情報公開石器時代の福岡高裁 コピー郵送時の代金を1枚60円もとるやらずぶったくり 弁護士会と結託か

 福岡高裁の情報公開のコピー料が、1枚60円(郵送の場合)もかかることを知り、驚いたのが今年(2018年)2月ごろだった。福岡県弁護士会協同組合にコピー業務を委託する仕組みで、同協同組合が要求する金額が「1枚60円」なのだ。もちろん、郵送料は別である。

 弁護士会と裁判所と、いったいどんな契約がなされているのか。気になった筆者は、契約書その他の文書をたしかめるため、ただちに福岡高裁に対してあらたな情報公開請求を行った。

 その開示決定通知がきょう(2018年12月30日)筆者の手元に届いた。請求から10ヶ月を要した。内容はまだ確認できていない。というのも、開示決定を知らせる文書にも、やはり、郵送を希望する場合は「福岡県弁護士協同組合(謄写費用・片面1枚60円)に委託していただくことになります」と説明されていて、1枚60円の費用を要求しているからだ。300~400枚ある。2万円程度はかかりそうだ。「はいそうですか」と払う気にはなかなかなれない。

 幸い、近く福岡地裁に行く用事があるので、その際に開示文書の閲覧をして写真をとってくることにした。こうすれば費用はかからない。往復の飛行機代は事前に予約しているのでちょうど2万円ほどで済む。

 「1枚60円」は重大な人権侵害だと筆者は考えている。情報公開請求をやりにくくしているというのもそのひとつだが、それだけではない。民事・刑事の事件記録を複写する際にも、すべてこの「60円ルール」が適用される。自分でコピーするなら20円。裁判記録の謄写を依頼する場合、1000枚あれば6万円、1万枚あれば60万円かかる。裁判をやる上での大きな支障になり得る。

 なお東京地裁高裁は、業者(司法協会)に依頼する場合は1枚20円、自分で複写するなら10円だ。同じ量の記録を入手するのに、東京であれば3分の1以下の費用ですむ。もっとも以前はどんなコピーをしようとしても司法協会に頼まなければならず、1枚40円をとられていた。評判が悪かった。

 個人情報を守るという意味で、裁判記録のコピー業務を慎重にするのは理解できる。しかし費用をいくらとってもいいわけではなかろう。しかも情報公開請求は裁判所の職務である。裁判所自身がコピーをして請求者に送ればすむ話だ。それをわざわざ外部業者(弁護士会)に依頼して、高額のコピー代を利用者に払わせている。悪質な価格つり上げ、談合である。

 なぜ「60円」などという非常識な費用が通用しているのか。考えていくと、裁判所の情報公開制度は、きわめて不完全なものであることに気がつく。

 情報公開法は、開示を受ける際の費用について、使いやすい費用に努めよ、とうたっている。しかしこの法律は行政官庁が対象で、裁判所は入っていない。裁判所は、法的根拠はないものの自主的に情報公開制度の運営をしているが、結局不十分だ。「コピー代決定の特権」が生まれているのも、法律の根拠がないためだ。費用だけではない。開示・不開示の決定に対して裁判や審査会に訴える手続きもない。情報公開をやっている「フリ」なのだ。

 裁判所と同様に国会も情報公開法の対象外である。裁判所と国会を対象にした情報公開法を別途つくるべだーーそうした専門家の意見は20年前からある。しかしいまなお実現できていない。真の民主社会をめざすなら、これらの立法は必須ではないか。

投稿者: miyakatu

ジャーナリスト

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