宇田川報酬審会長の不動産会社に杉並区の税金から年間2800万円が支払われていた

 特別職・議員の報酬引き上げを答申した杉並区報酬等審議会の会長・宇田川紀通氏をめぐり、杉並区との癒着をうかがわせる事実がわかった。宇田川氏が経営する不動産会社や親族と杉並区との間で、自転車置き場や保育所用の不動産賃貸などの契約がなされ、月額220万円、年間で約2800万円を支払っていることが情報公開請求で開示された文書により確認された。

 賃貸借契約は2件あり、いずれも荻窪地域。1件はマンション3階部分202平方メートルを区保育室用に借りたもので、宇田川氏が社長を務める武蔵商事と親族とみられる宇田川幸子氏を貸主とし、杉並区との間で、賃料と管理費月額80万7667円(税込み)とする契約を締結。契約の日付は山田宏区長時代の2010年1月29日付。賃料は当初税込み78万5232円だったが、消費税増税にともなって引き上げられている。別途光熱費が月あたり9万円あまりかかっている。支払先は武蔵商事となっている。

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 もう1件は、荻窪西第一自転車駐車場(地上2階建て、敷地約300平方メートル)の賃借契約。杉並区と地権者の武蔵商事との間で、賃料を月額142万8572円とする賃貸借契約を結んでいる。こちらの契約は2013年8月5日付。田中区長のときだ。

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 2件あわせると年間約2800万円が杉並区から宇田川氏の会社に支払われている計算だ。
 
 宇田川氏と田中区長の仲については、特別職・議員の報酬引き上げを答申した杉並区報酬審の顔ぶれ でも報じたとおりだ。田中氏の政治団体が主催する政治資金パーティの発起人に宇田川氏はなっていた。つまり、田中区長は、自身の有力な後援者を報酬審会長に任命し、区長を含む特別職の報酬を引き上げるような答申を出させた。「出させた」と書いたが、そう表現するほかない。報酬審は形ばかりで、1回の会合でひきあげを決定した。あらかじめ区長部局で起案したものを儀式として追認したとしか考えられない。

 そして、その後援者である宇田川氏にも、しっかりと区の税金からカネがながれていたことが今回の調査で明らかになったわけだ。見苦しい癒着というべきではないか。

 区長をはじめとする特別職と議員の報酬が引き上げられたのと同時に、区営施設の利用料など手数料が引き上げられた。杉並区民はとことんバカにされている。

 田中区長の見解を追って取材したい。

日本軍が朝鮮女性等に”強制的”に売春行為をさせた事実などないーーと吉田あい杉並区議が妄言

日本軍が朝鮮女性等に”強制的”に売春行為をさせた事実などないーー。おそるべき妄言というほかない記述を、現職自民党杉並区議会議員の吉田あい氏が、自身のブログに書き込んでいたことがわかった。2011年10月13日付の、「慰安婦問題デモに社民党議員が…」と題する記事のなかで、こう述べている。

http://yoshida-ai.com/index.php?itemid=992

・・・「従軍慰安婦」に関しては 研究が進み、
“ 日本軍が朝鮮女性等に 強制的 ” に
売春行為をさせた事実などない事は、
今や周知の事実です。

実際、
元慰安婦3人と元挺身隊7名の韓国人女性が
公式謝罪と損害賠償を求めた裁判では、
強制連行の証拠が認められないとし、
最終的には 慰安婦側が敗訴しています。
(1998年4月・山口地裁は一部事実を認めるも、
広島高裁は一審を棄却、最高裁への上告も棄却。
2003年3月に慰安婦側の敗訴確定。)

「“ 日本軍が朝鮮女性等に 強制的 ” に売春行為をさせた事実などない」どころか、その正反対の出来事こそが世界中で「周知」されている事実だろう。しかも、「売春」といったなまやさしい代物ではなく、大規模かつ組織的な売春・日本軍兵士との性行為の強要・強姦が、日本軍・軍属が直接・間接的な加害者となって行われた。「強制的」に連行したとかしないとか、といった瑣末な点で「慰安婦」問題に関する日本政府の責任を否定する動きはあったとしても、大状況としての組織的な重大犯罪行為がなされた事実は動かしがたい。

また、吉田議員が引用しているのは98年4月27日に山口地裁下関支部で言い渡された判決や、それにつづく広島高裁判決(2001年3月29日)などをさしていると思われるが、「強制連行の証拠が認められない」などといった判断がなされた形跡は、判決文をざっと見た限りでは、ない。この点は判決文をよく点検したうえで確認したい。

ともあれ、「強制的に売春行為をさせた事実などない」として、その理由に上の裁判結果を紹介する吉田議員の記事には、疑問を禁じえない。件の裁判とは、おぞましい方法で自由の剥奪と性行為の強要がなされた数々の事実を認めたうえで、国に責任があるか否かといった法的解釈が争点となった事件なのだ。日本兵相手の性行為の強制=強制的な売春、あるいは強姦という事実が、制度として存在し、原告たちに深刻な被害をもたらしたことを認めたうえで、1審が一部国の責任を認定し、2審は責任なしという判断を行った。そして最高裁が2審判決を支持したという事件である。

裁判で原告が敗訴したからといって、性行為の強制が否定されたわけではない。吉田議員の記事内容には重大な事実誤認がある。そういわざるを得ない。

判決文を読み返し、さらに詳細な分析を行うことにする

自民党杉並区議会議員が政務活動費で”宣伝ビラ”大量印刷

「杉並区議会自由民主党/私たちは杉並区の専門家です」

そんな大見出しのついたA3版両面カラー刷りのチラシが杉並区内14万戸に新聞折り込みで配布されたのは2015年はじめのことだ。チラシには自民党杉並区議12人の写真とプロフィールが掲載されている。自民党の宣伝ビラにしかみえないシロモノだが、この印刷費の大半にあたる80万円が区民の税金から出されていることがわかった。

