阿佐ヶ谷「杉1小」官製地上げ計画の申請・契約書類公開

 情報公開で入手した阿佐ヶ谷「杉1小」官製地上げ計画の申請書と設計などの契約書です。

・申請書類その1(約5Mバイト)
・申請書類その2(約5Mバイト)
・申請書類その3(約14Mバイト)
・申請書類その4(約14Mバイト)

・申請書一括(※注意約40Mバイトあります)

・双葉社と杉並区の契約書(約8Mバイト)

議場でのヘイトスピーチに手をこまねく杉並区議ら

 9月12日の杉並区議会本会議で、佐々木千夏議員が特定の民族を激しく侮辱する内容の不規則発言を行った。議員の品位保持を義務づけた地方自治法132条違反はもちろん、ヘイトスピーチ解消法に抵触する恐れもある内容だ。

 しかし、懲罰動議は出されておらず、発言取り消し命令がだされるかどうかも現在のところ不明だ。議会として毅然とした対応ができるのか、注目される。

 この日、佐々木議員は、
 
 朝鮮通信使が日本各地で歓迎を受けたという教科書の記述について、

「これはまったくの嘘です。じつは・・・いやほんとなんです。全国でじっさい女性に対する暴行ですとか殺人も、いまでいう関東連合のようなやくざのような、いやこれほんとうなんです。各地でそうした問題を起こしております。これはじっさいいろいろな武田恒泰先生とか有識者の方が動画などで、これはまったく嘘だ、各地で暴行殺人、強盗を繰り返していた凶悪犯罪者集団であったと教えられています。・・・え根拠ってほんとです。記録が残っているんです・・・そして・・いえ、恥ではない、ほんとのこと申し上げているんです。いえ、根拠って本当のことですから・・本当です」

 などと、新説をとうとうと語った。

 大日本帝国が朝鮮半島を植民地化していた時代に、朝鮮民族に対して日本名を強制した「創氏改名」についても、

「じっさい朝鮮人のほうから、海外で仕事をする際に朝鮮人だと差別されるので日本式に変えてほしいという要望があって、日本政府も仕方なく許可したという事実があります」

 と、独自の見解を披露した。

 さらに大日本帝国が韓国を植民地にしていた事実をも否定し、「韓国が助けを求めてきたんです。救済を求めてきたので仕方なく併合したというのが歴史的事実です」と述べた。

 議場が騒然とするなかで、佐々木議員は「ハッキリ言って帰化人や朝鮮人が中にいるからこうした教科書が罷り通っているんです。それによって日本人がどれだけ損害を受けているか!」と語気をあらげて露骨な差別的発言を行った。

 これら一連の発言に対して、井口かづ子議長は13日の本会議で、自治法129条1項にもとづいて発言の留保を宣告、内容を精査した上で必要があれば取り消しを命じるという対応をとった。

 懲罰動議の提出(6人以上の議員によって可能=地方自治法134・135条。事案の発生から3日以内と会議規則で規定)も検討された模様だが、実現していない。佐々木議員の差別的言動は、区議会で行う内容としては常軌を逸しているというほかない。懲罰動議をださなかった事実は、杉並区議会議員の感性の鈍さの裏返しといえる。

 筆者は18日、議長が発言取り消し命令を出すよう求めた陳情を提出した。

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杉並区議会議長あて

「佐々木千夏議員の不規則発言に対して、地方自治法129条1項に基づく取り消し命令を出すよう求めることに関する陳情」
 
(主旨)
2019年9月12日の本会議一般質問において、佐々木千夏議員が通告内容を大きくはずれて、特定の民族、国籍の住民を不当に攻撃する発言を行ったので、議長権限においてこれを取り消す命令を出すよう求める。

(理由)
 地方自治法132条は、地方議会の議員に対して、議会や委員会で「無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない」旨定めている。また、いわゆるヘイトスピーチに対する法規制もなされているところである。佐々木議員の当該不規則発言は、特定の民族、国籍保有者を不当に差別し、攻撃する内容であり、区議会議員が議場で行うべきものではない。地方自治法129条第1項は、自治法に違反した議員に対して、その発言を取り消す命令を出す権限を議長に与えている。同条同項に基づき議長は取り消し命令を出すべきである。

