朝鮮半島の和平望まぬ米国

 南米のテレスール(スペイン語で南国テレビの意)から朝鮮半島問題に関する記事を翻訳して紹介します(一部略) 

http://www.telesurtv.net/telesuragenda/Las-relaciones-entre-EE.UU.-y-Corea-del-Norte-20170412-0009.html

Entre misiles y prepotencia imperial: las relaciones entre EE.UU. y Corea del Norte

【ミサイルと強大な帝国の軍事力――アメリカ合州国と北朝鮮】
12 abril 2017

 韓国ソウル大学のチョ=ドンジュン教授(政治・外交学部)は、今年のはじめ、2017年はアメリカ合州国と北朝鮮の関係が悪化すると述べた。

「米国との関係改善にむけ大きな展望を北朝鮮は持っている。しかし、米国はいっさいその展望に関心がない。それゆえ、両国の接点を見出すのはきわめて難しい」

・米国に対する北朝鮮の提案

 国際政治の専門家であるジャック=スミス氏によれば、朝鮮戦争末期の1950年から、朝鮮民主主義人民共和国は米国に対して、繰り返し次の4つの提案を行ってきた。

1 朝鮮戦争を終結するための和平条約締結
2 1945年以来分断されている南北朝鮮の統一
3 米国と北朝鮮の間で毎年1ヶ月間にわたって行われている模擬戦闘の中止
4 朝鮮半島の緊張状態を解決するためにワシントンとピョンヤンで交渉を行う

 ・米国の回答

 米国は朝鮮戦争終結のための和平条約に署名することを拒んでいる。双方の合意による一時停戦に応じているだけである。停戦合意は1953年7月27日に署名されたが、最終的に和平合意がなされれば和平条約に結びつくものだった。北朝鮮は米国との戦争を望んでいない。米国は歴史上もっとも軍事力をもった国である。北朝鮮は和平条約を求めている。

 朝鮮半島が南北に分断されているのは、ソ連(北朝鮮と国境を接している。また第二次世界大戦のときに朝鮮北部を日本の占領から解放する役を行った)と、南部を占領している米国の合意の結果である。1945年以来、分断状態を解決するため、北朝鮮はさまざまな提案を行ってきた。

 だがワシントンは南北朝鮮がひとつになることを望まなかった。中国とロシアに直接軍事力の傘をかぶせるために、朝鮮半島のすべてを獲得しようとしているのである。

 朝鮮戦争が終結(停戦)して以来、米国は2万5000人から4万人以上の兵士を南朝鮮(韓国)に配置してきた。艦隊や核爆弾の基地を配備した。いくつもの米軍部隊を朝鮮半島のすぐ近くに配置した。米国はこの地域での軍事力を増強して北朝鮮に対する脅威を強化した。そしてロシアと中国に軍事力を見せつけた。

 朝鮮戦争は基本的に北朝鮮と米国の紛争である。国連の多数の国が参戦したが、戦争を主導したのは米国だった。北緯38度以北で何百万人の朝鮮市民が死亡した責任は米国にある。それゆえ、南北分断問題を解決して和平条約をめざす目的で、ピョンヤン政府がワシントン政府と直接交渉を求めることには完全なる理がある。

 意図的に和平合意実現を拒んでいるのは米国である。

・緊張

1994年 米国クリントン政府は、北朝鮮と一触即発状態に陥った

2002年 ピョンヤン政府が国際核査察チームを追放したことで米国と北朝鮮の緊張が一気に高まった。後にひそかに核兵器を開発している事実が確認される。

2013年 核実験によって米国はあらたに安保理開催を要請して、北朝鮮政府に対する制裁強化を提案。数日後、南朝鮮と米国は年間をとおして合同軍事演習をすると発表。北朝鮮は南朝鮮との間にもっていた不可侵合意を破棄、同国との通信を遮断する。3月29日、核兵器搭載可能な米軍B-2A爆撃機2機が朝鮮海域に爆発物を投下。北朝鮮は戦争開始と認識する。30日、「戦争状態にある」と発表。

2017年 ピョンヤン側から繰り返し発射されるミサイルに関連して、トランプ米大統領はツイッターで「北朝鮮は問題を起こしている。もし中国が援助を決断するのならそれでよい。しないのであれば、彼らなしで解決する」と述べた。

・米国の経済制裁

 米国政府は財務省を通じて北朝鮮に経済制裁を科している。それによって生産物の輸出や技術の輸入ができなくなっている。

 1996年に32カ国間で署名がなされたワセナール合意によって、あらゆるデュアルユース(軍事転用)可能とみなされるあらゆる技術や物品の輸出が禁止されている。

(注) 2009年、ビル=クリントン前米国大統領は、拘留中の米国記者解放のためにピョンヤンを訪問した。米国大統領の同国訪問は2度目。最初はジミー=カーター大統領で、キムイルソン首席と核開発計画について会談した。

投稿者: miyakatu

ジャーナリスト

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