生活を支援する機能、こういったものを付加した施設をあわせて整備することができる。これがメリットであると考えている。

(略)

浅井:・・・H22年の要望書があとからわかるなど地域や議会に説明不足から誤解を生じさせた点もある。区はどう考えているか。

松沢企画課長:区としては、今回の財産交換は将来にわたる区民福祉のおおきな向上につながるものと考えている。平成25年11月に区立施設再編整備計画の修正素案を反映させて以降、そのむね繰り返し説明してきたが、誤解を招いた部分があるとすれば素直に受け止めさせていただいて、あらためてこんごともしっかりと説明させていただきたい。

(傍聴席「誤解じゃないよ!」)

浅井:この財産交換の先に、高齢者や子どもの福祉の拡大につなげてどのように未来を描いているのか。

宇賀神雅彦・副区長:・・・この施設が開設されれば、まちがいなく区民福祉の暮らしをささえる一大拠点になると思う。50年先を見据えても区民福祉の向上に大いに貢献すると確信している。

(傍聴席「何いってるのよ」)

(つづく)

 

造ったばかりの「あんさんぶる荻窪」を財務省に差し出してあらたに建てたほうが「お得」という子どもだましのインチキ試算


30億円をかけて建築してわずか10年の杉並区営「あんさんぶる荻窪」をこのまま使い続けるより、荻窪税務署の土地と交換して、そこにあらたに38億円をかけて「新あんさんぶる」を建設し、ついでに耐震工事をやったばかりの桃2小学校もこの際45億円で建て直したほうがお得? 

 ーー狐につままれたような奇妙な試算が、24日の総務財政委員会で区によって開陳された。公明党をはじめ計画に賛成する委員らはこの資料をもとに、いかに「財産交換」がお得かを力説したが、その試算とは、素人目にもクビをかしげるような稚拙な内容だ。

 問題の資料とは「財産交換を実施した場合と実施しなかった場合の支出・収入額一覧(2015〜2065年度累計)」と題するA3版のものだ。

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A「現行の財産交換の計画を実施した場合」
B「財産交換せずに、公務員住宅跡地(荻窪税務署に隣接する官舎跡地=筆者注)のみを取得した場合」
 の2例を試算し、コストを比べている。

 結果は、Aが約80億円、Bが89億9000万円で、Aのほうが9億円も得だということになっている。

 Aの財産交換とは、区が強引に進めようとしているもので、現在ある「あんさんぶる荻窪」と荻窪税務署+隣接する官舎跡地を等価交換し、新あんさんぶるを新築、さらに児童館がなくなることにともなって桃2小学校も建て替えるという計画だ。あんさんぶる新築費用として38億円、小学校の改築費45億など93億円の収入がある一方、税務署跡地につくる特養ホームの土地賃借料が12億ほど入る。トータルで80億ほどかかるという計算だ。

 B案とは、財産交換をせずに「あんさんぶる」をそのまま使い、特養ホーム用の土地は別途購入するという案だ。当然こちらがはるかに安くなるというのが常人の感覚だろうが、なぜかA案より9億円も高い。理由は「あんさんぶる」の建替えと桃2小学校の建替え経費として80億円を計上しているからだ。50年のうちには、いまのあんさんぶるも建て替える必要がある。桃2小も建て替える必要があるというわけだ。

 一見すると「なるほど・・・」と納得しそうになるが、この比較がいかに意味のないものかは、期間をすこし変えて再計算するだけでよくわかる。A案が想定している新あんさんぶるの建築時期は5年後の2020年。この2020年を起点にして50年間、2070年までの累計収支をみると、結果はぜんぜんちがう。建物の耐用年数を50年として、新あんさんぶるも新桃2小学校も2070年の間に建てなおす必要がでてくる。つまりA案はすくなくとも80億円さらに上乗せになる。一方B案は、2つの建物は2020年ー70年の間においては、それぞれ1度建替えるだけだ。

 ようは、試算の時期をどうみるかによって累計の収支などいくらでもかわる。こんな試算にどんな意味があるのだろうか。

 もちろん、区民からみれば問題はカネだけではない。地域に定着したコミュニティの場を問答無用で奪われるという数字には表しがたい損失がある。そんなコストはこの「インチキ資料」には1銭たりとも数字に表されていない。

