高円寺一貫校問題で設計会社の報告書に重大ミス、杉並区訂正要求へ

 教育環境や近隣の住環境の悪化や「廃校=一貫校化」の必要性など、多数の疑問が噴出している高円寺小中一貫校問題で、設計会社が区に提出した地質調査の報告書に重大な誤りがあることを区が認めた。問題の報告書は、昨年2月に1億4000万円で実施設計を受注した(株)教育施設研究所が、設計に必要だとして行った2本のボーリング調査の報告書だ。その「考察」部分には、概略次の様に書かれている。

 ーー区が予定している6階建ての建物は、文科省が国立の文教施設を対象とした建築指針によれば「中低層」にあたるのだが、同指針の基礎杭基準(中低層=N値30以上の層で4〜5メートル)に照らしたところ、今回の建物は16〜17メートル付近の東京礫層まで杭を入れて支持層にするのが適当であるーー

 ところが文科省の指針をよくみると、6階建て以上は「高層」と分類されている。高層建築物の基礎杭基準はN値50以上の層で5〜8メートルと、より硬くて分厚い層に基礎を入れることを求めている。

★文科省建築指針

 区が予定している建物は「高層」でないのか。(株)教育施設研究所の調査報告書は誤りではないのか、との市民の指摘は以前からなされていた。区はのらりくらりと明答を避けてきたが、昨日、とうとう筆者の取材に営繕課の伊藤・施設担当課長、「中低層」とあるのは「高層」誤りだと非を認めた。近く訂正を求める予定だという。

 しかし、一方で伊藤課長は「設計には問題はない」として工事を進めたい考えを明らかにした。

 6階建て高層建築物の設計を行った設計会社自身が、ボーリング調査報告書に「中低層」と著すというのは常識では考えにくい。工費削減や工期短縮のために杭の長さを短くしようと意図的な改ざんがなされた疑いは濃厚だと言わざるを得ない。また、「設計とボーリングは別べつに発注するのが一般的で、設計会社がボーリングもやるというのはあまり聞いたことがない」と欠陥建築に詳しい新聞記者は述べた。

 教育施設研究所本社に電話取材したところ、「受付」を名乗る男性が「担当がいない。いつ戻るかわからない」と答えた。なお同社取締役には、元文科省文教施設企画部技術参事官とみられる人物がいる。
 

投稿者: miyakatu

ジャーナリスト

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