「球根」

「球根」

埋められた球根は
土と水と太陽にいざなわれて
のっぴきならないばくはつを遂げる
私はいま
私をとりまいている
土の手ざわり
水の手ざわり
陽の手ざわりをたしかめたしかめ
土の中にある球根
全部をかけて
花になるのを息をひそめて待つもの
どんなに
気をもんでももまなくても
来るだろうその日
私は
うまく咲くことが出来るか出来ないか
いらざる知恵にさいなまれ
いじくりすぎる
まがった球根

『記憶の川で』(塔和子、編集工房ノア)より

投稿者: miyakatu

ジャーナリスト

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