 区長なり副区長の意向をくみ、矛盾だらけの計画をゴリ押しするために議会対策としてあわてて作ったのはミエミエだ。あるいは、自民・公明の議員といっしょに練り上げた「策」だったということはないだろうか。

 そううたがいたくなるほど、自公の区に対するヨイショぶりは目にあまった。

 ともあれ、杉並区の知性と行政業務の基礎的な力量を疑わざるを得ない。

 総務財政委員会はインターネット中継も録画もされない。議事録ができるのは数カ月後。はずかしい姿が世に広く知られないのが、杉並区の上級幹部職員や推進議員にとってはせめてもの救いだともいえる。

疑問だらけのまま「あんさんぶる荻窪⇔スギナミ税務署」交換議案が委員会通過/自公民熱烈応援のなか

 築わずか10年あまりの区営施設「あんさんぶる荻窪」(建築費約30億円)と、老朽化に伴う現地建替えを予定していた財務省所有の杉並税務署および隣接する官舎用地を「財産交換」する議案が、24日、総務財政委員会で審議され、住民や議員らの強い反対を押し切る形で採決され、自民・公明・未来・平和の賛成、共産の反対により可決した。自無、美杉は退席。午後8時すぎまで長引いた審議では数々の矛盾が露呈した。こんごも紛糾と混乱がつづくことは必至だ。

 審議で焦点となった問題のひとつは、2010年に田中区長名で財務省理財局長宛にだした要望書問題だ。財務省が概算要求にあげていた荻窪税務署の建替え工事に対し、同年12月3日付で田中区長から財務省理財局長にあてて工事を待ってほしいと要望した文書である。荻窪駅周辺の再開発を考えており、区税・都税・国税の行政施設をつくって「賃料負担の発生しない方法」で入居できるようにしたいので建替えを待ってほしいーーという内容がかかれていた。

 財産交換の端緒になる重要文書だが、区はすでに廃棄し、その存在についてもだんまりをつづけてきた。

 2014年2月に奥山妙子議員(現在は前議員)が、「財産交換」に関する文書を明らかにせよといった趣旨で情報公開請求したところ、不存在と回答。同年3月7日の予算委員会でも財務省との交渉経過がわかるものがないのはおかしいではないかと奥山議員がただしたのに対して、文書は存在しないと答弁。「要望書」の存在についてはいっさい触れなかった。

 こうした経緯をみれば、失政を隠すために要望書も隠蔽したのではないかとの見方は当然だろう。荻窪駅前開発を前提にして税務署の建替え中止を要求したものの、結局再開発に失敗した。その取り繕いとしてあんさんぶる荻窪を差し出すという話をつくった。表向きは「特養」なので、要望書は都合が悪いので隠したという見方だ。

 この点について、24日の委員会では厳しい追及がなされた。隠蔽したのではないかという質問に対し、企画課長は「隠蔽ではない。(荻窪税務署周辺の土地を入手するという)当初の目的を達したので廃棄した」などとあくまで「隠蔽」を否定した。

 その一方で数十億円の財産の交換に関連する重要文書であるにもかかわらず、3年という短い保管期限しか設定せず、しかも奥山議員の質問時には存在にきづいていながら開示せず、その後廃棄するという、常識ではあり得ない取り扱いについては、文書管理のあり方に問題があった、見直すべきだという答弁がなされた。しかし、それに関して「では責任をどう取るのか」と追及がなされると、宇賀神副区長は「責任はない。当時は当時の規定でやっていた」と企画課長や同課職員を擁護した。

 要望書廃棄を副区長も知っていたのではないか、と疑いたくなる。

 なお、この日の区の説明によって、

①要望書は区長決済でつくったもので会議などで決定したわけではない。
②再開発計画は実態がなかった
③区が整備した施設に賃料ゼロで荻窪税務署に入ってもらうという要望内容についても具体的な根拠はなかった。

ーーといったことがあきらかにされた。

 一方、堀部やすし議員が委員外委員として質問をし、財産価格評価をめぐる疑問を指摘した。あんさんぶる荻窪と荻窪税務署周辺跡地の評価を、杉並区は過去2度にわたって発注している。問題は、2度目となる財産評価で、57%、80%といった係数の算出根拠や算出式が鑑定書にかかれていない不自然さをつき、「仕様書どおりになっていないではないか」と厳しくただした。経理課長からは、鑑定書のかきかたはいろいろある、口頭で説明を受けたなどと答弁があったが、57%、80%が、具体的にどう計算した結果なのかについては、合理的な説明はなかった。
 