商店会補助金不正による損害回復もとめる住民監査請求申し立て

 杉並区議会が9月10日にはじまる。阿佐ヶ谷駅前の「小学校用地地上げ計画」や西荻窪の都市計画道路問題など、区民生活に深刻な影響を及ぼす計画が続出しており、それらに関する質疑がなされることが予想される。ならんで重要な問題が、西荻窪商店会の補助金「不正受給」問題である。なんらかの報告が区から議会に対してなされる見通しである。
 
 2014年度から18年度まで、2つのイベントに関連して商店会に支給された区と都の補助金の使いかたに不正があったとして、都が区に対して違約加算金を含む補助金(都負担分)の全額2400万円あまりの返還を命じた事件である。区はすでに都に返還した。

 現在内部調査が進められているが、取材をするなかで疑問にぶつかった。どうやら区は、都に返還した都負担分の補助金と加算金、そして区が支出した補助金、計3500万円について、その全額を最終的な受給者であるに商店会側に請求するわけではなさそうなのだ。つまり、相当部分が区の損害になり、それを区民がかぶる可能性がある。
 
 区の責任で損害が発生したのであれば、支出の責任者である区長が弁償すべきだと考えた筆者は、本日(9月4日)、下記のとおり杉並区監査委員に対して住民監査請求を申し立てた。読者のみなさまのご支援を仰ぎたい。

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杉並区職員措置請求書
杉並区監査委員御中
2019年9月4日

1 請求の趣旨
 東京都商店街チャレンジ戦略支援事業費補助金(2017年度までは「東京都新・元気を出せ!商店街事業費補助金」)ならびに杉並区商店街チャレンジ戦略支援事業費補助金(2017年度までは「杉並区新・元気を出せ!商店街事業費補助金」として、2014~18年度の間に、区が窓口となって「ハロー西荻」事業と「西荻おわら風の舞」事業に対し、不当・違法に支出した補助金について、この全額(都に対して既に返還した違約加算金を含む全額および区が支出した補助金の全額)、ならびに区が支出した同補助金に対する民法704条所定の遅延損害金について、補助金受給者からの回収をはかり、また不足分については区長に賠償させるなど必要な措置を求める。

2 請求の理由
(1) 区は、東京都商店街チャレンジ戦略支援事業費補助金(2017年度までは「東京都新・元気を出せ!商店街事業費補助金」)ならびに杉並区商店街チャレンジ戦略支援事業費補助金(2017年度までは「杉並区新・元気を出せ!商店街事業費補助金」)として、2014~18年度の間に、「ハロー西荻」事業費、「西荻おわら風の舞」事業費名目で、西荻窪商店会連合会関連団体に対して補助金計3404万円を支給した(以下本件補助金という)。
 なお、同補助金は補助金受給希望団体が区に申請し、区を窓口として都の補助金と区の補助金を一括して交付する、いわゆる「間接補助金」制度である。
 本件補助金の支給状況は以下のとおりである。 

① 「ハロー西荻」
・2014年度 540万3000円(区216万1000円、都324万2000円)
・2015年度 520万1000円(区207万7000円、都312万4000円)
・2016年度 430万4000円(区172万2000円、都258万2000円)
・2017年度 451万6000円(区181万1000円、都270万5000円)
・2018年度 517万9000円(区207万1000円、都310万8000円)

 ①合計2460万3000円(区984万2000円、都1476万1000円)
 
②「西荻おわら風の舞」
・2014年度 185万7000円(区74万2000円、都111万5000円)
・2015年度 179万3000円(区71万7000円、都107万6000円)
・2016年度 191万5000円(区77万円、都114万5000円)
・2017年度 193万1000円(区77万2000円、都115万9000円)
・2018年度 194万1000円(区194万1000円、都なし)

 ②合計943万7000円(区494万2000円、都449万5000円)

