杉並区のカネで高利回りを獲得せよと迫る公明党区議議員

 杉並区の2015年度予算委員会の会議録をみていて、気になるやり取りがあった。公明党・中村康弘議員が会計課長をただす場面である。ざっと見た限りの理解ではあるが、中村議員は杉並区のカネをもっと利回りのいい投資に回せと言っているようだ。
 地方公共団体というものを、利益追及を目標とした私企業と勘違いしているかのような倒錯した考えではないかと、強く疑問をいだいた。
 読者におかれてはどのようにお感じだろうか。意見をお聞かせいただきたい。中村議員のほかの場面での質問を勉強したうえで、機会をみて同議員の見解を聴くことにしたい。
 
 ★質問で中村議員が使用した区作成の資料
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平成28年予算特別委員会

 日   時 平成28年3月2日(水) 午前10時01分 ~ 午後4時30分
 場   所 第3・4委員会室
会計課長    後 藤 行 雄

◆中村康弘 委員 財政運営について、公会計の財務諸表について、そして資金の管理運用について。使用する資料は、区政経営報告書、杉並区資金管理方針、平成26年度資金管理計画、資料ナンバー、いただいた資料は46、48、50、51、52でございます。

(中略)

◆中村康弘 委員  では次に、基金の運用管理について伺います。
 年々増えてきております。当該年度も418億円ということで、これは基本的な資金管理計画によりますと、基金の債券による運用を行うということで、国債証券、政府保証債証券、地方債証券が対象となっておりますけれども、改めて聞きますけれども、なぜこれらのみなんでしょうか。もっと利率のいい社債や株式への投資ということはできないのか。物理的にというか、規則的にできないのかどうか。できないのであれば、その理由をお示しいただきたいと思います。

◎会計課長 自治法の規定で、最も確実かつ有利な方法によりこれを保管しなさいというふうに規定をされてございます。これに基づいて、総務省の見解では、元本保証がない株式については、取得、保管することができないという見解が示されてございます。
 社債につきましては、発行体の状況などのリスク管理をどのように行っていくかという大きな課題もございますものですから、今のところは購入しておりませんけれども、今後につきましては、いろいろな金融債等のものもございますので、検討をして進めていきたいというふうに考えてございます。

◆中村康弘 委員  地方公共団体でもありますし、地方自治法に基づいて、地方自治法には、具体的にこれしかやっちゃいけないとか書かれておりませんけれども、今おっしゃったとおり、元本保証という安全性という観点から、リスクゼロのところにしかなかなか投資できないのかなと思って、確かにそういう部分もあるのかなというふうに思いますけれども、そうであれば、逆に、長期運用することによって高い利率、先ほどちょっと長期の利回りも低いというふうにおっしゃっていましたけれども、そういうふうな長期化をすることで少しでも利息を稼ぐということに関してはどうかと私は思います。
 資金の管理方針では、本区では預金による運用は2年、債券その他は10年というふうに上限が設定されておりますけれども、2年、10年という根拠は何なんでしょうか。

◎会計課長 区が計画的に進めるという中での財政需要ですとか金利の動向、こういったものを勘案しますと、流動性の確保ということを念頭に置かなければいけないということで、現在、預金については2年、効率性も含めまして、債券については10年という期間を定めているものでございます。

◆中村康弘 委員  それで、資料で、では実際26年度はどうだったのかということで、基金の運用に関して、方針では10年というふうになっておりますけれども、実績は最長5年なんですね。5年以内しか投資していないということで、一応方針では10年までやるというふうに認めているにもかかわらず、5年しか実際はやっていないというのは、長期債による運用をしていない理由は何か具体的にあるのでしょうか。