 なお、田中良区長は一度も答弁にたつことはなく、自席でときおり委員に向かって「何がいいたいんだ」などと不規則発言を行うなど、安倍首相に似た独裁者然とした風格をただよわせていた。

 総務財政委員会の議事内容については、追って詳しく分析、報告したい。
 

「荻窪税務署建て替え凍結」要望書の存在隠蔽か/2014年3月7日予算委で企画課長が不可解答弁


 30億円をかけた築わずか10年の区営複合施設「あんさんぶる荻窪」と荻窪税務署の土地を交換するという不可解な計画をめぐり、「特養施設をつくるため」という区の説明に重大な疑問がでていることは本誌でもすでに伝えているとおりである。疑問を生じさせている最大の証拠は、2010年12月に田中良区長名で財務省理財局宛にだされた荻窪税務署建て替え凍結を求める要望書だ。荻窪駅前を再開発するので、当時財務省が検討中だった荻窪税務署の現地建替え計画を凍結してほしい――といった内容の文書を杉並区から財務省側に出していたことが、住民の財務省に対する情報公開請求によって発覚した。

 その問題の「要望書」を杉並区に対して情報公開したところ、すでに3年の保存年限をすぎているので廃棄したとして「不存在」なのだと、にわかに信じがたい回答が返ってきた。担当の企画課職員にその内容を聞いても「わからない」とうそぶく始末である。

区営施設「あんさんぶる荻窪」譲渡めぐる重大疑問
田中区長→財務省の「荻窪税務署建て替え凍結要望書」は「廃棄ずみ」と正式回答

 こうした不自然な反応をみると「財産交換」も「特養」も、ひそかに考えていた駅前再開発が失敗し、その後始末で考えついた体裁づくりで思いついたずさんな案ではないかと疑わざるを得ない。

 そして、今回、あらたにその疑惑をさらに深める事実が発覚した。

 本誌記者の情報公開請求に対して区が開示した文書管理リストによれば、問題の文書「22杉並第47820号 荻窪税務署の建て替え工事について」は、2010年12月3日に起案・決済され、保存年限が3年と記載されている。これを理由に、すでに廃棄されているから存在しない、企画課は説明してきたのだが、じつは、この「保存期間」中にあたる2014年3月7日、白垣学・企画課長が予算委員会で答弁に立ち、財務省とのやりとりを示す文書は「存在しない」と説明していたのだ。

 松尾ゆり議員の指摘を受け、本誌記者が取材で確かめた。

 3年の保存期限であれば2014年の3月7日時点で要望書は保管されていた。要望書の存在を区として意図的に隠した可能性がある。

 会議録から引用する。

【2014年3月7日予算特別委員会】

◆奥山たえこ委員  次です。あんさんぶる荻窪のほうに行きます。いただいた資料を見ると、全然やりとりがわからない。例えば、区長が この前、いや、最近じゃないんだ、随分前からそのやりとりについてやっていたんだけどとおっしゃるんだけれども、私がいただいた資料からいうと、一番スタートが平成25年の9月30日ですよ。その前にはこのことをやりとりしてなかったんですか。

◎白垣学企画課長 やりとり自体はありました。9月30日に公文書で提案をする前段のやりとりはございましたけれども、公開する資料が不存在ということでございます。

◆奥山委員  何でないんですか。電話やメールも含むというふうに私は請求しているし、それも含めて公文書でしょう。なぜ存在しないんですか。

◎白垣企画課長 確かに電話やメールのやりとりはございましたけれども、その辺は事務的な連絡で、必要が済んで、時間もたってございますので削除しているということで、現時点では不存在ということでございます。

◆奥山委員  電子メールやそういったメモの文書保存年限は。

◎白垣企画課長 メモは、忘却防止のために、そこは覚えとして書いてございますけれども、きちんとした形での公文書というふうには捉えてございません。

◆奥山委員  電子メール。

◎白垣企画課長 電子メールについても同様でございます。

◆奥山委員  電子メールやメモは、さっさと自分たちの判断で廃棄して構わないということですよね。

◎白垣企画課長 内容に応じてそれは判断してございますので、それについては、もちろん公文書性の高い、組織で共有するようなものについては、きちんと打ち出しをして、しかるべき保存年限で保存をしてございます。