 ①+②合計 3404万円(区1478万4000円、都1925万6000円)
 
(2) 都の要綱によれば、補助金の申請や使途に不正があったばあいは、都知事は、当該補助金と年10・95%の割合による違約加算金を受給者に求めることができると規定しているところ、都は領収書の偽造などの不正があったとして、2019年7月10日、区に対して都支出の当該補助金全額と違約加算金10・95%の支払いを命じた。これに対して区は、8月6日、都から支給を受けた当該補助金全額にあたる1925万6000円と同日までの違約加算金497万5723円を返還した。

(3)ところで、杉並区チャレンジ商店街サポート事業補助金要綱は、不正な手段で補助金を受給したり目的外の使用をした場合は、区長は補助金の一部を変更できるとあり、すでに支払いがされている場合は返還を求めることができるむね定めている。
 本件補助金の受給者に不正があったことは明白であるが、補助金受給者に対してその全額を損害金とともに返還させるのが適当であることは、都が支出した補助金の全額返還を都が区に命じ、区が異議申し立てもなく応じている事実から明らかである。
 しかしながら、区は現在まで補助金受給者に対して返還請求を行っておらず、区に損害を与えている。
 損害額は、区が支出した補助金1478万4000円、都に返還ずみの2423万1723円(補助金元本1925万6000円と違約加算金497万5723円)の3901万5723円および、同金額に対する損害が回復される日までの民法704条規定の遅延損害金である(1478万4000円および1925万6000円に対しては補助金として支出された日の翌日を起算とし、497万5723円については2019年8月7日を起算日とする)。区長にはすみやかにこの損害を回復する義務がある。  
 
3 請求者
 杉並区阿佐ヶ谷南
 三宅勝久

 地方自治法第242条1項の規定により別紙事実証明書を添え、必要な措置を請求します。

4 事実証明書
「商店会による補助金不正受給について」と題する杉並区長作成の文書
http://miyakekatuhisa.sakura.ne.jp/wp2/wp-content/uploads/2019/09/190801souzai1.pdf

阿佐ヶ谷第一小学校地上げ計画の公聴会で特定意見を不当排除の疑い

 杉並区阿佐ヶ谷にある杉並第一小学校を現河北病院のある場所(地権者A氏が代表する会社からの借地)へ移転させ、それぞれの土地を交換するなどの内容からなる「区画整理事業」に強い批判が集まっているが、区はすでに認可申請を(区自身に対して)出しており、民意軽視で強行する姿勢だ。

 田中良区長は地権者A氏と河北病院の理事長から政治献金を受け取っている。腐敗行政のきわみというほかないが、7月17日に開催された公聴会のありかたについて疑問が生じた。

 公述人は10人以内、公聴会は原則1回--という公聴会の開催のありかたに疑問がある--という意見を述べるべく、筆者は7月10日、公述の申し込み手続きを行った。同日が締め切りであった。ところが、選考にあたって、この意見は対象からはずされていたことがわかった。
 
 市民有志が情報公開請求を行い、判明した。

 〈「阿佐ヶ谷駅北東地区土地区画整理事業」土地利用構想に係る公聴会公述申出書の選定について〉

 と題する文書である。それによれば、28件の公述申し出があり、要綱が規定する手順にそって10人の選定作業を区職員らで行った。その際、「No25」「No27」は「土地利用構想に記載された内容の範囲を超える趣旨である」として選考から除外した。そして残りの26件を、計画に「概ね賛成」「概ね反対」「どちらでもない」と分類し、それぞれの分類のなかでくじびきをしたとのことである。

 筆者の公述申し込みはNo27で、次の内容であった。

 〈公聴会の開催要領に疑問があります。意見陳述人は10人以内、開催回数は原則1回である旨区は広報している。しかし、その根拠は「要綱」である。要綱とは行政機関の内部規律や事務遂行のための必要事項を定めたものにすぎず、国民(住民)の権利・義務に関する定めとしての性格を有していないというのが定着した解釈である。よって「10人以内」「1回」という開催のあり方は違法である。この点について見解をただす。〉

