「財産交換」問題で紛糾/2月24日総務財政委員会より1 

 強い疑問と反対の声があがっている杉並区営施設「あんさんぶる荻窪」と杉並税務署周辺用地の交換計画について、2月24日、総務財政委員会で激しい論戦がかわされ、自・公・民主・平和の賛成多数で「財産交換」を是とする条例案が可決された。

 審議の過程でさまざまな疑問があらたに浮かんできた。本来なら議事録をたよりに大勢の目で計画を検証すべき問題だが、議事録ができるのは数カ月も先になるという異常というほかない状況にある。インターネットでの動画配信もなされていない以上、かぎられた傍聴者しか議論を知ることができない。議会の怠慢であり、区民が受けている損失ははかりしれない。

 本誌記者は傍聴すると同時に委員長の許可をえて録音を行った。以下、録音をもとに重要と思われた部分を書き起こして掲載したい。なお、意味のかわらない範囲で表現を簡略化したり、発言の一部を省略している。
 
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2月24日 杉並区議会総務財政委員会(抄録・一部省略)

(財産交換条例案の審議)

今井ひろし委員長:質疑にはいります。

浅井くにお委員(自民):平成22年12月の要望書について、経緯を。

松沢智・企画課長:当時の状況として、おおきな課題となるのが用地の確保であるという問題意識をもっていた。そうしたなか、H22年10月、財務省のほうから、老朽化した荻窪税務署の現地建替えのための工事費予算を概算要求した、そういった情報が入ってきた。区としては、当該用地についてはとなりの公務員宿舎をふくめて6000平米を超える広大な用地であることから、現地での単純な建替え方式ではなく、・・・荻窪駅周辺整備に関係し税務庁舎の集約がはかれれば跡地を有効活用できる可能性が生じるとともに、区民の利便性も向上すると考えた。当時はこれからあたらしい基本構想の策定という検討を開始しようとする時期でもあって、荻窪駅、荻窪のまちづくりへの寄与という観点からも、積極的な建替えを避けるべきとの判断のもとで工事の一時中止の要望をさせていただいた。

浅井:要望書には26年度までに供用開始とか、国に賃料を負担させないようにとか、かなり具体的にかかれている。26年度に供用開始の建物をどこに整備するつもりだったのか。・・賃料負担が発生しない方法として、当時どのような整備方法を考えられたのか。

松沢企画課長:財務省については、・・一定の理解を示してもらっていた。ただ、すでに予算の概算要求が行われている事業を止めるためには、具体的な要望を提出してもらう必要がある、そういった話があったなかで要望書を提出した。
要望書に記載した移転先については、まず現地建替えを休止してもらうことを最優先と考えておりました。その後具体的な検討を考える予定でした。平成26度という時期については、財務省は施設整備には一定の時間がかかることについて理解をしめしていただいていたが、とはいえ、工事を休止する以上、いつまでというおおよその目安を示してほしいという話はございました。そこで、実現可能と考える最短の期間と考えて、あくまで目安だが、平成26度としたものである。また国に賃料負担が発生しない方法ということについては、国が現地建替えを一時休止したあとでトータルで、条件面での協議を行うなかで詳細をつめていく、そう考えていた。

浅井:結果として具体的提案を国に対して出せなかった。どう考えているのか。

松沢企画課長:要望書提出後、区としては荻窪駅周辺の民間ビルの活用などさまざまな検討をしてきたが、東日本大震災、311が発生、同時に公務員宿舎の方南町住宅の建替え問題対応に追われたこともあって、H24年3月に基本構想、総合計画を策定していますが、そのときまでに具体策を提示できなかった。こういう事実がある。しかしながら、建替えを1年休止させることができた。そうすることによって将来用地活用の可能性を残せた、そういう意味でおおきな意味があったと考えている。

浅井:・・・(前略)その後の国とのやりとりはどう進展した? 早く施設整備するよう要請されたことはまったくなかったのか?

白垣学・政策経営部長:私が当時企画課長として財務省やりとりをしていましたが、まちづくり連絡会議などの機会をとらえて、「税務署の移転先いかがですか」ということをときにふれて尋ねられることはございましたが、執拗に対処をもとめられたり、ましてや責められたということはございません。・・・H25年7月、ちょうど財務省の担当者異動のあいさつに私のところに来て、首都直下地震の危険性が声高にさけばれていることに触れて、もうそろそろ建替えをしないとまずいという話があった。

浅井:国からの税務署建替えを先延ばしできないという発言がきっかけで財産交換という構想が出てきた?

松沢企画課長:国から先延ばしできない旨の話があった当時、再編整備計画、中間まとめを策定するための検討を行っていた。また議会からも特養を整備すべきだという意見をいただいていた。そうした検討のなかで、区としては特養整備のための大規模用地の確保、そして老朽化した税務署の区民サービス向上につながる効率的な建替え、この2つの課題を当時解決する方策として「財産交換」という手法を選択した。

浅井:・・・要望書はすでに廃棄してしまっており、国への情報公開請求ででてきた。財産交換との直線的な関係はないとはいえ、税務署建替えに関する国との交渉経過に関連する文書なので、文書管理についてもっと慎重な取り扱いが求められると考えられる。区はどう考えるのか。
 
松沢企画課長:当該要望文書はH22に要望を提出しまして、税務署の集約化のため移転先を具体的に提示できなかった。できなかったが国が税務署建替えを一時休止できたこと、まちづくり連絡会議を設置できたことをもって当初の目的を達成できたとわれわれは判断して、文書保存年限を経過したH26年3月に廃棄した。当時は国や都の施策、予算に関する要望について3年保存としていたこと等もあって、当該要望書も3年保存として、「意見・要望」というフォルダで保存していた。しかしながら、文書管理上、当該要望を一般の広報とか区政相談に関する意見・要望といったものと同じ分類をして保存していたことについては正確性を欠く部分があったのではないかと考えている。こんご文書管理についてはあらためて適正な管理を行うようにしていくとともに、国との文書のありかたについては、ご指摘もふくめて保存年限を検討することを考えている。

浅井:・・・財産交換をする区のメリットをうたがいたい。

福原善之・施設再編整備課長:メリットは6300平方メートルという大規模な用地を今回この財産交換により一体的に活用することができるようになる。そうすることで在宅介護者を支援する機能でもあるショートステイ、これを通常より多くおける。また医療・介護の面から高齢者・障害者のかた、在宅生活を支援する機能、こういったものを付加した施設をあわせて整備することができる。これがメリットであると考えている。

(略)

浅井:・・・H22年の要望書があとからわかるなど地域や議会に説明不足から誤解を生じさせた点もある。区はどう考えているか。

松沢企画課長:区としては、今回の財産交換は将来にわたる区民福祉のおおきな向上につながるものと考えている。平成25年11月に区立施設再編整備計画の修正素案を反映させて以降、そのむね繰り返し説明してきたが、誤解を招いた部分があるとすれば素直に受け止めさせていただいて、あらためてこんごともしっかりと説明させていただきたい。

(傍聴席「誤解じゃないよ!」)

浅井:この財産交換の先に、高齢者や子どもの福祉の拡大につなげてどのように未来を描いているのか。

宇賀神雅彦・副区長:・・・この施設が開設されれば、まちがいなく区民福祉の暮らしをささえる一大拠点になると思う。50年先を見据えても区民福祉の向上に大いに貢献すると確信している。

(傍聴席「何いってるのよ」)

(つづく)

 

投稿者: miyakatu

ジャーナリスト

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