◆奥山委員  今回公表されたものからはさっぱりわからないんですよ。つまり、交換の条件をやっているはずですよ、幾らぐらいにしましょうかとか、 もう少し金つけましょうかとか。一番知りたい、そこが残ってないんですよ。そんな作為的なことを、恣意的なことをあなたたちに許されているはずがないんで す。どういうことですか、文書管理。

◎白垣企画課長 委員がおっしゃっているよう なことは、この後交渉していく話でございまして、最初から、お互いの財産幾らだとか、どういう条件だったらこれを受けるのか受けないのかということまで詰 めた上で提案をしているわけでもございませんし、国のほうも回答しているわけではございません。

◆奥山委員  とすると、あんさんぶる、いいところ、建物あるから、じゃ、これを交換しましょうと、それだけでとんとんここまで進んだということですか。あと、このデータは、後で私のブログにアップしておきますから。

◎白垣企画課長 それは当然、先方、国のほうも、区からの提案を受けて、現場を独自に見たり、図面を見たり、また評価を独自に試算してということはされていると 思いますけれども、具体的にそういうことのやりとりを直接やったということは存在しないということでございますので、ご理解いただきたいと思います。

 問題の要望書の存在はこのときはまだ公になっていない。委員会での質問に先立って奥山議員は情報公開請求をしているが、「要望書」の存在は明らかにならなかった。委員会でも上のとおり「要望書」のことはおくびにも出していない。

「(財務省との)やりとり自体はありました。(2014年)9月30日に公文書で提案をする前段のやりとりはございましたけれども、公開する資料が不存在ということでございます」

 資料はないとはっきり言っている。すべて廃棄したというわけだが、その後「要望書」が表ざたになると、区は「不存在」の理由をこう説明する。

 2014年3月31日が保存期限だからすでに廃棄した、だから存在しない――。

 この説明が事実なら、委員会が開かれた3月7日には存在していなければらない。また委員会に先立って奥山議員が情報公開請求をした当時も存在していたことになる。

 白垣企画課長は、公開すべき資料があるにもかかわらず「不存在ということでございます」とあえて虚偽の答弁をした可能性がある。

 条例によれば、保存期限がすぎた文書は別途保管し、廃棄する場合にはリストをつくることになっている。廃棄したことを示す文書についても記者は情報公開請求したが、明らかにされていない。本当に「保存期限3年」だったのか。本当に廃棄したのか。要望そのものをなかったことにするために、じつは存在しているのにウソをついているということはないか。

 そういう疑いを挟む余地がたぶんにある。

「財産交換」の一般質問やめてほしいーー杉並区議会事務局が議員に干渉


 
 現在開会中の杉並区定例区議会で一般質問を行おうとした野党議員に対して、特定の質問を取りやめるよう議会事務局が要求していた事実が発覚した。事務局の越権行為は明らかで、民主的な議会運営を脅かすとして批判の声があがっている。

 問題発覚の発端は17日の本会議。一般質問にたった堀部やすし区議は、こうただした。

 先般ある区議会議員が一般質問を通告しようとしたらその質問をさしひかえるよう要請をうけたということがわかりました。当該議員は公序良俗に反する話題を取り上げるわけでもなく、また答弁を担当するわけでもない局長が質問内容に関与する動機はないはずで、なぜそのような横やりを入れてくるのかじつに不可解です。

 本橋正敏杉並区議会事務局長は18日午後、本誌記者の取材に応じ、一般質問のうち特定の質問をやめてもらえないかといった内容の要請を議員に対して行った事実を認めた。

 議会事務局から質問撤回の要請を受けた議員は松尾ゆり議員で、質問とは、現在疑問が噴出中の「あんさんぶる荻窪」と杉並税務署の財産交換問題に関するものだった。本橋事務局長によれば、上程(予定)の議案に関する質問は一般質問で取り上げないという「暗黙の了解」が杉並区にはあり、その慣習にしたがえば「財産交換」問題は一般質問すべきテーマではなく、総務財政委員会でやるべきだと説明し、暗に質問撤回を迫ったという。