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2014年度政務活動費収支報告書と添付された領収書類によれば、15年1月28日付で、上記チラシ15万2250枚の印刷代120万円のうち80万円が自民党区議8人の政務活動費から払われていた。支出先は株式会社佐野(杉並区堀ノ内)。請求書の宛名は杉並区議会自由民主党で、品名は「討議資料」となっている。また「新聞折り込み分14万6250枚」「個人使用分6000枚」とある。

自民党区議会議員は12人おり、それぞれが10万円ずつ出したとみられるが、政務活動費でまかなったのはこのうち8人。領収書の宛名は各議員名で、ただし書きは「討議資料」となっている。

政務活動費を支出した自民党区議はつぎの8人。

・大熊昌巳ookuma meisai

 

・今井ひろし

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・大和田伸

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・小泉やすお

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・富本卓

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・はなし俊郎

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・脇坂たつや

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・吉田あい

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残りの4人は議員報酬や期末手当などの収入から出したか、政治資金でまかなったとみられる。

政務活動費は政治活動や選挙活動、政党活動には使えない。切り分けが難しい場合は按分して分ける努力をするのが原則だ。

ところが、問題のチラシの印刷費を政務活動費で支出した自民党議員らは、8人全員がまったく按分をせず、負担分の10万円をすべて公費で支出している。チラシの内容はあきらかに政治活動の趣旨が濃厚で、税金をつかって党や自身の宣伝をしているに等しい。

チラシをみると、面積の約半分が議員らの写真や名前、「自由民主党」の大文字で占められている。名前や写真を広く区民に知らせることが「政務活動」というのは苦しいだろう。あきらかに政治活動というべきである。つぎに記事部分をみても、自民党議員の実績を自画自賛する内容ばかりで、やはり宣伝色が強い。そもそも議員が有権者に向けて報告をする際、政治活動の意味をもたないというのはあり得ない。

つまり、写真やタイトル部分は100%政治的な活動、記事は甘くみても50%が政治的活動とみるべきだろう。結論として、按分25%が妥当ではないか。議員ひとりの支出上限は2万5000円である。

政務活動費の前身は政務調査費だった。不明瞭な補助金が出されていることに対する批判から、透明化と使途の明確化をめざして立法化されたのがはじまりだ。「政治活動には使えない」という部分がとくに重要なのだが、自民党杉並区議会議員にそれが理解できているのかは疑わしい。

「杉並区の専門家」を名乗るのであれば、即刻返金すべきである。それをしないのであれば、「杉並区の”税金をかすめとる”専門家」と改めたほうがより正確だろう。

杉並区政務活動費 「区政報告」に大金一括投下型に移行か

地方議員にたいする「第二の報酬」との批判が強い政務活動費(杉並区議は年間上限で192万円)だが、杉並区議会議員の使い方に変化があらわれた。従来は、事務所費や交通費、備品の購入など細かい支出を行うのが一般的で、たびたび不当だとの指摘がなされていた。それが2014年度分の安斎あきら議員(元民主党。現職東電社員、電力総連加盟の東電労組政治連盟の支持)の例をみると、「区政報告」の印刷・配布費用として192万円のすべてを支出している。前例のない使い方である。

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安斎氏の2015年度政務活動費収支報告書と関連の領収書類によれば、2度のカラー刷り「区政報告」を発行。それぞれ約2万部印刷し、6000部郵送しており、それぞれ約100万円を支出。計199万9907円を按分なしで計上している。支払先は(株)ミットワークス。

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印刷物の内容は、議会の質疑を抜粋してはりつけただけのもの。「手抜き」の印象はぬぐえない。議会のホームページでもみることができるし、自身のホームページで紹介することも可能だ。年に2度の報告に、200万円もかけた印刷物をつくって議事録を転載するなど、名前を売ることを目的としているとしか理解のしようがない。つまり選挙にそなえた政治活動とみるのが妥当だろう。記事を書けば「政治活動」とみられて按分を強いられるので、あえて議事録を載せるだけにして「政務活動ですよ、政治活動ではありません」とアリバイづくりをしたというところではないか。

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安斎議員はかつて、事務所のマンションの賃借料の半分(年間51万円)を政務調査費や同活動費で払っていた。ところが後援会「安斎あきら後援会」からも同額の賃借料が本人あてに払われていたことが判明し、支出上限を超えているとして25万円の返還を求める住民訴訟を、筆者が原告となっておこした。そして判決で違法性がみとめられ、3年分75万円以上を返還した。

こうした経緯をふまえて、安斉議員は政務活動費を事務所費に使うことをやめ、かわりに「区政報告」費に投入する方針に変えたらしい。しかし、年2度のチラシ配布、しかも区議会のホームページでみることのできる議事録を200万円もの税金をつかって送ることには違和感がある。

金額は安斎議員よりすくないものの、自民党議員を中心に数十万円~100万円以上の「区政報告費」を支出する例がでている。自民党の浅井くにお議員(元杉並区職員)は、2014年度1年で155万6937円を支出。安斉氏と同様に2種類のチラシを2度配布している。配布方法は郵送とポスティング。そしてチラシの内容は、やはり安斉氏と同じで、議会の質疑をそっくり転載している。按分はしていない。

こうした政務活動費の使いかたが、今後一般化する可能性がある。

すぎなみオンブズなど住民による監視をきらってのことと推測されるが、「区政報告」の印刷配布に政治目的がたぶんに含まれていることは明らかであり、「按分」すべきだとの指摘が早晩なされるだろう。自主的にあらためる動きがなければ、住民監査請求や住民訴訟に発展するのは必至だ。