「慰安婦」は「風俗店店員」だという田中ゆうたろう杉並区議の見識を問う


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(写真)場最前列で堂々と居眠りをする(傍聴席からはそうみえる)田中ゆうたろう議員

「慰安婦」は現在の「風俗店女性店員」――田中ゆうたろう杉並区議が2014年1月に自身のブログで、戦時中の大日本帝国政府・軍・軍属が関与した「従軍慰安婦」について、的外れな表現をしていることが、読者からの指摘でわかった。

 2014年1月21日付の記事で、米カリフォルニア州グレンデール市が市内に「慰安婦」像や碑を設置したことに関連して、田中議員は松浦芳子区議らとともに訪米し、同市に抗議文を渡したといったいきさつを、自身の考え方をまじえて報告している。

 そこでこんなことを書いている。



 公園内の「慰安婦」像と、そのそばに添えられた碑文も、実際にこの目で見て来ました。このブログをお読み下さっている全ての日本人に申し上げたいことは、ぜひ、皆様もその目で、この禍々しい像や碑の内容を確かめて来て頂きたいということです。百聞は一見に如かず、です。

「20万人以上の女性が日本軍によって拉致され、強制的に性奴隷にされた。私はその性奴隷だ」

 全く根拠のない、捏造された虚偽の歴史が憚ることなく碑に刻まれ、着々と既成事実化されつつある現実を目の当たりにして、背筋に冷たいものが走るのは、私達11人の渡米議員団だけではないでしょう。

 この公園に遊ぶ子供達は、このような発達段階を全く無視した有害情報に、幼くしてさらされることになります。これほど間違った性教育などないでしょう。子供達には、もっと心の温まるようなモニュメントを設置して頂きたいものです。

 そもそも、日本軍が強制的に女性を拉致し慰安婦とした事実など、存在しません。また「慰安婦」を「性奴隷」と訳すことも明確な誤りです。「慰安婦」は、強いて今の言葉で言うならば、「風俗店女性店員」に当たると言えるでしょう。

http://blog.tanakayutaro.net/article/85680493.html

「慰安婦」と日本軍、軍閥の関与については、吉見義明氏の研究でつまびらかにされている。たとえば『従軍慰安婦資料集』(大月書店)に数々の証拠が紹介されている。

 被害者の数がどうであるとか、「強制」の程度や具体的な方法がどうだったか、といった手口の細部については、研究・議論の余地はたくさんあるだろう。だが、歴史の大きな事実として、国家権力の発動のもとで軍事侵略がなされ、それにともなって大規模な性暴力と奴隷扱いが行われたことは動かしようがない。

「慰安婦」というのが「慰安」される側の表現だとすれば、逆に本人の意に反して「慰安」を強いられる側に立てば「性奴隷」と表現することは当然だろう。性奴隷という言い方がしごく自然で適格であると私は思う。もちろん、風俗店女性店員であろうとも、奴隷的な扱いを受けている例もあるだろう。それも「性奴隷」と言い得る。

 田中区議の主張は、なにがなんでも日本軍の犯罪性を否定し、正当化しようと無理をしているようにみえる。大日本帝国政府による侵略の事実と敗戦、その結果としての現在のアメリカによる軍事・経済・政治支配という厳しい現実を前にして、それを直視し、向き合う勇気がないのかもしれない。

 グレンデール市の「慰安婦」像撤去をもとめる裁判は、却下となって早々に決着した。性奴隷じゃない風俗店店員なのだ、と田中氏がかの地で言ったかどうかは知らないが、彼を選出した杉並区民として私は恥ずかしさにかられる。

 もっとも田中氏がどう考えるかは田中氏の自由である。問題はこういう人物を議員という公職に選んでしまう側にある。