◎会計管理室長 委員のご指摘のとおり、計画の中では10年債まで見ておりますし、中途売却も検討するという、そういう余地も残してございますけれども、私どもの資金管理計画というのは、大体5年先の金利動向というものも考えてつくってございます。その中で金利が上昇する局面があったら、そういう長期債も買っていこう、それから中途売却も考えようというものなんですけれども、昨年度の状況を見ますと、どうも平成30年あたりまではちょっと、金利の上昇というのはなかなか難しいかなというのをその運用の中で、1年間の中で見てまいりました。そういう中で、今後の金利上昇に備えるという意味で、5年の国債を中心としたラダーというようなことで組んできた、これが1つでございます。
 あとまた1つは、私ども、心理的なものでして、長期債を買ったときに、将来金利が上昇したときにその長期債をどうするのかというところがございまして、満期まで、満期保有で持ったらオーバーパーですので、当然、運用益が損失になる。それで、中途売却したら、今度は足元を見られて、金利が上昇していますので、これも売却損が出るというようなことで、そういうところでも長期債には至らなかったというところでございます。

◆中村康弘 委員  では、今現在では5年を境に、区は金利上昇局面が来るということを期待してということなんですかね。なかなかこれは難しい部分がありますよね。確かに金利変動リスクということを考えると、長期がいいのかどうかということもあります。
 ただ、区が発行している債券は大体20年とか25年ですよね。ですから、資金調達は20年とか25年という単位でやっていまして、資金の運用は5年単位ということで、実際、金利上昇が来る可能性も当然あると思うんですけれども、ただ、現状を見たら、長期のほうが当然、わずかですけれども金利も高いというふうなこともあるので、その辺、何かうまいことできないのかなというのが正直な感想ですね。ぜひ検討して進めていただきたいと思います。
 ちなみに、資料051をいただきましたけれども、26年度末時点で、基金の運用先に80億円が普通預金に保管されているんですね。これはなぜ普通預金なのか。これは一時的な現象なのか、その辺に関してはどうなんでしょう。

◎会計課長 先ほどもご答弁させていただきましたけれども、年度当初等の資金が、忙しいときでございます。そういうときの繰りかえのために、一時的に普通預金に入れまして、繰りかえなどの急な場に備えているというものでございます。

◆中村康弘 委員  ちょっと総括してお話しさせていただきますけれども、実際26年度だけ見ても、区債の発行残高が230億円なんですね。それに対して1年間、26年度の区が払った利子、利払いの額が2.7億円。一方で、区が運用管理している積立基金と歳計現金の合計が520億円。それに対して利子収入が7,900万円ということで、2.7億円払って8,000万円弱しか入ってこない。ましてや、運用先の額のほうが倍以上多いわけですよね。これはどう見ても、会計管理室長もしかめっ面されておりますけれども、低収益構造と言わざるを得ないんじゃないかなというふうに私は思っております。
 これは当然ながらリスクがつきものでありまして、金融リスクというのが、一般的には、先ほど来お話ししている元本償還に関する安全性の信用リスクというところと、あと流動、お金が必要になったときにそれをおろさなければいけないということで流動性のリスクと、先ほどの長期化による金利変動リスク、この3つにリスクがまとめられると思いますけれども、それぞれの金融リスクに対して、どういうリスクがあるのかということを明確にして、それをどこまで区は許容できるのか。地方自治法に照らして、また区の自治体としてのあり方を考えた上で、どこまで許容できるのか。また、そのリスクをできるだけ回避するにはどのような方法があるのかということを、ぜひ検討していただきたいと思うんですね。

投稿者: miyakatu

ジャーナリスト

「杉並区のカネで高利回りを獲得せよと迫る公明党区議議員」への1件のフィードバック

  1. 介護の仕事をしています❗️
    なぜ介護職員には危険金はが出ないのですか?
    議員さん達だっていつかは介護職員に助けて頂くのではないでしょうか?
    コロナウイルスが流行しても利用者さん達は来るが安い給料で働く私達は頑張るしかないのです高齢者さん達のため、そして高齢者さん達の家族の為
    今の介護の現状を国は考えないのですか??
    公明党さん介護職員の大変さ考えてください❗️お願いします‼️

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