 重大な影響のある計画なので、公述人や公聴会の数や限定することなく住民らが十分に納得するまで行うべきであるという趣旨の述べんとして記載した。

 これを選考からはじいた根拠は「杉並区土地利用構想に関する公聴会運営要綱」7条だと思われる。

〈要綱7条〉
 10人以上の申し出があったばあいは、次のとおり公述人を選定することができる
1 土地利用構想に記載された内容の範囲を超えないよう考慮する
2 意見の趣旨が多岐にわたるよう配慮する
3 1および2により選定し難い場合は、くじにより選定する

 なお、要綱とは、公述申し込み書に記載した筆者の意見のなかで触れているとおり、職員が事務遂行をするための規範であって、国民・住民の権利を拘束するものではない。権利を拘束するのは法令である。

 公述可能な意見を限定するとすれば、その根拠は法律、条令、規則である。そこで、都市計画に関する公聴会で発言可能な意見とはなにかを確認するために、関連法令をみてみよう。

 まず、都市計画法である。

〈都市計画法〉
第16条 都道府県又は市町村は、次項の規定による場合を除くほか、都市計画の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは、公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。

2 都市計画に定める地区計画等の案は、意見の提出方法その他の政令で定める事項について条例で定めるところにより、その案に係る区域内の土地の所有者その他政令で定める利害関係を有する者の意見を求めて作成するものとする。

3 市町村は、前項の条例において、住民又は利害関係人から地区計画等に関する都市計画の決定若しくは変更又は地区計画等の案の内容となるべき事項を申し出る方法を定めることができる。

 これを受けて、杉並区では「まちづくり条例」のなかで公聴会について定めている。
 
〈まちづくり条例〉
28条
…必要があると認めるときは、公聴会を開催することができる
3 公聴会の開催に関し必要な事項は、規則で定める

さらに同条例施行規則でこう定めている。

〈まちづくり条例施行規則〉
29条の7 意見を述べようとする区民・・は前条第2号の期間内に、公聴会公述申出書により、区長に申し出なければならない
29条の8 
 …申し出た者のうちから、公聴会において意見を述べることのできる者(公述人)を選定するのものとする
2 ・・公述人を選定し、または公述時間を定めるにあたっては、公平かつ適正に行わなければならない
4 区長は、必要があると認められるときは、参考人の出席を求めて意見もしくは説明を聴き、または必要な資料の提出を求めることができる。
29条の9
 ・・・土地利用構想に記載された内容の範囲を超えて陳述してはならない。

 「公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする」という法の規定を受けてつくられた杉並区の条例がまちづくり条例・規則であり、それを実行するための内規が「要綱」ということになる。
そして、これらの法令のうち、公述人の意見内容を制約している可能性があるのは、施行規則29条の9である。 

 したがって、筆者の公述申し込みを選考から排除した問題の是非とは、施行規則にうたう「(公述意見は)土地利用構想に記載された内容の範囲を超えない」という部分の解釈ということになる。

 一連の法令のながれをみれば、「土地利用構想に記載された内容の範囲を超えない」の趣旨が、計画の内容だけでなく、計画の進め方や手続きのありかたをも含む--と解釈するのが自然ではないだろうかと筆者は考えている。

 区は「意見」の内容を「賛成」「反対」と、ことさらに狭く恣意的に解釈し、それらに入らない「公正手続きを求める意見」を排除した。不当というほかない。

 なお、区は今回の公述申し込み開始の前日要綱を変更するという不自然な行動をとっている。従来は、くじびき方式で希望すれば立ち会うことを認めていた。それを、意見の種類に分類し、同種意見が複数ある場合は抽選をするというやり方に変えた。しかも抽選については申込者の立会いをなくし、公正さを減退させた。選定にあたっては「意見の趣旨が多岐にわたるよう配慮する」という条項が追加されたが、じっさいの運用は「賛成」「反対」「どちらでもない」という分類に入りきらない意見を排除し、「多岐」とは逆の結果をもたらしている。