 松尾議員は総務財政委員会の委員ではないが、杉並区議会は委員会の委員でなくても質問できるように改革がなされている。

 結局、松尾議員は”忠告”には理由がないとして、当初の予定どおり「財産交換」の質問通告を行い、本会議で一般質問をした。

「議案関連の質問は一般質問で取り上げない」という「暗黙の了解」は、区職員の間では常識だとしても、48人いる議員全体との間で合意されたのではない。すくなくとも松尾議員は認識していなかった模様だ。古い時代になされた自民党など特定の有力会派と区執行部との密約が、一種の「風習」としてつづいている可能性が高い。

「こんごも同様の対応をするのか。質問に介入するのはまちがいではないか」

 記者の質問に対して本橋事務局長は「間違いとは思っていない」と答えた。だが「越権行為ではないか。あるいは仮になんらかの了解事項があったとすれば、それはそれで議会と執行部の慣れ合いだろう。あまりにも緊張感がないのではないか」と指摘すると、「間違いとは思っていない」発言をあらためることはなかったものの、うなづいた。

「一般質問でやらなくても委員会で審議するからいい」

この考えは、仮に執行部と議会全体で合意したとしても、現在の杉並区議会の議会・委員会の中継録画放送の公開状況からみれば多いに問題がある。インターネット中継と録画で即時に視聴できる(録画は24時間後から)のは、本会議と予算・決算特別委員会だけ。あとの委員会は直接傍聴するか、数ヶ月後の議事録公開を待たねばならない。平日の日中に開催される議会・委員会を直接傍聴できる住民はごくわずかである。

 つまり本会議で質問しなければ、仮に委員会でやったところでほとんどだれもわからないという事態をまねく。事実上の密室議会となりかねない。

 この点、本橋事務局長は「(委員会の中継・録画をやるまでの)予算がない」と説明した。だが、昨年12月議会で議員報酬や期末手当を引き上げる条例をやすやすと可決したことを考えると説得力を欠く。

 さて、以上のとおり松尾議員への一般質問に議会事務局が干渉した動機は、表向き、古くから杉並区に伝わる、上程予定議案に関する一般質問はしないという「暗黙の了解」だとされる。だが、はたしてこれが本当の動機なのかは疑問だ。上程予定議案に関する一般質問を行った例は過去にはいくらでもあるからだ。今回の議会でも、堀部議員が非常勤行政委員の報酬に関する質問をしている。裁判で敗訴が確定したのをうけて、今議会に条例改正案が出ている問題だ。これには議会事務局はいっさい口をはさまなかった。

 この点を本橋事務局長にただすと「堀部議員の通告が”区側の敗訴について”とあるだけでわからなかった」と答えた。本当にわからなかったとは思えない。事務局でわからないとしても答弁を担当する部署はいやでもわかっていたはずだ。

 してほしくない質問だったからこそ「暗黙の了解」を口実にして、広く傍聴される可能性のある一般質問をさけようと干渉したのではないか。区長の意向ではないのか。ーーそう指摘したところ本橋事務局長は「そんなことはありません」と否定した。それでも疑いはなおぬぐいがたい。

 取材に対して松尾ゆり議員はつぎのとおり話した。

「過去には減税自治体構想について一般質問をしたり、図書館の民間委託について一般質問をした。いずれも議案関連だったがまったく何もいわれなかった。なぜ今回だけ干渉してくるのか、不可解でなりません」

 なお、堀部氏は議会事務局長の勤務評定にまで切り込んだ質問も行っており、傾聴に値する。

一般質問は広く区政一般について特に議題の制約を受けることなく議員個人の判断で質問できる機会となっていましたが、本会議で自由に発言されることをいやがる区長が存在しているうえ、議会事務局長の勤務評定、勤務成績を副区長がつけていることの悪影響がおよんでおり、あらためて課題の深刻さを実感させられます。・・・副区長が直接議会事務局長や監査事務局長の勤務評価を行うことは二元代表制や監査の独立性を否定する越権行為で違法であります。ただちにあらためなければなりません。

 宇賀神副区長が本橋議会事務局長の勤務評定をつけているという。課題は本当に深刻である。

「区長は今年も政治資金パーティを開きます」と総務部長に答弁させた田中良氏の傲慢



(訂正・総務課長は総務部長の誤りでした。お詫びして訂正します)

