杉並区政務活動費 「区政報告」に大金一括投下型に移行か

地方議員にたいする「第二の報酬」との批判が強い政務活動費(杉並区議は年間上限で192万円)だが、杉並区議会議員の使い方に変化があらわれた。従来は、事務所費や交通費、備品の購入など細かい支出を行うのが一般的で、たびたび不当だとの指摘がなされていた。それが2014年度分の安斎あきら議員(元民主党。現職東電社員、電力総連加盟の東電労組政治連盟の支持)の例をみると、「区政報告」の印刷・配布費用として192万円のすべてを支出している。前例のない使い方である。

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安斎氏の2015年度政務活動費収支報告書と関連の領収書類によれば、2度のカラー刷り「区政報告」を発行。それぞれ約2万部印刷し、6000部郵送しており、それぞれ約100万円を支出。計199万9907円を按分なしで計上している。支払先は(株)ミットワークス。

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印刷物の内容は、議会の質疑を抜粋してはりつけただけのもの。「手抜き」の印象はぬぐえない。議会のホームページでもみることができるし、自身のホームページで紹介することも可能だ。年に2度の報告に、200万円もかけた印刷物をつくって議事録を転載するなど、名前を売ることを目的としているとしか理解のしようがない。つまり選挙にそなえた政治活動とみるのが妥当だろう。記事を書けば「政治活動」とみられて按分を強いられるので、あえて議事録を載せるだけにして「政務活動ですよ、政治活動ではありません」とアリバイづくりをしたというところではないか。

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安斎議員はかつて、事務所のマンションの賃借料の半分(年間51万円)を政務調査費や同活動費で払っていた。ところが後援会「安斎あきら後援会」からも同額の賃借料が本人あてに払われていたことが判明し、支出上限を超えているとして25万円の返還を求める住民訴訟を、筆者が原告となっておこした。そして判決で違法性がみとめられ、3年分75万円以上を返還した。

こうした経緯をふまえて、安斉議員は政務活動費を事務所費に使うことをやめ、かわりに「区政報告」費に投入する方針に変えたらしい。しかし、年2度のチラシ配布、しかも区議会のホームページでみることのできる議事録を200万円もの税金をつかって送ることには違和感がある。

金額は安斎議員よりすくないものの、自民党議員を中心に数十万円~100万円以上の「区政報告費」を支出する例がでている。自民党の浅井くにお議員(元杉並区職員)は、2014年度1年で155万6937円を支出。安斉氏と同様に2種類のチラシを2度配布している。配布方法は郵送とポスティング。そしてチラシの内容は、やはり安斉氏と同じで、議会の質疑をそっくり転載している。按分はしていない。

こうした政務活動費の使いかたが、今後一般化する可能性がある。

すぎなみオンブズなど住民による監視をきらってのことと推測されるが、「区政報告」の印刷配布に政治目的がたぶんに含まれていることは明らかであり、「按分」すべきだとの指摘が早晩なされるだろう。自主的にあらためる動きがなければ、住民監査請求や住民訴訟に発展するのは必至だ。