日本軍が朝鮮女性等に”強制的”に売春行為をさせた事実などないーーと吉田あい杉並区議が妄言

日本軍が朝鮮女性等に”強制的”に売春行為をさせた事実などないーー。おそるべき妄言というほかない記述を、現職自民党杉並区議会議員の吉田あい氏が、自身のブログに書き込んでいたことがわかった。2011年10月13日付の、「慰安婦問題デモに社民党議員が…」と題する記事のなかで、こう述べている。

http://yoshida-ai.com/index.php?itemid=992

・・・「従軍慰安婦」に関しては 研究が進み、
“ 日本軍が朝鮮女性等に 強制的 ” に
売春行為をさせた事実などない事は、
今や周知の事実です。

実際、
元慰安婦3人と元挺身隊7名の韓国人女性が
公式謝罪と損害賠償を求めた裁判では、
強制連行の証拠が認められないとし、
最終的には 慰安婦側が敗訴しています。
(1998年4月・山口地裁は一部事実を認めるも、
広島高裁は一審を棄却、最高裁への上告も棄却。
2003年3月に慰安婦側の敗訴確定。)

「“ 日本軍が朝鮮女性等に 強制的 ” に売春行為をさせた事実などない」どころか、その正反対の出来事こそが世界中で「周知」されている事実だろう。しかも、「売春」といったなまやさしい代物ではなく、大規模かつ組織的な売春・日本軍兵士との性行為の強要・強姦が、日本軍・軍属が直接・間接的な加害者となって行われた。「強制的」に連行したとかしないとか、といった瑣末な点で「慰安婦」問題に関する日本政府の責任を否定する動きはあったとしても、大状況としての組織的な重大犯罪行為がなされた事実は動かしがたい。

また、吉田議員が引用しているのは98年4月27日に山口地裁下関支部で言い渡された判決や、それにつづく広島高裁判決(2001年3月29日)などをさしていると思われるが、「強制連行の証拠が認められない」などといった判断がなされた形跡は、判決文をざっと見た限りでは、ない。この点は判決文をよく点検したうえで確認したい。

ともあれ、「強制的に売春行為をさせた事実などない」として、その理由に上の裁判結果を紹介する吉田議員の記事には、疑問を禁じえない。件の裁判とは、おぞましい方法で自由の剥奪と性行為の強要がなされた数々の事実を認めたうえで、国に責任があるか否かといった法的解釈が争点となった事件なのだ。日本兵相手の性行為の強制=強制的な売春、あるいは強姦という事実が、制度として存在し、原告たちに深刻な被害をもたらしたことを認めたうえで、1審が一部国の責任を認定し、2審は責任なしという判断を行った。そして最高裁が2審判決を支持したという事件である。

裁判で原告が敗訴したからといって、性行為の強制が否定されたわけではない。吉田議員の記事内容には重大な事実誤認がある。そういわざるを得ない。

判決文を読み返し、さらに詳細な分析を行うことにする