東京都議会の政務活動費収支報告書取り扱いに重大疑惑

  東京都議会議員の政務活動費(議員活動に対する補助金。政治的・私的活動には使えない)の収支報告書の公開方法をめぐり、重大な疑惑が浮上した。東京地裁703号法廷で、あす11月1日午前11時から、筆者が原告、都を被告として、この疑惑を追及する情報公開裁判が開かれる。関心のある方はぜひ傍聴におこしいただきたい。

※東京地裁 平成30年(行ウ)272号

 東京都の政務活動費は、条例上次のような仕組みとなっている。

 毎年4月30日までに各会派は収支報告書や会計帳簿、領収書などを議長に提出、議長はそれを公表する。これと並行して、議長に任意の調査権が付与されていて、提出された収支報告書などについて「必要に応じて」調査することができる。調査にあたっては、識者などから構成する政務活動費調査等協議会の意見を聞くことができる。収支報告書などは提出期限の翌日から起算して5年間保存しなければならない。

 常識的にみれば、5年間は収支報告を公開しなさい--という趣旨である。

 今年5月30日、筆者は2017年度分の政務活動費収支報告書と会計帳簿など(尾崎大介議長分)を開示するよう議長に対して情報公開請求を行った。こうした手続きをとったのは、提出期限から1ヶ月が過ぎてもいっこうに収支報告書などが公開される気配がなかったからだ。

 結果は全て非開示。予想外だった。公開が義務付けられている収支報告書類がなぜ非開示となるのか。決定通知に記載された理由をみて再び驚いた。

・開示しないこととする根拠規定及び当該規定を適用する理由
 東京都議会情報公開条例第7条5号に該当
 (1)政務活動費制度上の公表前に対象文書を公開することは、政務活動費に係る事業及びその適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため。
 (2)議長による調査等を経たものではない対象公文書を公開することは、政務活動費に係る事業及びその適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため。

 東京都議会情報公開条例第7条5号はこううたっている。

 五 都議会の事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
イ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、都及び都が設立した地方独立行政法人の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
ロ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ

  条例にもとづいて各会派からだされた収支報告書をそのまま公表すると政務活動費制度の事務や遂行に支障がある、だから議長の調査を経た上でないと公表できないというわけだ。提出された収支報告書などを議長(じっさいは議会事務局職員)が調査し、必要な修正をしたうえでなければ公開しないということらしい。
 
 議長が調査権をつかうことには問題はないにしても、調査対象の収支報告書を公開しないというのはどう考えてもおかしい。条例で公開を義務づけている文書なのである。

 重大な問題だと考えた筆者は、都議会の非開示処分は違法であるとして処分取消を求める訴訟を東京地裁に起こした。その第一回口頭弁論があす11月1日午前11時から703号法廷で開かれる。弁論に先立ち被告都から主張が届いた。懸念は当たった。そこに書かれていたのは、おおむねこういうことであった。

 各会派は、条例の期限までに収支報告書を出す際、それが議会事務局職員らによって調査がなされ、しかるべき修正がなされた後でなければ公表されないことを承知している。調査前のものを公表することは政務活動費以外の支払いを公表することにもなる。取材などの問い合わせがきて調査業務の著しい障害になりえる。だから公表できない。
 
 どうやら、各会派(すべてか一部かは不明)は、ずさんな収支報告しかしておらず、それを提出後に職員らが点検し、整えた上で、それをあたかもオリジナルのものであるかのように偽って公表している疑いが濃厚なのだ。あるいは収支報告の体をなしていないものがあるのかもしれない。

 法廷で真相追及を試みたい。
 

 
 
 
 
 

投稿者: miyakatu

ジャーナリスト

「東京都議会の政務活動費収支報告書取り扱いに重大疑惑」への1件のフィードバック

  1. 東京都には、ノラリクラとして、きちんとした答えは出さない。お金を積まれて、正しい事も、ねじ曲げられてしまう。日本国は民主主義ではない。地方公共団体は真実に対してもねじ曲げる。
    これが日本の行政のやり方だ。

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