埼玉県特別秘書違法支給問題で監査委員が「嘘の上塗り」か/福島県と類似した条例と知りながら強引に独自解釈

 埼玉県知事特別秘書に、過去40年以上にわたり条例違反の違法な高額給料・手当が支給されてきた疑いがもたれている問題で、給料額が開示されている現職秘書のみについて監査を行い「適法」と判断した県監査委員が、不自然な条例解釈を行っていることが情報公開で判明した新資料によって明らかになった。

 埼玉県知事特別秘書の給料は、条例によって「一般職職員の例により知事が定める額」となっている(昨年12月に改定)。これを根拠に一般職職員の給料表の最高額(約56万円)より9万円も高い約65万円の月額給料が支給れている(現秘書)。過去についても同様の違法性が疑われる支給がされてきた模様だが、金額は非開示にされており検証ができない状態にある。現在開示を求めてさいたま地裁で裁判を行っている。

 給与条例主義に反する支給がなされているのではないかと県議会でも問題となり、監査を請求。これを受けて県監査委員が監査を行った。結果、現職秘書についてのみ監査を行い、「一般職部長級職員の給料・手当(管理職手当込み)の支給総額とみあう額になるよう特別秘書(管理職手当は支給不可)の給料をきめてよい」とする県の考え方が誤りであり、一般職職員に支給しえる給料の上限額が特別秘書給料の上限であるとと指摘した。

 ここまでは常識的だが、問題はその次である。「一般職職員の例により知事が定める額」の解釈について、給料表の上限額に25%を加えた額を上限とすべきであるから、現秘書の給料額は違法ではないと判断したのだ。25%とは「調整額」のことだ。調整額とは特定の職種について給料額に一定の金額を加える仕組みで、その額は人事委員会で決め、その額は本給の25%を超えてはならないとなっている。調整額の適用を受けている一般職職員(医療職を除く)で、その給料額が給料表の最高額を超えるものはいない。

 最高額に25%を掛けた額が一般職職員の最高額という解釈はどう考えても無理がある。

 説明が長くなったが、この監査委員の判断が牽強付会であることをうかがわせる資料とは、監査の過程で監査委員が入手した「特別秘書給与に関する他県の規定状況」(平成30年4月調査)と題する文書だ。県が作成したとみられる。監査関連文書を情報公開して入手した。文書は特別秘書の条例を持つ23都府県について、条例の仕組み別に分類しており、冒頭のブロックは「一般職の職員の例による」とある。秘書の任用があるのは埼玉県と福島県の2つ。

 つまり福島県が「一般職の職員の例による」という条例をどう解釈しているか、上限額をどのように判断しているかが、埼玉県の問題にとってきわめて重要になってくる。なぜか、監査関連文書のなかに福島県の条例運用に関する記述はみつからない。黒塗りされているのかもしれない。

 そこで福島県に問い合わせたところ、次の回答が得られた。

 ・現秘書(小林大也)には46万5000円の給料を支給している
 ・課長級の7~8級の給料を支給している
 ・行政職給料表の最高額は10級21号の57万3900円だが、条例上この額を超えることはできないと解釈している。

 埼玉県も県監査委員は、埼玉とほぼ同じ条例を持つ福島県が「給料額は給料表の範囲内」との解釈を行っていることを知りながら、あえて「給料表最高額に25%を加えた額が上限額」という独自の解釈を強引にひねりだしたわけだ。むろん、「一般職の職員の例により」といった給料条例を、給料表の上限に25%を掛けた額を上限とみてよいなどという解釈をしている自治体は、おそらく日本中探しても埼玉県しかないのではないか。

 違法支給を合法化してみせた監査委員の行為はほとんど犯罪的である。

投稿者: miyakatu

ジャーナリスト

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