埼玉県知事特別秘書給与をシロ判定した奇妙な監査結果、さらに疑問深まる

 埼玉県知事特別秘書の給料額が、条例では「一般職の職員の例による」と規定しながらも、一般職職員の給料表の最高額を大きく超えている問題で、違法性はないと判断した県監査委員の判断にさらなる疑問が浮上した。

 監査結果によれば、特別秘書の給料の上限額は一般職職員の給料額の最高額であるとしながらも、条例上「調整額」を加えることが出来る旨の条項があることを理由に、給料表の最高額(月額55万9000円)に調整額の最高比率(25%)をかけた約69万円が給料の上限額になるとして、現行の特別秘書給料65万円は違法ではないと判断した。

http://www.pref.saitama.lg.jp/e1801/h30-kansakekka.html

 そこで埼玉県人事委員会に「調整額」について問い合わせをしたところ、以下の事実がわかった。

・人事委員会は地方公務員法に根拠をもつ第三者機関で、一般職職員の調整額の決定を所管する部署である。
・決定内容は、給料の調整額に関する規則に明記している。
・各専門職に適用しているものであって個別職員について調整額制度を用いることはない。
・特別秘書は特別職なので調整額のことが人事委員会で議題になったことはない。

 さらに、現行の条例規則で払い得る理論上の最高の調整額はいくらになるか確認したところ、次の回答であった。
 
・調整基本額の最高額は行政職の10級で15900円である。
・掛け率の最高は、埼玉学園(児童の自立支援に直接従事する職員で児童と起居を共にするもの)の「4」となり、1万5900円×4=6万3600円である。

 あくまで理論上払える調整額の最高額であり、じっさいには調整額の対象となる職員に10級はないので、この額が払われることはないとのことであった。

 そうすると、一般職給料表の最高額に調整額の25%を掛けて一般職給料の上限額を算出するという監査委員の考え方は、間違っている可能性が高い。調整額は人事委員会が決定するもので、条例に明記している。その計算方法は、給料の号級ごとに決めた基本調整額に職責の掛け数をかけた金額を加えるというやり方だ。そして、その調整額は加算前の月額給料の25%を超えてはならないという仕組みである。

 特別秘書の給料額の上限を、調整額を含めて「一般職職員の給料の最高額」と解釈することには疑問があるが、仮にそう考えたとしても、特別秘書に払い得る給料の最高額は、給料表の最高額55万9100円に6万3600円の調整額(理論上の最高額)を加えた62万2700円と考えるべきではないだろうか。すると現行の給料額(65万7200円)はこれを超過していることになる。

 給料額に25%を掛けた額を上限とみるという奇妙な理論は、監査委員が専門委員として弁護士に意見を求め、その弁護士がひねりだしたものだと監査結果にある。専門委員といいながら、とても地方自治に精通したものの考えとは思えない。

投稿者: miyakatu

ジャーナリスト

「埼玉県知事特別秘書給与をシロ判定した奇妙な監査結果、さらに疑問深まる」への2件のフィードバック

  1. 三宅さんのおっしゃるとおり、埼玉県の監査結果には納得できません。
    これは違法な給与支出のように思えます。

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