 田中良杉並区長の資金管理団体「東京良友会」(東京都選挙管理委員会届出、田中良代表)が、2010年の区長就任以降も毎年政治資金パーティを開いていることについて、田中氏の公私混同で無責任な姿勢を象徴するような光景が、現在開会中の杉並区議会でくりひろげられた。

 2月17日の本会議で堀部やすし区議が一般質問に立ち、およそつぎのとおり田中区長をただした。

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【写真説明】田中区長は今年も政治資金パーティを開くのか、政治とカネの問題に触れながら質問する堀部やすし区議(2月17日、杉並区定例区議会本会議)

「区長は今年も政治資金パーティを開催するのかどうか。政治とカネが(社会)問題になっている。甘利(明)経済再生担当大臣が収賄疑惑で辞職し、電力会社から多額のパーティ券を買ってもらっていた。かつて石原慎太郎都知事の政治資金パーティを批判していた田中区長も政治資金パーティを毎年開催し、一晩で1700万円の収入を得ていたこともあった。こんごさらに開催するのかないのか答弁を」

 政治資金パーティというのは政治的活動の分野で、区役所の職員が関与すべき問題ではない。役人が答弁しようにもできない話である。当然田中良氏本人が答弁に立つと思っていたところ、驚いたことに演壇にあがったのは総務部長であった。

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 【写真説明】田中区長は今年も政治資金パーティを開く、と田中区長にかわって答弁する関谷隆総務部長(2月17日、杉並区定例区議会本会議)

 関谷総務部長は「わたしからは所管事項についてお答えします」と前置きしてから、手元の紙を読み上げた。

「区長の政治資金パーティの開催についてのおたずねがございました。今年も政治資金パーティは開催されるものと承知しております」

「政治資金パーティのこと、わたし区長に答えたんですよ。なんで総務部長がお使いみたいに(かわりに答えるのか)…」

 なぜ総務部長なのか、まるで「お使い」ではないかと堀部区議が違和感を口にしたのは当然であろう。杉並区は田中後援会の広報係になりさがってしまった。総務部長に答弁を命じる区長も問題だが、引き受ける総務部長もなさけない。あるいは勤務評定を下げられるおそれがあるのだろうか。

 本誌記者は傍聴席で呆然とした気分になった。そんなこちらの心境をどこまで感じたかはしらないが、田中区長は終始自席で眠そうにだらけた姿勢をとり、ときおり右隣の宇賀神副区長と耳打ちをし、ついには遠慮することなく大あくびをした。

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【写真説明】自身が代表をする資金管理団体の政治資金パーティについての質問に、自ら答えることを避けて部下に答えさせた田中良氏(2月17日、杉並区定例区議会本会議)。左は宇賀神副区長。ときおり仲睦まじそうにひそひそ話をしていた。

 堕落という言葉がふさわしい光景である。
 
 なお「東京良友会」は毎年3月上旬に新宿の京王プラザホテルで政治資金規正法で定める政治資金パーティ「田中良区長を励ます会」を開催、500万円~600万円ほどの経費で1200万円~1300万円を売り上げ、600万円~700万円の政治資金を得ている。過去には、杉並区特別職等報酬審議会の会長で区とも年間2800万円の取り引きがある宇田川紀通氏(武蔵商事社長)が発起人になるなど、区政と自身の政治活動との公私混同が問題視されている。

 田中良氏は杉並区議、民主党都議会議長を経て2010年、山田宏区長の辞任にともなって民主・社民・生活者ネット推薦で出馬し、初当選した。無所属で再選した2期目以降、自民党など保守系により接近した姿勢が露骨になっており、民主党の皮をかぶった自民党ーー「自民主党」だともささやかれる。

■関連記事「田中良杉並区長の政治資金に関する質問に杉並区総務課長が代弁する公私混同ぶり」

■東京良友会の政治資金収支報告書
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田中良杉並区長の政治資金に関する質問に杉並区総務課長が代弁する公私混同ぶり


 杉並区長田中良氏の資金管理団体が主催する政治資金パーティの発起人を特別職報酬審議会の委員に任命し、さらにこの人物が経営する会社に対して区から年間2800万円の不動産賃料が払われている問題で、さる1月13日付で田中区長にあてて出していた質問状の回答が2月12日付でようやく郵便にて届いた。質問から回答までじつに1ヶ月を要した。