以外要綱についた公正さが後退している。

阿佐ヶ谷「けやきの森」破壊に異議あり/シール投票

 区立杉並第一小学校(阿佐ヶ谷)がある区有地を民間地権者に譲渡(按分)し、区は対価として、同地権者が貸している現河北病院の土地を取得して小学校を移転、河北病院は地権者の自宅がある「けやきの森」に新設する--という阿佐ヶ谷地区の環境激変計画が、区民の意見をほとんど無視した状態で強行されようとしている。

 問題はいくつもあるが、都心部におけるきわめて貴重な森である「けやきの森」がほぼ消滅するというのもそのひとつだ。猛禽類のツミ(タカ目タカ科・絶滅危惧ⅠA類=ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの)の営巣が確認されている場所でもある。

 夏休み中盤の11日午後、「けやきの森」消滅計画についての意見を問うシール投票が区民有志の手により、JR阿佐ヶ谷駅前でおこなわれた。区民の関心は高く、1時間で111人が投票に参加した。「みどりを守りたい」「開発のためには仕方ない」「わからない」の3択の質問に対して、110人が「みどりを守りたい」を選んだ(「わからない」が1)。

 主催者によれば、シール投票はこんごも続ける意向だという。

西荻商店会補助金不正問題、区議会調査特別委設置なるか

 西荻窪商店会のイベント「ハロー西荻」「おわら風の舞」に関して、都の補助金の不正受給があったとして杉並区が都から2400万円あまりの返還を求めれる事態になっている。田中区長が7月25日に記者会見をして公表し、新聞やテレビが報じた。

 日本共産党杉並区議団の報告が詳しいので、そこから引用したい。同区議団の「見解」によれば、イベント出演者の出演料水増しや協賛金を集めながら会計に計上しないなどの方法で「裏金」をつくり、飲食費にしたとして、2014年度から18年度まで5年間で約963万円を水増しして補助金を請求した。昨年5月には、すでに区に情報提供があったが区は手をこまねいており、とうとう都のほうから補助金全額に違約加算金を加えた2400万円の返還を求められる事態となったという。

 内部告発に対して隠蔽をはかった疑いがある。調査特別委員会の設置について区議会は会派で検討中とのことである。ただちに特別委をつくって検証をすべきだろう。

 

政治資金パーティの領収書の発行人は正体不明の任意団体/自民党国会議員の政治資金パーティ「ステルス」領収書を問う

 自民党国会議員の政治資金収支報告書を調べていて重大な問題に気づいた。政治資金パーティのパーティ券を販売し、その際発行した領収書の発行人欄に、主催団体とは異なる任意団体の名前を書いている例が多数あるのだ。

 政治資金規正法8条の2の規定で、政治資金パーティは政治団体によって開催されなければならない。政治団体というのは総務大臣または都道府県選挙管理委員会に届け出をし、収支報告書の提出義務がある。したがって、政治資金パーティの主催者である政治団体が領収書に記載されるのは当然だと思うのだが、じっさいは「○○君を励ます会」などまったく素性のわからない名前、むしろ但し書きに書くべき内容が書いている。

 主催団体とは違う名前が領収書にあるのだから、主催団体がわからない。パーティの内容を知ろうとすると、関連のありそうな政治団体をまず探しだし、それぞれの収支報告書を点検してどこが主催者なのかを調べなければならない。いったい何のための領収書なのか、バカバカしくなってくる。

 政治とカネの流れを極力見えにくくしようとしているのではないか、そんな悪意を感じるだけでなく、適正な会計処理をしているのか疑いたくなる。

 この、いわば「ステルス領収書」を作成している自民党国会議員(関連の政治団体)は、確認できただけで100人を超す。参議院選挙に立候補中の前議員も9人いる。政治とカネの透明化をはかるはずだった立法も、国民がうかうかしていると、気づかないうちに姑息なやり方にごまかされ、やがては完全に骨抜きにされてしまうにちがいない。

○丸川珠代参議院議員(現在同候補)

