請願・陳情の件名から氏名削除を求めた議員申し合わせ事項に疑問

 杉並区議会議長にあてて筆者が陳情を行ったところ、陳情の件名「大熊昌巳議長の2014年度政務活動費の返還を命じた東京地裁の判決を杉並区長が受け入れて控訴をしないことを区議会として求めることに関する陳情」から「大熊昌巳(区議会議長)」という人物名を削除するよう議会事務局から求められた問題で、削除要請の根拠とされる議員申し合わせ事項の内容が判明した。

 該当するのは申し合わせ事項「第9 件名、文書表公開の取扱い」の部分で、次のような内容となっている。

 (1)取り扱いルール
 ①請願・陳情の件名には、公人、私人を問わず、氏名その他の個人情報は載せない。
 ②請願・陳情の本文中に、氏名その他の個人情報がある場合、個人情報は非公開とし、文書表の該当個所をマスキング処理する。
 ただし、本文中の公人の氏名についてはマスキングせず、そのまま公開する。

 (2)手続き
 ①提出された請願・陳情の件名に氏名等の個人情報があった場合、陳情者本人に連絡をとり、削除を求める。
 本文中に個人情報があった場合は、削除してもらうか、あるいは文書表として一般に公開する際は、該当部分をマスキング処理することを説明し、了解をとる。
 ②陳情者本人と連絡がとれない場合や、陳情者が削除等に応じない場合は、議長判断により、取扱いルールのとおり処理し、後日議会運営委員会に報告する。
 ③各議員、理事者へ配布する文書表は、原則マスキング処理しない。 なお、提出者の住所・氏名に関しては、各議員において、取扱いについて十分留意すること。

 これをざっとみて、筆者はいくつか疑問を覚えた。

 1、請願・陳情の件名を書き換えるよう求める権限が、請願・陳情を受ける側の区議会(議長)にあるのか。
 2、請願・陳情の件名を、請願・陳情者の意に反して、あるいは無断で書き換える権限が、請願・陳情を受ける側の区議会(議長)にあるのか。
 3、公人(議長を含む)の氏名ははたして個人情報なのか。そもそもこの申し合わせ事項における、「個人情報」の定義はなにか。

 筆者は、陳情の件名から「大熊昌巳(区議会議長)」の記述を削除することには「応じられない」と回答した。こんごこの陳情を大熊議長はどう扱うのか、現在のところ不明だ。氏名は個人情報だとして勝手に削除すれば、陳情内容の無断改ざんとして大きな問題にせざるを得ない。同時に、政務活動費をつかってさんざん自己宣伝した「大熊昌巳」という名前が本当に保護にあたいする個人情報なのか、大熊議員の見識を世に問うことになる。
 

 

投稿者: miyakatu

ジャーナリスト

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