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 その内容だが、まず奇妙なのは、回答者が「杉並区長田中良」ではなく「総務課長都筑公嗣」となっている点だ。政治資金パーティや政治的支援者とのかかわりを尋ねているのだから杉並区の部下が答えるというのはどうみてもおかしい。そしてつづく回答をみると、ほとんど質問とかみあっていない。

 質問①の「武蔵商事株式会社、または同社代表取締役・宇多田川紀通氏、またはその親族に、田中区長を政治的に支援することを目的とした政治団体が主催する政治資金パーティのパーティ券を購入してもらったことはありますか」に対してはこう回答している。

「政治資金パーティーにつきましては、政治資金規正法に基づき適切に開催し、東京都選挙管理委員会へ収支報告書を提出しており、東京都選挙管理委員会のホームページでも公表されておりますので、個別ケースについてのご質問には回答致しかねます」

 報酬審会長あるいは彼が経営する会社からパーティ券を買ってもらったかどうかについて、要は回答できないと言っている。

 ②の質問はこうだ。

「武蔵商事株式会社社長・宇田川氏は、田中区長を政治的に支援することを目的とした政治団体が主催する政治資金パーティの発起人になったことがあります。また、武蔵商事と杉並区の間には、保育室用の不動産物件や駐輪場の賃貸借契約が交わされており、年間約2800万円の支払いがされている事実が確認されています。
 こういう区と利害関係をもち、かつ政治的に区長と密接な関係のある企業経営者が、区報酬等審議会の会長になり、昨年11月に、特別職職員や議員の報酬・給料・期末手当の引き上げを答申したことについて、宇田川氏を報酬審の委員に任命することは区政と一部業者との癒着であり、不適切ではないかとの批判が多数の区民によってなされています。
 つきましては、宇田川氏を報酬審委員に任命し、会長となった経緯、およびこの人選を不適切だとの批判にたいしてどうお考えになるのか、ご意見を聞かせてください」

 これに対してはつぎのように「答え」ている。

「杉並区報酬審議会は、区議会議員の報酬及び政務活動費の額並びに区長・副区長の給料の額を変更の(ママ)条例を提出するときに区長の諮問に応じ審議するため設置された附属機で、杉並区特別職報酬等審議会条例により区の区域内の公共的団体等の代表者、その他区民のうちから区長が委嘱する10人以内をもって組織するとしております。…」

 報酬審の役割や委員の委嘱の仕組みをだらだらと説明している。そんなことはいわれなくてもわかっていることだ。自分を政治的に応援している人物を区長が委嘱=任命していることをどう考えるのかというのが質問の趣旨なのだが、どこまで読んでも答えらしい部分はみつからない。

「…宇田川氏につきましては、一私企業の代表としてではなく、区内の産業団体である東京商工会議所杉並支部から推薦をいただき、委員を委嘱しております。宇田川氏は、会長として常に公平公正な議事運営に努められており、人選につきましては何ら問題ないものと考えております」

 一私企業の代表で区や区長と金銭を通して密接な関係があったとしても、あくまで「一私企業の代表として」委嘱したのだから問題ないということらしい。そして、その一私企業の代表であって田中氏の政治資金パーティの発起人をしながらもあくまで「一私企業の代表としてではなく」報酬審の委員になった人物=宇田川紀通氏が会長をする報酬審で、区長の報酬を引き上げるべきだとの答申が出され、おそらくは田中氏を喜ばせたことについてすら、これは「公平公正な議事運営」のあらわれだといいたいのだろう。

 言っていることに論理的な整合性がなく、「癒着ではないのか。どう思うのか」という質問に対する答えにもなっていない。単に字数を埋めただけである。

 政治家は自分の言動について説明できなければ信用を失う。自治体の首長も、質問に対して説明するのが仕事のようなものだ。区民がおとなしいのをいいことに適当にごまかしていればいいと考えたのかもしれない。

 アメリカの大統領選挙であれば、田中氏のような稚拙な説明しかできない候補者はまちがいなく相手候補に論破されて聴衆に見放されるだろう。

 回答の方法も内容も、どちらも公私の区別がついていない田中区長の対応は、首長として、あるいは政治家としての「品性と知性の劣化」を強く感じさせる。