アルゼンチン人が裁く同国の「汚い戦争」

 1976年から83年にかけて南米アルゼンチンでおきた軍主導のはげしい人権侵害で、何万人もの人が殺害され、行方不明になったといわれる。米国CIAが関与していることも明らかになっている。その国家犯罪に対していま、アルゼンチン人自身の手で裁きが続いている。国家犯罪を国民の手でいまだ裁いたことのない日本からみると、はるかに「文明」が進んでいるといえよう。

 大規模な誘拐・殺人にかかわった罪に問われた軍首脳ら28人に対して終身刑が言い渡されたというアルゼンチンからの報告を、プレンサラティーナ(キューバ国営通信)の記事から紹介したい。(抄訳・一部省略)

http://www.prensa-latina.cu/index.php?o=rn&id=22121&SEO=cadena-perpetua-para-28-represores-de-dictadura-argentina

〈アルゼンチン独裁時代の抑圧者28人に終身刑〉
【ブエノスアイレス8月25日】

 歴史的な判決がくだされた。282人が行方不明になった責任を問われたルイシアノ=ベンハミン=メンデス氏をはじめ軍政時代(1976年ー83年)の抑圧者28人に対して、コルドバの裁判所は終身刑を言い渡した。

 アルゼンチン第三軍の元隊長のルイシアノ=ベンハミン=メンデス氏(89)は、軍政時代、「ラペルラーラリベラ」収容所での誘拐、拷問、殺人、行方不明事件に関与したとして有罪判決を受けた。

 コルドバの裁判所の前には人々が集まり、判決のニュースに喜びの声をあげた。抱擁と涙、感動が長い間つづいたと現場にいた人はプレンサラティーナの電話取材に語った。

 審理によれば1975年3月から79年にかけて22件の人権侵害を行ったとされる。内務省の大佐の名にちなんで「ラペルラ」「ラリベラ収容所」「D2」などと呼ばれたコルドバの秘密収容所で、拘束、拷問、殺人を実行した。 

 加えて、700人以上を誘拐、拷問、殺害した。このうち311人は現在も行方不明である。また、新生児の「適応」についてコルドバの裁判所ははじめて明らかにした。

 妊娠6ヶ月半で行方不明になったシルビア=モニカ=パロディ=オロスコさん夫妻の件で、拘留中に生まれた新生児が奪われた。この子どもは現在も、祖母であるソニア=トレスさんーーコルドバ5月広場の祖母の会のリーダーーが探している。

 終身刑を受けたのは、ほかにエルネスト=バレイロ氏、アルノルド=”チュビ”=ホセ=ロペス、エクトル=ペドロ=ベルガス、D2の元所長カルロス=アルベルト=ジャニセリ各氏ら。

 審理は2012年12月、40件以上の罪によって始まり、4年間のうちに52件に増えた。600人ちかい被害者が証言にたった。証言時間は1000時間を超える。

 700人の犠牲者のうち198人は職能組合の組合員だった。また行方不明者のなかには、1975年に抵抗組織を立ち上げた際にかかわった、司法、報道の労働者、公務員らが含まれている。

投稿者: miyakatu

ジャーナリスト

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