領収書日付:2015年9月17日
領収書発行者の記載:「珠代さんを励ます会」
じっさいの主催団体:「丸川珠代の会」(総務大臣届 大塚珠代代表) 
収支報告書の記載:東京プリンスホテル 収入1373万2000円(751人)。経費426万9993円
※質問状を送付ずみ

○石井正弘参議院議員(現在同候補)

領収書日付:2015年10月29日
領収書発行者の記載:「参議院議員石井まさひろ君を激励する会」
じっさいの主催団体:「石井まさひろ後援会」(岡山県選管届、中島博代表)
収支報告書の記載:ANAインターコンチネンタルホテル東京地下1階ギャラクシー(港区赤坂)、収入1093万円(545人)、経費295万0870円
※質問状を送付ずみ

○武見敬三参議院議員(現在同候補)

領収書日付:2015年11月26日
領収書発行者の記載:「武見セミナー事務局」
じっさいの主催団体:「敬人会」(総務大臣届、武見敬三代表)
収支報告書の記載:ホテルオークラアスコットの間(港区)、収入2566万円(673人)、経費544万7278円
※質問状を送付ずみ
武見事務所からの回答:
〈武見セミナーの領収書の発行人が政治団体「敬人会」ではなく、武見セミナー事務局となっている理由ですが、武見が初当選した24年前に政治団体の「敬人会」名が後援会においても知られていなかった為、領収書は実際にセミナーを仕切る事務局名にて発行したと聞いております。武見事務所 秘書 吉川敬〉(7月19日)

○西田昌司参議院議員(現在同候補者)

領収書の日付:2015年12月1日
領収書発行者の記載:西田昌司東京政経セミナー事務局
じっさいの主催団体:一粒会(京都府選管届け出)
収支報告書の記載:都市センターホテル、収入824万円、経費約160万円
※追って質問状を送る予定。

○牧野京夫参議院議員(現在同候補)

領収書日付:2015年12月10日
領収書発行者の記載:「牧野たかお君を育てる会事務局」
じっさいの主催団体:「牧野たかお後援会」(静岡県選管届、柳川忠廣代表。国会議員関連団団体指定なし)
収支報告書の記載:憲政記念館(永田町)、収入711万円、経費71万1541円
※質問状を送付ずみ

○大沼瑞穂参議院議員(現在同候補) 

領収書日付:2017年4月6日
領収書発行者の記載:「大沼みずほ政経セミナー事務局」
じっさいの主催団体:「大沼みずほ後援会」(山形県選管届、亀瑞穂代表)
収支報告書の記載:ホテルルポール麹町3Fマーブル(千代田区)、収入2271万0016円(526人)、経費273万8551円
※質問状を送付ずみ

○三宅伸吾参議院議員(現在同候補)

領収書日付:2017年4月18日
領収書発行者の記載:「三宅伸吾君と共に日本を元気にする会事務局」
じっさいの主催団体:「成長戦略研究会」(総務大臣届、三宅伸吾代表)
収支報告書の記載:帝国ホテル、1158万円(332人)、経費454万6308円
※質問状を送付ずみ

○尾辻秀久参議院議員(現在同候補)

領収書日付:2017年10月2日
領収書発行者の記載:「尾辻秀久君を囲む会」
じっさいの主催団体:「自民党鹿児島県参議院選挙区第51支部」(鹿児島県選管届、三宅伸吾代表)
収支報告書の記載:ホテルニューオータニ(千代田区)、収入2060万円(450人)、経費595万4068円
※質問状を送付ずみ

○山下雄平参議院議員(現在同候補)

領収書日付:2017年12月21日
領収書発行者の記載:山下雄平君を励ます会(佐賀県選管届、中原茂代表)
じっさいの主催団体:山下雄平後援会
収支報告書の記載:都市センターホテル、収入916万円、経費100万4027円
※質問状を送付ずみ

 なお、山下雄平候補の事務所に質問した際、応対した職員は、私見と断った上でこう言った。
 「励ます会でパーティを呼びかけて開催した。会計を山下雄平後援会で行っただけだ。何が問題なのか。質問の意味がわからない」
 正式な回答は追って行うとのことである。